イライブは苦笑する。何よりまず報告なのだろう。見るとシャルは見張りの脇を抜けて幕舎ヘ向かっていた。
 もともと注目はされていたので、怪しまれることもない。イライブもシャルのあとに続く。
「将軍に伝えてくれ」
 ラグの言葉も聞こえてきたが構わない。見張りの兵士も何事か聞き返していたが悪い雰囲気ではなかった。
(どうやら俺らの戦果は喜ばれそうな雰囲気だな)
 若干、苦い思いを抱きつつイライブは思った。
(8人を死なせて、成したことと分かっても、喜ばれるのかね)
 イライブは思いつつ、シャルと共に幕舎へ戻るのだった。
 自分も似たようなものだろうとイライブは思う。
(うまくいったと思ったんだけど)
 なんとなく辛い。疲れたというのとも違った。
「着いた」
 シャルに言われて我に帰る。
 ラグが見張りの兵士に取り次ぎをしている。
(休ませてくれよ……)
 
「しかし容赦なく首を討ってたじゃないか」
 イライブはひやかすように言う。
 話している間にも陣地は近付いている。ラグと生き残った兵士は黙って歩いている。疲れきった顔をしていた。
「私も、死にたくはないから」
 真面目な顔のまま、シャルは言った。
 人を切ったのは初めてではないにしても、まだ、戦争に染まっていない。