中国は6月も金準備を増やし続けています。この月にさらに10.3トンの貴金属を追加しました。5月までの6ヶ月間で、金保有量は最大74トンを追加しています。
SPDR Gold Shares(GLD)は6月から勢いを増し始めました。その月のS&P 500(SPY)を上回り、8%上昇しました。
地政学的緊張に加え、FRBの利下げ期待、現物の買い、米ドル安による金買いが入っている状態です。
米中貿易戦争で中国はドルからの多様性を模索しているようです。
それを示すように中国の米国債(TLT)保有も4月に2ヶ月連続で下落し、1.113兆ドルとほぼ2年ぶりの最低水準となっています。
また、脱ドル化の傾向は、中国の外貨準備だけでなくロシアにも見られます。
ロシア(RSX)は金の買い手を継続したままです。5月に6トンの金を購入し、その総金保有量は2,183トンになりました。その年の最初の5ヶ月で78トンの金を買っています。
先週、ポーランドの中央銀行も6月に95トンの金を購入し、2019年には100トンの金を購入したと発表しました。
ワールドゴールドカウンシルによると、2018年に世界の中央銀行は651.5トンの金を購入し、これは記録上2番目に高い値です。ロシアの中央銀行(RSX)、トルコ、およびカザフスタンが2018年の総中央銀行需要の58%を占め、2017年の94%から減少しました。ロシアは年間で274.3トンの金を購入しましたが、これは記録的な量です。
多くのアナリストも金の価格見通しを強気に見せています。これは中央銀行の買入れが増えたことも一因といえるでしょう。
中央銀行の金準備の増加は金価格にとって良い兆候のようです。貿易緊張の高まりやその他の地政学的な不確実性を考慮すると、特に中国(FXI)とロシアは、金準備を増やし続けると予想されます。また、これらの2カ国の金準備が、その総準備金に占める割合として、米国、フランス、イタリアなどの先進国の準備金をはるかに下回っていることも注目に値します。
国際通貨基金および金の国際調査機関「ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)」の最新データによる、2019年4月初め現在、世界で最も多くの金を保有国トップ10は以下のとおりです。
1位 アメリカ
金の保有量:8133.5トン
外貨準備に占める金の割合:74.9%
2位 ドイツ
金の保有量:3369.7トン
外貨準備に占める金の割合:70.6%
3位 イタリア
金の保有量:2451.8トン
外貨準備に占める金の割合:66.9%
4位 フランス
金の保有量:2436トン
外貨準備に占める金の割合:61.1%
5位 ロシア
金の保有量:2150.5トン
外貨準備に占める金の割合:19.1%
6位 中国
金の保有量:1874.3トン
外貨準備に占める金の割合:2.5%
7位 スイス
金の保有量:1040トン
外貨準備に占める金の割合:5.5%
8位 日本
金の保有量:765.2トン
外貨準備に占める金の割合:2.5%
9位 オランダ
金の保有量:612.5トン
外貨準備に占める金の割合:65.9%
10位 インド
金の保有量:608.7トン
外貨準備に占める金の割合:6.4%
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