熱海から成田に居を移して、ちょうど6年になる。

 

早いものだ。

 

コロナ禍の中で始まった成田での生活だったが、

あの頃が遠い昔の出来事のようにも感じられる。

 

それでも、

6年経ってもなお、近場にはいまだ訪れたことがない店がたくさんある。

 

 

 

世の中の3連休が終わった火曜日のおととい、

そんな「未知の店」に2軒、足を運んでみた。

 

 

 

朝は3カ月ぶりに病院での検査と診察だった。

 

おととし発症した肝臓の病に関して、

数値はすっかり正常に戻って安定している。

 

それは喜ばしいのだが、

尿酸値がかなり高めになったことを今回は指摘された。

 

「痛風の症状が出てもおかしくないくらい」

と、担当医に言われた。

 

「ホントだったら『薬飲め!』というくらい」

とも、飄々と言われた。

 

 

 

思いあたるふしがないはずはない。

 

けっして、激しい筋トレの影響ではない。

 

とりあえず、

「節制しまーす」

と担当医には告げた。

 

「ホント」ではなかったのか、

医師の温情か、

薬は処方されなかった。

 

 

 

買い物を済ませて帰宅したのは10時半頃だった。

 

朝食抜きだった。

 

そこで、ブランチをとるべく出かけることにした。

 

朝呑みとは認めたくない。

 

 

 

向かった先は、こちらの「豊美食堂」だ。

 

住所は成田市三里塚御料。

 

以前から存在は知っていた。

 

多くの車が停まっているのを横目で見ながらも、入ることはなかった。

 

大衆食堂のような雰囲気ではなく、

こぎれいな佇まいが、

ひねくれ者にとっては逆に入りづらく感じられたからだ。

 

 

 

しかし、ずっと興味はあった。

 

そこで初訪問となったのである。

 

 

 

開店時刻の11時を3分ほど過ぎた頃に着いた。

 

すでに先客が3名いた。

 

皆、男性一人客だった。

 

入口に近いカウンター席に座る。

 

愛想の良い女性スタッフさんが紙おしぼりを持ってきてくれた。

 

定食やセットメニューがいろいろあるようだが、

料理単品での注文でもよいことを確認した。

 

 

 

やはり瓶ビールから。

 

枝豆も一緒に来た。

 

 

 

カウンター席は横との間隔がかなり広く、快適だ。

 

店内を見回せば清潔な感じで、落ち着く。

 

厨房の中の様子も少し見え、店の人たちが忙しく動き回っている。

 

おそろいのピンク色のシャツが制服かのようで、ほのぼのした感もある。

 

 

 

客は次々とやって来た。

 

数名のサラリーマン風グループもいたが、

大半は車での仕事途中に訪れるような客のように見えた。

 

 

 

テーブル上にあったメニュー。

 

 

 

 

 

後で気づいたのだが、

背後の壁にホワイトボードがあり、

酒のつまみになりそうな品々も書かれていた。

 

 

 

注文から20分あまりして、2品まとめて運ばれてきた。

 

刺身3点盛りともつ煮込みだ。

 

刺身はとりわけマグロのボリュームがすごかった。

 

もつ煮込みは「小」もあると言われたので小にしたが、とても美味しくいただいた。

 

ビールは追加でもう1本注文した。

 

 

 

〆は醤油ラーメンにした。

 

ほのかに鰹節の風味がする気もした。

 

細麺で、これまた美味しかった。

 

小さな杏仁豆腐も付いており、最後まで満足の時間を過ごせた。

 

 

 

入店からの滞在時間は1時間あまり。

 

この間、年配の男性一人客が瓶ビールと冷奴から始める唯一の「同志」だった。

 

店内は大盛況となり、様々な料理が運ばれて行くのをチラ見してみたが、

揚げ物も炒め物も美味しそうだった。

 

 

 

今まで来なかったことを、少しだけ悔やむ。

 

ごちそうさまでした。

 

 

 

気分良く店を出て三里塚の交差点方面へと歩いた。

 

交差点の手前に、とても気になる店がもう1軒あった。

 

こちらの「楓」だ。

(退店後に撮影した画像)

 

住所は成田市三里塚。

 

看板は「COFFEE 楓」とある。

 

「営業中」の札がかかっている前を今までにクルマで何度も通っていたが、

失礼ながら本当に営業しているのかわからない雰囲気だったのである。

 

 

この日も扉には「営業中」の札が掲げられていた。

 

店内はあまり見えず、暗い。

 

意を決して向かってみた。

 

扉は、開いた。

 

 

 

年配の女性が奥にいた。

 

娘さんなのか、ちょうど昼食を店の隅でとろうとしているタイミングだった。

 

客はいない。

 

 

 

年配の女性が水と紙おしぼりをテーブルに運んでくれた。

 

ケーキセットを注文してみた。

 

 

 

店内の様子。

 

昔ながらの喫茶店、というイメージそのものだ。

 

 

 

テーブル上に置かれていたメニューの表と裏。

 

 

 

おそらくは、これ以外にもあるのだろう。

 

 

 

チーズケーキとコーヒーを味わう。

 

喫茶店のコーヒーの味がする。

 

 

 

耳障りなBGMなど流れていない。

 

カーテン越しに見る外の景色は、見慣れた県道だ。

 

しかし、遠い旅先のどこかの町でぼんやり過ごしているかのようでもあった。

 

くつろぎの時間とは、本来こんなときのことをいうのかもしれない。

 

 

 

ごちそうさまでした。

 

 

 

初訪問ながら、どちらもぜひ再訪したい店だった。

 

まだまだ開拓していく楽しみがありそうだ。

 

 

 

高い尿酸値、プリン体、ビール、プリン体、もつ煮込み、プリン体、ラーメン、チーズケーキ、等々。

 

7年目に突入する成田生活での、そんな1日だった。

 

 

 

近くの三里塚記念公園。

 

冬枯れの景色ではあるが、

あと1カ月あまりの後には、

またきれいな桜を見ることができるのだろう。