隣 人 ノ 憂 鬱 -48ページ目

大予言より月日は流れ。

今日から12月。


1年はあっという間で、21世紀もはや5年を過ぎようとしている。
そういえば、最近ノストラダムスの名を聞かない。


世紀末、書店には数多のノストラダムス関連の書物が、整然と棚に並べられていたことが偲ばれる。

20世紀の遺物もいろいろあるが、ノストラダムスの予言ほど、人々に未知なる恐怖を残したモノはないと思う。


ノストラダムスというよりは、ノストラダムスの予言を読解した人、それを翻訳した人といった方が正解かも知
れないが。


そんな恐怖から解放されるまで6年近くかかった。今になって思うことは、恐怖は金になるということ。
未知なる恐怖は大金を生み出す。その恐怖から逃れる術をセットにすれば売り上げ倍増間違いなし。

まさにアメとムチ。今からは、恐怖を売る、恐怖の商人となろう。


一緒に、読み終わったマンガも売ろう。

カゼ。

カゼをひいた。


とにかくノドが痛い。鏡でみると、ノドちんこが真っ赤に腫上り、ぶらぶらとゆれている。
だんだんノドちんこがブランコに見えてきた。

きっと熱のせいだ。


寝るしかない。

堂々人生。

高架橋の向こうに中華料理店がある。


店の隣は駐車場になっていて、駐車場側から裏口がよく見える。
裏口のわきにビールケースが積まれていて、よくチャーシューが置いてある。


そのチャシューからは湯気が出ている事が多いので、作りたてを冷ましているのだろうと思っている。
そんな風景をなんとなく眺めていると、店のおやっさんが裏口から出てきた。

一度目があったが、おやっさんはそしらぬフリでタバコをふかしはじめる。


すっかりくつろいだ様子で、ビールケースに寄りかかるおやっさん。

はずみでチャーシューが地面に落ちた。
おやっさんはそれを何事もなかったように拾い上げ、2,3度手で掃って、またビールケースの上に戻した。


あれは確実にラーメンの上にのるだろう。
誰でもミスはするし、少しばかりのズルならいいかなと思う。


しかし、あまりにも堂々としすぎ。
せめてまわりをキョロキョロしてから拾って欲しかった。

食後の憂鬱。

今おつかい中だ。


渡されたメモには、ニラ1束、小麦粉1袋と書いてある。
それだけならメモがなくても覚えられる。なんというか屈辱的だ。


少しスネているので、インターネットカフェで道草をくっている。
それにしても露店で買ったタイヤキがうまい。


タイヤキを食べ終わったら、おつりを使い込んだ言い訳を考えよう。

旅の途中。

中古車販売店の前を通りかかった。


10年前の車で、走行距離が約12万キロ、販売価格が80万円。
その車には、すでに売約済みの札がかけてあった。


10年間で12万キロ走った車。
地球を約3周している車。
知らない誰かと、10年の長きにわたり地球を3周も旅してきた車。


楽しい旅もあれば、つらい旅もあったのだろう。
ん~、なんだか妬ましい。

今は、古き旅の友と別れ、新しい相棒が迎えに来る日を待っている。


白い雲が映るほどピカピカに磨かれたボンネットなのに。

ナゼだろう、ほんの少しだけ寂しそうに見える。

クリック ~ せっかちな人の場合

せっかちな人のパソコン操作は面白い。


電源を入れてから立ち上がるまでの間、ずっとクリックしっぱなしだ。しかもなぜか中腰。
それでも待ちきれず、コーヒーを入れてみる。飲むのかと思えば飲みもせずクリック開始。
ちょろちょろ動き回ってはまたクリック。マウスを親の敵だと思っているらしい。


立ち上がってからもマウスいじめはまだ続く。
シングルクリックに設定してあるにもかかわらず、必ず複数回クリック。
音を聞く限り、ダブル、トリプル当たり前。最低4回はクリックしている。
4回目からはなんと表現したらいいのか?カルテットにしておくか?
カルテットクリック。なんだかイイ。


それはさておき、何回もクリックするもんだから同じソフトがいくつも起動。
結局固まり再起動。初心にかえり中腰クリック。


もううんざりだ。
笑うのもあきた。
君よ、生き急ぐなかれ。

クリック ~ 僕の場合。

疲れた。


車を3台洗ったら、ほとんど体の自由がきかないほど疲労した。
考えてみれば、日常一番の重労働はダブルクリックだ。


車を洗うなんて、カロリー換算したらいったい何千倍になるのだろうか。
へたをしたら死んでもおかしくない仕事量だ。


やはり日々もう少し体を使おうと思う。
これからはトリプルクリックにしよう。

コロ。

我が家の犬は柴犬で、名前をコロという。生まれて間もないころにもらってきた。


家の中でかっていて、体は白と黒のツートンカラー、スッと通った鼻筋、大きくまんまるい目、黒い瞳はいつも物憂げで、なにか憂鬱そうだ。よく窓の外を眺めては、ため息をついている。哀愁漂うそんな後姿に、つい問いかけたくなる。「いったい何を見ているんだい?それとも悩み事?もしそうなら聞かせて欲しいんだ。だって家族だろ。」


コロは何も答えない。ただ悲しげな瞳をなげ返してくるだけ。もしコロと話が出来たらなんて本気で考える。
コロは何を答えるだろう?

「ただ外を眺めていただけだよ。」そう言うかもしれない。

「生まれてすぐに別れたお母さんを思っていたんだ。」もしそうなら謝ろう、ただゴメンと謝ろう。

「今ここに生きているワケを知りたいんだ」

それは僕には難しすぎる。

コロは続ける「だから考えているんだよ。毎日外を眺めながら考えているんだ。」
何もいえない僕を見るコロの目は、前にもまして悲しげで、黒く静かに輝く。

想像するだけで苦しくなる。君は何を思っているのか。


夜中にふと目を覚ますと、コロはベッドのわきに座り、じっと僕を見つめているコトがある。
君の気持ちも分からない僕を嘆いているのか、それとも慰めてくれるのか。
ああコロよ、僕は君が大好きなんだ。一緒にいたいだけなんだよ。



コロに別れを告げてもう3年になる。今日は命日だ。
今頃どこで何をしているのだろう。
もし、本当に生まれかわるなんてコトがあるとしたら、必ずまたここに帰って来ておくれ。
君がよく眺めていた窓の外をいきせき駆けながら。

今は、その日をただ待っているだけだ。

I wish.

机の上に、ティッシュにのったラムネが置いてある。


食べてみた。ラムネだと思っていたものは、輪切りにしたチョークだった。
なんてイタズラをするんだ。悔しいので全部食べた。


ああ、気持ちが悪い。犯人に負けたくないので平気なフリをしている。
今、自分の顔は何色だろう。


限界がまだまだ先でありますように。

その獣、赤き衣を纏いて。

焔が真っ赤に燃え上がっている。


静かに、そして激しく、メラメラと揺らめきながら、天高く触手を伸ばしてゆくその様は、赤き衣を纏いし獣の如きか。


時に畏れられ、時に疎んじられ、また時には狂信的な指導者の旗手となり人心を惑わせながら、ただただ赤くある事だけを願って止まない肉体なき獣よ。


我が問いに答えるが良い。いいのか? もういいのか?
獣は沈黙をもって答える。もう良い、もう良い。
声なき声に導かれ、おなべのフタをあけてみる。


今日はキャンプ。どうやらカレーが出来た。しかしご飯がまだだ。
赤き衣を纏いし獣よ、ダメならダメと言ってくれ。