私「謳、イチャイチャしよー」
謳「いいわヨ。ついでにマッサージしてあげるわァ、ボディークリーム持ってらっしゃい」
実体がないのにどうやってマッサージしてくれるのか謎でしたが、言われた通り準備しました。
謳「ここ座んなさい、毛布丸めて背もたれにしなさいネ」
私「こんな感じ?」
謳「うんうん、足伸ばしてリラックスしててちょーだい」
ダラーンと座っていると謳が向かい合って腰を下ろしました。
ふわっと軽いキスが額に落ちて来ます。
両手を部分憑依させてシャツのボタンをゆっくり外していきます。
謳の視線が僅かに熱を帯びているような気がして妙に恥ずかしい。
謳「じゃマッサージ始めるわネ、ボディークリーム手の平に出して人肌まで温めるわよォ」
私「部分憑依でやってくれるのね」
謳「他にやりようがないじゃないの」
ぬるくなったクリームがデコルテを滑ります。
甘いピーチの香りと、ほのかに謳が愛用している香水のシトラスグリーンの匂いがしました。
部分憑依してると接地面積が自分の手より一回り大きく感じるんですよね。
心地良い圧がかかって、なんとも気持ちいい…。
目を閉じていると瞼にそっとキスされました。
だんだん際どいところに手が伸びてきたのですが、焦らすようにギリギリで手を離すのです。
私からおねだりしなければ先には進んでくれないみたいです。
右手の部分憑依を外し、謳のモコモコ乙女チックパーカーの隙間に手を滑り込ませて脇腹を撫で上げました。
相変わらず細い腰です。
頬に手を添えるとようやく唇を重ねてくれました。
短いキスを何度もした後に右手をあっさり取られました。
謳「リラックスしててネ」
そう囁いてマッサージ再開してくれたのですが、私のスイッチが入ってしまってもうダメダメ。
体が熱くなってぜぇはぁしてました。
ぐったりしてたら謳がくっついてきて、汗ばんだ額を拭ってくれました。
謳「ふふ、アカリあったか~い♪」
私「あっついんだけど…(ぜぇぜぇ)」
謳「スゴい気持ちいいわァ、とろけちゃいそ~」
優しい眼差しで私の顔を覗き込みながらゆっくり腰を動かします。
なんなんだコイツのテク…こっちがとろけるわい…。
いいところで謳が離れたので、猛烈な不完全燃焼感にもうぐったり。
「ここから先は生身の男で覚えなさいネ」と真顔で言われました。
ただ100%悪意ではない気がします、嫉妬とかでもないけど…言った謳本人のが傷付いてるような。
実体がない事への皮肉でしょうか。
ムカついたので残った力で引っ張ってやりましたけど←
謳はちょっとだけ驚いた表情でしたが、期待と怯えが入り混じった視線に苛立ちがスッと引きました。
これは怒ったところで何の効果もないと思ったので…逆に甘えてみる作戦で。
ぺたっと抱き付いて「最後までして…」と精一杯かわい子ぶってお願いしてみました。
自分の演技に我ながら失笑です…。
そーっと髪を撫でてくれて「仕方ないわねェ」と最後まで付き合ってくれました。
謳の元気がなかった理由に関して、ダルカが言うには「アカリの受け皿の深さを測ってるんだと思うわ。どこまで素の自分を出していいのか迷ってるんじゃないかしら」だそうです。
いきなりポーンと飛び込んでこいとは言いませんが…意外と繊細ですね、謳は。