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イタリアのひと、こと、ものとほん

non ragioniam di lor, ma guarda e passa.

イタリアの旅の一つの楽しみが「詩人ゆかりの地を巡ること」だ。


ラヴェンナのダンテの墓は、きっと皆さんイタリア旅行をするたびに立ち寄っていることだろう。


あの小さな礼拝堂に、詩聖が眠っていると考えただけで、


この詩人に出会えてよかった、生きていてよかった! …と胸が熱くなる。


私はいつも礼拝堂の中に置いてある芳名帳に、名前と「日本から参りました」という旨を記し、


極東から来たストーカーのアピールをして帰ってきている。




ダンテの墓は有名だが、ウェルギリウスの墓をご存知だろうか。


ナポリのチェントロからはすこしずれた位置に、この詩人の墓だと言われる岩場のような公園がある。



photo by: Haephestus


軽い散策にちょうどいい。 


洞窟のような岩のくぼみがあったり、香草がさりげなく植えられていたりする。


少し肌寒く感じられるこの公園、なんだか地獄への入り口でも見つかりそうな、


ミステリアスな空気が漂っていた。


しかし、ウェルギリウス大先生が眠っている場所からだったら、


彼岸への旅路も思い切って踏み出せてしまいそうだ。




こっそり公園から採ってきたローズマリーの一束、


あのあと酷い風邪をひき寝込んだのは、決して詩人の怒りに触れたからではない、


と思う。