夜襲をかけた翌日、正午をもって、敵の砦に向けて進攻する、と知らせが流れた。
イライブは我関せずという気持ちで杖の手入れをしていた。繊維のささくれだったところや塗装のはげたところを手直しする。
「穴ひとつ、汚れひとつにも意味がある」
シャルの視線を感じてイライブは呟いた。
「みんな、あんたを、褒めてる。騎馬の基地を、燃やしたから攻め込める、って」
イライブは手を止めた。ため息をついて、杖を背中に納める。
「8人を死なせたことには、誰も何にも言わないのか」
吐き捨てるように言う。
シャルが困ったような顔をする。
「誰も何にも、言ってない」
「そりゃ、軍隊は何千何万って数で動くんだろうさ。でもたった8人でも、命は命だろう……」
シャルに言っても仕様のないことだ。分かっていても口にしてしまう。
「よく、分かんない」
ただ困惑するだけなのが、良かった。余計なことを言われれば当たり散らしてしまうかもしれない。イライブにもそれくらいの自覚はあった。
イライブは我関せずという気持ちで杖の手入れをしていた。繊維のささくれだったところや塗装のはげたところを手直しする。
「穴ひとつ、汚れひとつにも意味がある」
シャルの視線を感じてイライブは呟いた。
「みんな、あんたを、褒めてる。騎馬の基地を、燃やしたから攻め込める、って」
イライブは手を止めた。ため息をついて、杖を背中に納める。
「8人を死なせたことには、誰も何にも言わないのか」
吐き捨てるように言う。
シャルが困ったような顔をする。
「誰も何にも、言ってない」
「そりゃ、軍隊は何千何万って数で動くんだろうさ。でもたった8人でも、命は命だろう……」
シャルに言っても仕様のないことだ。分かっていても口にしてしまう。
「よく、分かんない」
ただ困惑するだけなのが、良かった。余計なことを言われれば当たり散らしてしまうかもしれない。イライブにもそれくらいの自覚はあった。