こんばんは。
ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力と発掘良品の発掘⑯というテーマで
大いなる眠り(1978)
(原題:THE BIG SLEEP)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
★発掘良品の発掘とは?
今月のラインナップはコチラ↑
本作は1978年に公開された私立探偵フィリップ・マーロが活躍するミステリー作品。
前回ご紹介させて頂いた「さらば愛しき女よ」が1975年であり、どちらの作品のフィリップ・マーロウもロバート・ミッチャム氏が演じられていますので、実質的に続編だと言って良いと思います😊
1930年代のロスの闇を描いた
フィルム・ノワールの70年版のような
「さらば愛しき女よ」
ですが、陰惨な殺人が次々と発生する「さらば愛しき女よ」が夜のロスを舞台なのに対して、本日の「大いなる眠り」は、緑豊かなイギリス郊外が舞台!!
ただし、本作で発生する殺人事件は、1930年代ではなく1970年代ならではのサイケデリックでアヴァンギャルドな展開なのです!
緑豊かなイギリス郊外の豪邸で
マーロウを待っていた事件とは!?
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。
…これは、読んでも分かりにくい解説ですね😟
本作はミステリー作品ですので、皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、前回の「さらば愛しき女よ」が30年代のテイストで描かれているのに対して、本作の舞台はどう考えても1970年代!
色んな家電が揃っているマーロウの家。
これは1930年代じゃないですね…
そう。
本作は、60年代生まれのポップカルチャーが席巻していたイギリスに、もしフィリップ・マーロウがいたとしたら、一体どんな行動をしたのかを描いたような、1939年のロサンゼルスを1975年のイギリスに置き換えた、新機軸の「三つ数えろ」!!
私見ですがそんな本作は、ハンフリー・ボガードという世紀の名優が演じた「三つ数えろ」をリメイクするにあたり、30年代の空気感で作れば、前作と比較されてしまうであろう事を予想したマイケル・ウィナー監督が、あえて舞台を70年代にする事によって、当時流行していたショッキングなシーンが続出するエクストリームなフィリップ・マーロウを撮ろうと考えたのではないかと推察されるのです。
40年代の映画にはなかった
エロティック&グロテスクシーン満載の本作は
70年代らしいエクストリームな作品です。
そしてその結果、現代に生きる私たちは「三つ数えろ」で原作に忠実なフィリップ・マーロウ、「さらば愛しき女よ」で70年代のアメリカの世相を反映したフィリップ・マーロウ、本作でエログロ、サイケデリックな70年代イギリスのフィリップ・マーロウ、そして「ロング・グッドバイ」で80年代になって居場所を失いつつあったフィリップ・マーロウという4つのフィリップ・マーロウ像を見比べる事ができるのです😊
そして、もし2020年代にフィリップ・マーロウがいたとしたらどんな探偵として描かれるのでしょう?
そんな事を想像しながら過去の作品を楽しむのも面白いのではないかと思います😘
70年代と言えば派手なカーアクション!
70年の世界でのマーロウの活躍を
どうぞご堪能下さい😄
という訳で次回は
これぞ私的映画
というテーマで
タンゴ・レッスン
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
★おまけ★
併せて観たい発掘良品作品!
「12人の怒れる男/評決の行方」
過去名作と言われている作品のリメイクは、敷居が高いもの!
本作はシドニー・ルメット監督の不朽の名作「十二人の怒れる男」のリメイクですが、話術中心の一幕劇だからこそ演じる役者さんの見せ方によって以前の作とは異なった味わいを演出しています!
前作ではヘンリー・フォンダが演じていた最初の一人の陪審員を、本作では、ベテランのジャック・レモンが演じているのです!