未明、激しい雷雨に目覚めたりもしましたが、温泉宿で迎える朝は、大概爽やかな気分です。
趣ある廊下を歩き、二つある浴室の大きいほうの大浴場(=真の大浴場)に行きました。
次いで、空いていれば自由に入れる貸切露天風呂へ。
二つあるのですが、どちらも空いていました。
よくある塩素臭とも無縁の、ホンモノの温泉です。
ちなみに、もう一つの右側の露天風呂は、こんな感じです。
撮影のためのみに立ち入りました。
部屋に戻れば、布団は片付けられています。
旅館の常識です。
ほどなくして朝食が用意されました。
夕食同様、決して多くはないですが、充分に満足出来ます。
食事の量は多くても少なくてもクレーム。
宿の人は大変だろうと思います。
食後、部屋の内風呂に浸かります。
贅沢な話です。
加水、循環濾過が当たり前の昨今、真の温泉宿ならではの贅沢です。
加満田よりもはるかに宿泊料金が高い、温泉地にある高額宿は他にもたくさんありますが、真の温泉宿は実は多くはありません。
雰囲気重視ならよいのかもしれませんが、身体のために静かにホンモノの温泉を楽しみたい、と思えば、自ずと宿泊する宿は限られてくるのです。
10時前に、女将さんに見送られて加満田を後にしました。
箱根を越えて、御殿場に向かいました。
こちらの某ブランドショップに勤務する友人に会うために立ち寄ったのでした。
立ち話ではありましたが、目的は果たしました。
車はクルーズコントロールを駆使して、ストレスフリーで順調に帰京出来ました。
非日常空間から、いっきに日常世界に帰ってきてしまった、そんな空虚感に襲われます。
注文した記憶のない、ビールケースです。
送り主、そしてこちらを目にして、おもわず唸りました。
これぞ、遊び心。
本当に、感動しました。
友人の数は多くなくても、こうして感性をくすぐり合える僅かの友人がいれば、自分には充分に有り難いことです。
それは、あたかも加満田の食事と同じく、量重視ではない心からの満足感、充足感のように思われました。
送られてきたビールは冷やして、自室での夕食で早速いただきました。
またひとつ、歳をとりました。