北海道雪崩研究会の講習
2日間の講習会から戻りました。
ひとまず講師養成コースを終了ですが、勉強しなくてはならないのはこれからですね。
40名という多数の参加者にびっくりしましたがスタッフもかなりの人数でしたので、ザックを背負った異様な集団がルスツリゾートを大移動でした。
毎年のことながら中級クラスのセルフレスキューは受講生の真剣さに心を打たれ、手に汗握りしめてはらはらドキドキしながらの時間でした。その一部始終を見学する基本クラスの参加者もなかなか緊張して真剣に見ていました。
以下備忘録
最近のデジタルビーコンの普及で機械の性能が上がったぶん人間の技能を引き上げるのに苦労するというパラドックスに直面しました。デジタルビーコンはクロス法が不要という方もいますが、数十秒で近くまで来るもののゾンデで当てるまでに5分以上かかるような事例をたくさん見ました。初心者がそうなるのは教える側の責任と心得るべきでしょう。指導法、練習の方法などまだまだ改善の余地がありそうです。クロス法の理解と練習のためにあえてアナログ機を使うのも一つの考え方かもしれません。
コンプレッションテスト・ビーコンを雪面につけての捜索・ショベリンクなどで、体の立ち位置や姿勢や目線などをはっきり目的を明示して教えないと重要なポイントを押さえきれない場面があることが非常に気になりました。
コンプレッションテストは右で叩く人は左前のコーナーが見える位置に目線をおく必要があります。
ビーコンの最終捜索ではビーコンを正中線から体側に外さないとクロス法が小さくなったり後ろ方向への捜索でビーコンの向きが変わってしまったりと動きが阻害されます。
ショベリンクでも後ろにつく人と最前線の人の立ち位置や体の向きがうまく合わないと作業がスムーズにはかどりません。
細かいことですがこうしたことを実地講習で受講生にしっかり伝えていかないと本で読んだ知識をただ噛み砕いているだけでは受講生にとって満足のいく講習にならないはず。
それぞれのカリキュラムの目的を体系だったなかでの位置づけから伝え、ポイントと要領 出来映えの見本をしっかり講師がデモで見せ、実地ドリルをしてもらう。この流れがすべてのカリキュラムでできるようになるためにはまだまだ勉強しなくてはなりません。
「~みたい」とか「~らしい」ではダメですね。
快晴の朝
おはようございます。
札幌は快晴の朝です。快晴でも雪の状態を考えると気分は複雑です。
後志は気温が下がったからか小雪が舞っていますが山がよく見えていて積もるほどではありません。
今日からルスツで北海道雪崩研究会の雪崩講習です。5年通い続けてどれだけ自分の力になったかわかりませんが決して小さなものではなかったと感じています。まだまだわからないことや学ぶべきことがどんどん湧き出てきていて、正直いっぱいいっぱいです。
大事なことはいつも学び続けること。いつも変わり続けること。たかをくくったり現状に満足してアグラをかくようなことはしては自然から学んだことを人に伝えることはできないのだというのが5年間の答えかな。だけど来年くらいはちょっとお休みしたいです。
激しい風雨
おはようございます。
あまりの暖かさと最近の雪の悪さが気になって朝から気象データを見ています。
いま北海道を前線(太平洋の暖気と大陸の空気の大きな境目です)が通過中で、強い南西の風の収束した帯がゆっくり東に移動しています。それに伴って激しい降水があり、アメダスでは道南・道央の観測点は一時間4ミリ~5ミリを観測しています。雨か雪か気になるところですが、各峠の気温データをみると中山峠プラス5.2℃、石北プラス5.1℃と雪は期待できません。激しい雨と思われます。この降水ですが、道央は夜半すぎから降り始めました。朝4時現在24時間降水量は美国31ミリ、余市22ミリ、小樽11ミリとなっています。
この前線の通過後は雪を期待したいのですが、いま出ている渦度の予想図から、前線の後ろ側の状態は上空の空気の対流は負の渦(上から下への流れ)となっていて、前線の通過後は西に控えている移動性の高気圧の影響があるようです。しかし北西から西の風が日本海に吹くので若干の降雪も期待してみましょう。
500ヘクトパスカルの高層天気図では沿海州にはマイナス42℃の寒気があるのですが、気流や気圧配置でなかなか北海道に影響を及ぼしにくい形になっています。この寒気の影響を受け始めるのは来月に入ってからという予報です。
いずれにしても酷い状態です。今週末はスキー以外のことを考えるのも一手かもしれません。自然の為すことには逆らえません。
あまりの暖かさと最近の雪の悪さが気になって朝から気象データを見ています。
いま北海道を前線(太平洋の暖気と大陸の空気の大きな境目です)が通過中で、強い南西の風の収束した帯がゆっくり東に移動しています。それに伴って激しい降水があり、アメダスでは道南・道央の観測点は一時間4ミリ~5ミリを観測しています。雨か雪か気になるところですが、各峠の気温データをみると中山峠プラス5.2℃、石北プラス5.1℃と雪は期待できません。激しい雨と思われます。この降水ですが、道央は夜半すぎから降り始めました。朝4時現在24時間降水量は美国31ミリ、余市22ミリ、小樽11ミリとなっています。
この前線の通過後は雪を期待したいのですが、いま出ている渦度の予想図から、前線の後ろ側の状態は上空の空気の対流は負の渦(上から下への流れ)となっていて、前線の通過後は西に控えている移動性の高気圧の影響があるようです。しかし北西から西の風が日本海に吹くので若干の降雪も期待してみましょう。
500ヘクトパスカルの高層天気図では沿海州にはマイナス42℃の寒気があるのですが、気流や気圧配置でなかなか北海道に影響を及ぼしにくい形になっています。この寒気の影響を受け始めるのは来月に入ってからという予報です。
いずれにしても酷い状態です。今週末はスキー以外のことを考えるのも一手かもしれません。自然の為すことには逆らえません。