水窪は「みさくぼ」と読みます。
静岡県西北にあり、今では浜松市の一部となっている町です。
熱海と同じく静岡県ではありますが、車で3時間以上走り続け、はるばる来た感があります。
訪れた理由は、とくにはありません。
あえていえば、天気が良かったから。
先日乗り替えた車で、どこか遠くへ行きたかったから。
あるいは、世の中が新年度になって、自分も区切りの儀式めいたことをしたかったから。
低地では散り始めてしまった今年の桜を、あらためて目に焼き付けたかったから。
水窪は、昔から気になっていた町でした。
周辺には天竜川が流れ、ダムもあり、良い場所だといつからか思い込んでいたのです。
それはテレビで見たからか、雑誌で読んだからかは定かではありません。
いつか行ってみたい、そんな町だったのです。
かつて、飯田線で通ったことはありますが、下車して歩く機会はありませんでした。
今朝はいつもより遅く、8時過ぎに起きました。
不意に、どこかへ出かけたくなったのです。
頭に浮かんだのが、なぜか水窪でした。
ホントに行くのか?と、自分でも疑問に思いながらも身支度を進めました。
スマホで「水窪 旅館」と検索して出てきた宿に電話をして、今宵の部屋の予約を試みたところ、
「きょうはお休みです」
と、断られてしまいました。
まあ、どうにかなるだろうと見切り発車で、11時過ぎに熱海を出発しました。
給油の後、長泉沼津インターから新東名道をひた走りました。
最高制限速度110kmの区間は、クルーズコントロールを使って快適に走れました。
浜松浜北インターからは下道です。
ちなみに、ナビの力は借りない旅です。
標識とフィーリングで走ります。
熱海を出て2時間半ほどの地味な道の駅で休憩を兼ねて昼食をとりました。
600円のランチです。
普段は口にしないガッツリ系ですが、美味に感じました。
道の駅からの眺めです。
ここの駐車場で、水窪の町から遠くない場所にある山中の温泉宿に電話をして、今夜泊まれないか訊いてみました。
「事前に言ってもらわないと」
と、断られました。
気ままな旅も、そううまくはいかないようです。
それからまた山道をひた走り、水窪の町に着きました。
商店街のようですが、閑散としていました。
ただし、夕食は食べてきてください、とのこと。
この際、泊まれるだけでもありがたいと思います。
朝食付きで6,500円とのことで、安くはありませんが泊まることにしました。
宿が決まれば、元気になります。
下界では桜吹雪でしたが、水窪の町では桜は満開でした。
その前に、酒やつまみを買い込みます。
そして、宿へ。
なにせ、民宿、
仕事の最中なのかもしれません。
少しだけ走り、由緒ある観音堂に行ってみました。
早くに行ってよいか、と。
しかし、断られてしまいました、
「こちらも用事があるので」
と。
民宿なのです。
ごもっともです。
「まったりしてから来てください」
と言われました。
はい!
まったりすることにします。
水窪の夜です。