昨日から更に天気は下り坂となり、昼でもやや暗く感じるような空だったが、そんな中で武蔵小杉を歩くことになった。
以前から交通の要衝とも言える場所だったのだが、私が意識したのは横須賀線と湘南新宿ラインの駅ができた時からである。
それが開発を加速した面もあるようで、用件があって降りるたびに街並みが変化するように感じる場所でもある。
ただ、昔からの村という面もあるようで、そうした営みの流れも感じるものがあるのが楽しいところだ。
駅から歩いて東横線をくぐるところに流れる用水路沿いに、桜が咲いているところがあった。
かつては水田が広がっているところだったのではないかと思いながら、その時代の風景を想像してみたが、そこを流れる用水路は、典型的な春の小川だったのではないかなどと思っていた。
この桜はいつ頃植えられたものかはわからないが、姿から見れば、ソメイヨシノとしてはかなりの古木であろうと思われた。
曇り空の下ではあったが、地元の人たちにも名所のようであり、春の風情を味わえる気がした。
この周辺には、後に植えられたと思われる桜も多く、駅周辺はちょっとした桜のスポットになっているが、それを誘ったのは、このように昔から植えられていた桜なのではないかと思われた。
言わば新開地とでも言えるこの土地に、昔からの風情が味わえるスポットがあることに安らぎを覚えるものである。