スローな台風のせいで、雨風が入りこまないように、家中の窓を閉め切って、家を出た。
午前中に暴風圏を抜けてでたので、家に熱がこもっても、親父は自分で開けられない。熱中症になるおそれがあるので、姉に親父の寝ている部屋のサッシを開けてきてもらうように頼んだ。
姉は朝も昼も仕事だからと断ってきた。仕方ないか、隣のWさんのおばさんに頼むかとちらっと話したら、世間体を気にする負けん気強い姉は、自分が行くと言い出した。それなら、自分が行くと言えばいいのに。
帰ってきたら、風通しが良くなったせいか、親父は気持ちよく寝ていた。
いつも綱渡りな生活をしている。この気持ちがわかるだろうか。
家の北側の「隠し場」と呼んでいる物干しに取り込み忘れていた洗濯物のポロシャツが風で揺れていた。
なんだか、「お疲れさま」と言ってもらっている気がした・・・