ウルグアイのホセ・“ペペ”・ムヒカ元大統領は、チリのガブリエル・ボリチ次期大統領にたいし、かれの能力と「進歩主義の世界でもっとも開かれた見解の新鮮な風」に信頼を置いていると語った。対談はウルグアイのラジオ、M24でおこなわれ、ボリチは、左翼政権が人権擁護を堅持することの重要性を語った。

 

対談のなかでムヒカ元大統領(在任2010-2015)は、チリ経済の成果(マクロ経済の数字を指す)と、2019年年末の社会爆発で表面化した社会の恐るべき負債との、大きな差について言及した。

 

ウルグアイの歴史的な左翼指導者は語った:「これはあなたが前に進める仕事だ。もしも経済発展が、社会の底を引き上げず、繁栄を分配しないのなら、いったい何の意味があるだろう?」「あなたがまだ若いというのは幸せである。なぜならまだ先には、理解していないことが多く残っているのだから」。そしてムヒカは「種を蒔くことの重要性」も強調した。

 

ボリチはムヒカに答えた:「ある意味、わたしたちはあなたの種の一部です」。チリの次期大統領は、ウルグアイの元大統領の言葉に、感謝を表明した。「あなたの忠告は、しっかりと聞いてきました:一歩一歩転落しないように進まなければならない。しかし階段を上ることをやめてはならない」。

 

別れる前に、ムヒカは3月11日の就任式に出席できないことを残念がった。しかし必要なときには、いつでも助言することを約束した。「わたしは86歳で、もうじき87歳だ。向かい風がわたしを捉え、わたしを剥がす。わたしは政治が好きだが、人生はもっと好きだ」。

 

「人権の無制限の擁護」

 

インタビューのなかでチリの新しい大統領は、人権の無制限な擁護を堅持することの重要性を強調し、これがいくつかの政府で守られていないことを指摘した。「この問題ではダブル・スタンダードは許されない」。この意味でボリチは、いくつかの左翼政権で、表現の自由が制限されている状態に言及した。「この意味で、ニカラグアは残虐であると思う」。

 

一方ベネズエラについて懸念を表明した。「もちろん米国による封鎖が影響を与えている。しかし民主主義の条件の後退もまた、疑いのないところである。大陸全体に拡がる600万人のベネズエラ移民が、もっとも明白な証拠になっている」。

 

ボリチはビセンテ・ウイドブロの詩から言葉を引いた:「チリの詩人の言葉がある。形容詞が生命を与えないなら、殺してしまう。わたしはこれがいくつかのラテンアメリカ左翼で多く起きていると思う。かれらの演説には形容詞が満ちている。しかし実際には、かれら自身の人民が苦しんでいることを見ようとしない」。「わたしに関心があるのは、協力の空間を追求し達成することである。なぜならすべてを前に進めなければならないのだから」。

(通算3563) (Pagina12による)

 

(左ムヒカ、右ボリチ。foto:Pagina12)

 

 

33分過ぎから対談。