「裸の大将放浪記」で有名な山下清はあのランニングシャツとデカパンで各地を放浪したらしい。
春になれば桜前線とともに北へ、秋になれば渡り鳥ともに南へ。時々、思い出したように、彼が収容されていた施設、八幡学園に戻ってきたという。
映画や舞台ではスケッチブックを携え、各地を写生したようにされているが、実際はおにぎりを得るために奔走していたらしい。作品の創作は、八幡学園に帰ってきて、一気にしたようだ。素晴らしい記憶力だ。
そんな山下清の作品も、永年の風化により、色の退色が激しいと聞く。使われた色紙が粗悪なためだそうだ。
自由人としての彼を枠にはめてしまい、ついには命まで縮めてしまったのは、社会や世間というエゴ。
しかし、彼のように愚直で、また主題歌の「野に咲く花のように」のように明るく生きたいものだ。
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