実は幻の番組である。テレビ局がVTRを重ね録りして使用したため、最終回しか残っていない。
明治自由民権運動が盛んだった頃、難事件の解決に、勝海舟が乗り出す。しかし、これが迷推理。結局洋行帰り、背中に牡丹の刺青があると言われる結城新十郎が解決する。結城新十郎を若林豪が、勝海舟を三橋達也が演じた。
原作は、「堕落論」などを発表した坂口安吾の「明治開化安吾捕物帳」。安吾のミステリー好きは有名で、自分が読んでいたミステリーの結末が納得がいかず、「不連続殺人事件」を発表した。その「不連続殺人事件」は日本ミステリー史上ベストスリーに入る傑作で、のちにATGが映画化した。角川文庫での表紙は全裸の女性がナイフに恐れている姿だった。未刊の遺作「木のごときもの歩く」は高木彬光が跡を継ぎ足した。
10月に、深夜枠のアニメで、「安吾捕物帳」が再び登場するそうだ。
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