こんばんは。
ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力と歌は世につれというテーマで
チキン・リトル(2005)
(原題:CHICKEN LITTLE)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
★歌は世につれとは?
↑本シリーズの概要はコチラ!
本作は2005年に公開されたディズニー映画。
当時低迷していたディズニー映画をテコ入れするために作られた本作は「姫なしディズニー映画」として公開されました。
主人公は冴えないヒヨコです。
そしてあまり知られてはいないかもしれませんが、そんな本作はディズニー映画の中でも屈指の音楽セレクションが素晴らしい作品なのです😊
オープニングから、カナダのオルタナバンド
「ベアネイキッド・レディース」を起用!
ご機嫌なサウンドで心ノリノリです😊
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。
…ん?
なんだか素っ気ない解説ですね
そんな本作の冒頭のストーリーは以下の通り。
① チキン・リトルは、かつて「空のカケラが落っこちてきた!」と大騒ぎをして街をパニック状態に陥れますが、その後、いくらさ町の人たちが探しても空のカケラは存在せず、人々はチキン・リトルの事を「頭の上に落ちたドングリに驚いて、空が落ちて来たとパニックになったマヌケなヒヨコ」と言ってあざ笑うようになりました。
かつてチキン・リトルは
空がカケラ落ちて来たと大騒ぎしますが…
結局、空のカケラは見つからず
パニックに陥ってしまった人たちは
後にチキン・リトルの事を
マヌケなヒヨコとバカにしました!
② 何とか名誉挽回しようと日々頑張っているチキン・リトルですが、学校では肥満ブタのラント、喋る事ができない魚のフィッシュ、そして容姿に恵まれていないアヒルのアビーと共に、学校でいじめの対象となってしまいます。
学校で壮絶なイジメにあっている
チキン・リトルと仲間たち。
③ けれどそんなある日、チキン・リトルに名誉挽回のチャンスが巡って来ました。リトル・リーグの試合の負け試合の最終バッターとして登場したチキン・リトルが奇跡の逆転ランニング・ホームランを決めて、一躍ヒーローとなったのです!
まさかの逆転ホームランを決め
チームを優勝に導くチキン・リトル!!
④ これまでずっとチキン・リトルの不甲斐なさを嘆いていた父親のバック・クラックは大喜びしますが、その晩キチン・リトルが空を見上げていると空から何かが飛来し、気が付けば部屋に空のカケラが転がっていたのです!
ヒーローになった晩、
再び空のカケラが部屋に
落ちて来てしまいました!!
むむむ。
ここで空のカケラ問題を再燃させるのは、勇気がいる決断ですね
さて、果たしてチキン・リトルの部屋に落ちて来た空のカケラの正体は、一体なんだのでしょうか?
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
物音がしたのを聞いて
バックはチキン・リトルに
何があったのかを尋ねましたが
空のカケラの話をしたくない
チキン・リトルは
カケラを隠してしまったのです。
皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、前述したように本作は、スパイスガールズの「ワナビー」、R.E.M.の「世界の終わる日」、エルトン・ジョンの「ドント・ゴー・ブレイキング・マイ・ハート」と言った名曲が惜しげもなく使用されているディズニー映画っぽくない方向性の作品!
エンドロールに使用されている
「ドント・ゴー・ブレイキング・マイ・ハート」は
各国バージョンあり!!
この手法は後にソニー・ピクチャーズの「モンスター・ホテル(2012)」などに継承されてゆきますが、特筆すべきはダイアナ・ロスが歌っているバージョンの「エイント・ノー・マウンテン・ハイ・イナフ(Ain't No Mountain High Enough)」という歌が使用されている事!
タイトルは来存知なくても誰もが一度は耳にした事がある「エイント・ノー・マウンテン・ハイ・イナフ」は、たとえどんなに離れていても、君の為なら万難を排してでも会いに行くよというメッセージ性の強い感動曲であり、映画においては「天使にラブソングを2」「グッドナイト・ムーン」「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」そして何より幼い頃のジェニファー・ローレンスとクロエ・モレッツが「早熟のアイオワ」などの感動作で使用されている名曲中の名曲!!
涙なしには観れない「早熟のアイオワ」の
3姉妹が歌う「エイント・ノー・マウンテン・ハイ・イナフ」
…という事は本作でも、最も感動的なシーンで使われているの?
いいえ。
本作で「エイント・ノー・マウンテン・ハイ・イナフ」が使用されているシーンは、今まで差別されて来たチキン・リトルと仲間たちの名誉回復のために、取ってつけたように作られたスーパーヒーロー映画のBGM!!
劇中劇の中でカッコよく描かれる
チキン・リトル、フィッシュ、アビー!
…誰だよ
そう。
差別を糊塗するために偽善者が用いる手段は、過度な美化なのです。
私見ですがそんな本作はキネマ旬報社さんの解説のように何をやっても失敗ばかりの小さな小さな男の子、チキン・リトルの活躍を描く勇気と希望の冒険ファンタジーであると同時に過去に自分たちが差別的に扱って来た人たちをフィーチャーした映画を作る際に、意識高い系の方々が行うわざとらしい美化をパロティーとして描いている作品としても観る事ができる作品ではないかと思うのですが、皆様はどう思われるでしょうか?
チキン・リトルをバカにして来た
人たちが手のひらを返して
彼こそが英雄だと言い出すシーンは
どことなく近年の同社の作品が
過度なポリコレを意識していくのを
予言しているよう思えます。
ちなみに本作のラストは
わざとらしく弱者を美化するのではなく
等身大の幸福を描いて終わります。
皆様はどちらのラストに共感しますか?
という訳で次回は
俺たちのディスコ
というテーマで
DISCO ディスコ
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
★おまけ★
併せて観たいエイント・ノー・マウンテン・ハイ・イナフの作品
「早熟のアイオワ」
「エイント・ノー・マウンテン・ハイ・イナフ」
については、コチラのブログで
詳しく解説させて頂きましたので
よろしければ…