⁶これはちょいと変則的で意表を突かれ、終盤思わずホロリとさせられた。主演の“フィンチ“(Finch)をトム・ハンクスが演じていて全編、ほぼ彼一人の独壇場である。共演と言うなら愛犬と彼が作ったジェフと呼ばれるロボット一体だけである。

 

どうやら公開が22年のコロナ禍真っ最中と重なり劇場公開が出来ずAppleが買付けネット配信になったようだ。ロバート・ゼメキスがプロデューサーに名前を連ねているのでどんな展開になるのか予想出来たが、、背景は人類が滅びたポスト黙示録的時代、アメリカ南部。そこに一人生き残っているフィンチの孤独で将来が見通せない生活ぶりから始まる。

 

 

 

 

破壊され尽くした町へ出ては食料品を求めて彷徨っている。相棒は愛犬、そしてガラクタを繋ぎ合わせて完成させたロボットのジェフがいる。スーパーやショッピングセンターへ入っては棚を漁るがたまにドッグフードくらいしか見つからない。そんな境遇で語られるのは人類が絶滅させたのは結局人間同士の争いだったと判る。

 

どうも太陽光フレアが大きな地球破滅の原因だがその後、生き残った人間同士が食糧を求めて殺し合いを始めそれが大きな要因で人類が喪失してしまったと語られる。優秀な技師だったフィンチはジェフを見事に完成させ将来、自分が居なくなっても愛犬にはちゃんと餌をやり面倒をみるようにと言いつける。そしてキャンピングカーに家財道具を積んで西海岸のサンフランシスコを目指す決心をする。

 

この辺りは一種のロードムービーになっているのだがどうやらフィンチは自分の寿命が尽きそうな事を知っていて事あるごとにロボットのジェフに人間の生き方を教え込み、愛犬に接する事を繰り返し伝えるのだ。終盤はその感情のないロボットのジェフと愛犬がまるで飼い主とペット犬みたいにゴールデンゲートブリッジに佇んで終わる。

 

トム・ハンクスは“キャスト・アウェイ”でも殆ど一人っきりの出ずっぱりだった。この映画じゃヒーローでもないし孤軍奮闘、相手に立ち向かう場面もない、見知らぬヘッドライトに終われ逃げ惑うシーンが唯一のアクションだった。初期の“めぐり逢えたら”でメグ・ライアンと共演した時のような初々しさはないが加齢なる技か、、ロボットと愛犬相手に実に巧い。余りこんな地球の末期的な状況を描いたSFはボクの好きなジャンルじゃないのだが途中でやめられなかった、、。

 

エンディングはやっぱりゼメキス調、決してハッピーエンディングではないのだが生みの親であるフィンチを父親として生きる術を授かったジェフは感情のある愛犬の世話をすると決めこの不安定な将来を共に生きて行く決心をする、、と言うなんとも不思議なエンディングでした。