私は”縮毛矯正”という表現はしません。
すでに過去の言葉と受け止めています。
関東ではもうほとんどこの表現は使われていない気がします。
私の中では差別用語とさえ思っています。
以前、「私は美容室で"縮毛矯正"をいつもやってもらっていますが
私の髪は縮毛なんでしょうか?」といった内容のメールをいただいたことがあります。
返信で「写真とシャンプーの際の抜け毛を送って下さい」と連絡しました。
後日、送られてきた毛髪は単に大きなウェーブ・・・いわゆるクセ毛だったのです。
彼女にしてみれば、ずっと悩んでこられたんだと思います。
美容師さんの中には「縮毛かける」「縮毛する?」という表現をしている人が
少なくありません。それは間違った表現でスマートではありません。
美容師=髪のプロフェッショナルと一般の人は思っています。
その責任は軽くはありません。
私のとってのストレートには特別な思いがあります。昭和62年から始まった
ストレートに関するライフワークは美容師人生を大きく変えてくれた
と言っても過言ではありません。
知らない人以外はみんな知っていると言われる(当たり前!)superSARAが
平成2年スタート、今日まで色々なことがありました。
なんでこんなにストレートにこだわるんですか?とよく聞かれます。
答えは簡単明瞭・・・”お客様にすっごく喜んでいただけるから・・・”
それだけです。
携帯電話もなかった頃の話になりますが(懐かしいポケベル時代)
ストレートを終えた中高生が帰りにスキップしながら帰って行く姿を何人
も目撃しています。それから感謝の手紙は数知れず・・・当時は画期的
な技術だったんです・・・。
手紙の内容、今でもハッキリ覚えています。
「この前は本当にありがとうございました。自分の髪の毛じゃないみたい
です。自分の髪の毛が嫌いでたまらなくて、友達が話しているとことに
私が近づくと突然、話をやめてしまうのが死にたくなるほど辛かった・・・
いじめにも遭いました・・・でも店長さんのおかげでこんなにキレイな髪に
してもらったことでこれからたくさん外に出ることができたり、友達とも話が
出来ると思います・・・」
と便せんにその思いがびっしり・・・辛い思いをしてきたんだと思います。
ストレートは他の技術と違って特別なんです。それ自体がコンプレックス
に思っている人がほとんどなんですから・・・本当は他人に土足で入って
きて欲しくないんです。
本当にコンプレックス、悩んでいる人はサロンの前に”縮毛矯正”とPOPが
あるサロンへは行かないんです。
近所にちょっと変わった薬局があって「男の薬」「秘薬」「滋養強壮」の垂れ
幕がたくさんあって入り口がその垂れ幕で見えないようなところがあります。
でも、国道沿いで目立つところにあるんですが、EDに本当に悩んでいる
男性がいたとしても恥ずかしくて入れないと思います。
同じことかもしれません。サービスを提供する側とされる側の温度差が
あまりにも大きいのです。
その日、その手紙の女の子は何にも言わずにお母さんに連れられての来店
でした。うつむいて目を合わせようとしません。お母さんからは色々な思いを
口にされました。「ほら、僕もこんなにクセがあるんだよ・・・パーマじゃないん
だよ」「確かにクセはあるけど髪の毛の量や髪の毛の太さはすごくイイ感じだ
から今日ストレートやったら素敵になるよ!」
「これからいろいろなヘアースタールが出来るようになるよ!」というような話
をしました。
後日、その手紙を受け取った私の心はみなさんの気持ちと同じです。
photo:gucchiの髪・・・クセ毛+寝グセ
濡らして自然乾燥するとカールになります。
私はクセ毛だからクセ毛のお客様の気持ちが分かるんです。
神様はお客様の気持ちが分かるようにと私をこんなクセ毛に
されたのでしょう。私だって若いときはサラサラのストレートだったら
キムタクは無理でも(笑)もっと違った色々なスタイルに挑戦したいと
いう思いありましたから・・・
今はこれが自分・・・個性だと思っています。
私が考えているストレートの定義は
「クセ毛や縮毛でお悩みのお客様の希望されるスタイルに
近づけるためのテクニック」と位置づけています。
パーマをかけるだけはパーマ屋さん
ストレートをかけるだけはストレート屋さん
髪を切るだけはカット屋さん
私たち美容師はスタイリストでなければ・・・・
ストレートは「技術」「心」を同時に学び、磨くことが大切だと考えています。