瞳に映るは君の幻覚、耳に残るは君の幻聴、今も其処に君の残像 -7ページ目
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下校途中の蒼い空

ただひたすら蒼い空には 雲一つ無かった


学校指定のリュック型鞄は学年ごとに色分けしてある

1年が紅 3年が黄色 俺たち2年は青色だ

上履きも同様の学年色が使用されていて 俺たちはその学年色を3年間使用することになっている


校門を出た矢先 前を行くのは黄色のリュック3人・・・先輩たちだ

だらしなく着くずした制服姿と脱色されて傷んだその髪から素行の悪さが垣間見える

俺は速度を緩めて そのグループを追い越さない様注意して歩いた

からまれればやっかいな事になる


俺たちの通う中学は2年前から県内一の悪評で有名となっていた

当時の3年生の一人が族の総長となったのが始まり

それからただの不良だった生徒たちが次々と族に興味を示した

とは言っても族まではいかないが不良までなら という生徒がほとんど

中途半端っつーのが一番ウザイと俺は思うけどネ


で、前を行くこの先輩たち 明らかに族だな

歩行を緩めた俺だったが さっきよりも近付いている

おそらく気のせいではないだろう

チンタラ歩いてんじゃねーよクソ!・・・って思ったけど絶対口には出さねー

大体なんで俺がこんな気ィ使わなきゃイケネーの?

暑さでイライラしてた俺は一か八か先輩たちを追い越した 足早に

運が良ければすり抜けられる だが 俺は運が悪かった


「アッレ~?裕の彼女じゃ~ん」

調子に乗ったヘラヘラとした口調で声を掛けられてしまった

俺は3人の方へ顔をやったが 初めて見る顔だった

つーかテメーら誰だよ・・・って思ったがやはり声には出さなかった

「・・・」

特に何も言わず、数秒間先輩たちの方を見つめた後俺は速度を速めた

「ンな足出して歩いてたらヤられちゃうよ~?」

その一人の声に対して残りの奴らがゲラゲラと下品な声で笑う

俺は学校指定のジャージ姿だった

暑いからと下はハーフパンツだ おそらくコレを言っているのだろう


他の学校がどーなのかは知らねーが、俺たちの中学では

授業中意外もジャージで過ごしても良いことになっている

だから一日中ジャージ姿で居る生徒も少なくは無い

それに掃除の時間はジャージで行うことになっているので 制服の者は着替える必要がある

だからジャージ率がかなり高めだ ちなみに族や不良は制服率が高い

俺は休み時間に校庭で遊ぶ時ジャージの方が都合イイからジャージ率高め


あ~ァ、制服に着替えてから下校すりゃ良かった 俺は小さな溜息を付く

後ろでは先輩たちがまだ騒いでいる まだ俺のことが話しのネタんなってたらヤダなァなんて思っていると

いきなり甲高い声が聞こえてくる

「裕じゃねーか!何一人?めずらしくネ?」

俺は『裕』という言葉を敏感に耳にすれば更に速度を上げた

アイツのせいで俺のスクールライフはめちゃめちゃだ

顔も見たくねー・・・だけど 鼓動が若干早くなったのを感じる


いつもの道とは別の道へ入ると視界から人が消えた

ちょっと裏道へ入るだけでこんなにも人通りが変わるのかと 少し驚く

空は未だ蒼く 入道雲が恋しくなる

ひたすら真っ直ぐな道を延々と歩いていれば 視線を感じた 気がした

俺がゆっくり振り返ればその先には 裕が居た

先輩たちは居ない 独りだ

アイツの家こっちじゃないのに

俺が足を止めると アイツも足を止めた

俺の顔に表情は無い アイツの顔にも表情は無い 共に無表情

沈黙が通り過ぎる中で妙な緊張感が走る

コイツは一体何を考えているんだろう

俺は向き直り 再び歩行を続けた

そして最初の右折が来た時に チラッと後ろを窺った

だが そこに裕の姿は無かった


あの沈黙は何だったのだろう 疑問を残したまま 彼は消えてしまった

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