クラシックのギタリスト蒔野は才能に限界を感じ始めている。そんなとき、蒔野はパリの通信社で働く洋子と出逢う。
ツアーもレコーディングもキャンセルする蒔野。同じ頃、パリはテロ事件が続発し、洋子も巻き込まれる。
師匠の祖父江からマドリッドのコンサートの競演を持ち出される。洋子を誘うが洋子はテロの犯人を追って、怪我をした同僚のために行かない。洋子がいないことに動揺した蒔野は途中で演奏を止めて退席する。
パリに行き、事情を知った蒔野は洋子にプロポーズする。洋子は婚約者がいて拒絶するが、蒔野に心を揺さぶられる。
日本に帰ってきたとき、洋子は蒔野に答えを話すと伝えるが、思わぬ事件とある思惑のために・・・
私事で知っている人もいるかもしれないが一時期、離婚調停中の女性と付き合っていた。決して、その女性と不倫していたわけではなく、長らく、別居して離婚調停中に出会い交際が始まった。
担当の弁護士さんや多くの人から交際をやめるよう言われた。とてもつらい恋愛で、事情により彼女とは別れた。嫌いで別れたわけではなく、遠くに離れているが今も連絡はとりあう。
蒔野のセリフ、「出会ってしまったのだから仕方がない」。自分が言ったのか、彼女が言ったのか、今は忘れてるけど、同じような言葉が二人の間にあったのを思い出した。
エンディングで再会した二人。あのあとどうなったか。
「過去は消えない。未来が変わるなら、過去も変えられる」
ハッピーエンドにはならないかもしれないけど、わだかまりは解消できたらなと思う。
原作は平野啓一郎。弱冠24才で芥川賞を受賞。寡作ながら出版されたものは、全て人気がある。個人的にポスト村上春樹、世界で評価されていくのは平野啓一郎だと思っている。
「マチネの終わりに」はちょうど仕事を辞めた頃に出版されて白い背表紙に「マチネの終わりに」とスッキリした字体がシンプルで印象に残っている。原作は読んだことはなく、「マチネ」の印象からずうっと、劇場でのオペラや演劇のはなしだと思っていた。
サントラもいいです。クラシックギターもたまにはいい。

