修学旅行:鈴虫寺編
京都に着いて1日目は有名所の神社やお寺巡りをした。
一応クラス順に並んでたから、いかにも修学旅行って感じでちょっと恥ずかしかった。
榊原君はと言えばやっぱり三村君たちと馬鹿やってるし・・・
あたしの横目に移るのは清水寺で
「お前落ちろ」「お前が落ちろ」
と落としあいをしている2人の姿だ。
男子ってバカだなぁ・・・そこが可愛いんだけどね。
そんなこんなで2日目
2日目はクラスごとで行き先が違う。
ちなみにあたしたち3年2組の目的地はと言うと・・・鈴虫寺だ。
聞いたことねー。
鈴虫って・・・やっぱあの鈴虫?
クラス中にどよめきが走る。もちろんあたしの頭ン中にも。
とりあえず行ってみると・・・やはりあの鈴虫のお寺だった。
ただそこには面白いモノがあった。
お坊さん(?)のありがたいお話を聞いた後、そのお坊さんは寺の奥からお守りを沢山持って現れた。
そのお守りの中にはお地蔵様が入っていて、願い事を1つだけ叶えてくれると言うのだ。
それもその願い事は本人のお願いでないと叶わないらしい。
そして願い事が叶ったらまたこのお寺にお守りを返すのだ。
中坊のあたしたちはそんなロマンチック(?)なお坊さんの話にコロッとやられてどっさり買いこんだ。
あたしもその中の1人で、お守りを3っつ買った。
朱華のとパパのとママの分。
鈴虫寺には大きなお地蔵様が居た。
そこの前で先ほど買ったお守りを手に持ち、目を閉じてお願いする。
『最遊記の悟空みたいな彼氏が出来ますように・・・
あ、やっぱりやっぱり榊原君と付き合えますように・・・なんてなんてキャーキャー』
最遊記というのはその頃流行っていたテレビアニメだ。
西遊記のカッコイイ版みたいな。
あたしはそのアニメの悟空というキャラが大好きだった。
そして榊原君と悟空はとてもよく似ていた。
悟空と付き合うのは無理だけど、榊原君ならありえるかもしれない。
目を開けると、大きなお地蔵様の最前を陣取っていた榊原君と目が合った。
まさかあたしのお願い聞こえたんじゃ!?
口に出してないよね!?
即効視線をずらして次の場所へと移動した。
あの時のお守りは、今もあたしの元にある。
毎日持ってないと叶わないってお坊さんが言ってたから、学生時代は筆箱に入れてたし、今は財布に入れてある。
でも、ねぇ、榊原君。
今何処に居るの?
あの時榊原君は何てお願いしたの?何をお願いしたの?
あの頃に戻りたいよ
