今回は相場の話ではないが、
アメリカで最も若い女性CFO(最高財務責任者)のひとり、ジェイミー・コーエン(Jamie Cohen)氏が大学時代、初めてのインターンシップ先で得たものは職場経験だけではなかった。彼女の人生を変えたのは、1冊の本を勧められたことだった。
コーエン氏が「すばらしいメンターだった」という、その時の上司が勧めてくれたのは、ブラジルの作家パウロ・コエーリョ(Paulo Coelho)の小説『アルケミスト 夢を旅した少年』。
同書を読んだコーエン氏はたちまち、自分の道を追い求めることについての普遍的なメッセージに引きつけられた。
「自分の夢を追いかけること、そして自分の心を信じることは、人生にも、仕事にも、実に多くの機会をもたらしてくれた。この本からは、思った以上に多くのことを教わった」という。
コーエン氏は人生の大きな決断を下す局面で、たびたびこの本を読み返してきたという。大学を卒業後、就職先をアメリカ東海岸にするか、それともコロラド州デンバーにするかを決めたときもそうだった。
私もこの本は何度か読み返したことがある。
とても深いお話。読み手によって思いの情景が違うので定期的に読み返すと以前と違う感覚を覚える。若い頃はいろいろと冒険したくなる。だが私はいまも冒険の真っ只中だ。人生や相場もそうだが、いつも「選択と決断」の連続だとつくづく思う。