こんばんは。
ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力と発掘良品の発掘⑯というテーマで
さらば愛しき女よ(1975)
(原題:FAREWELL, MY LOVELY)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
★発掘良品の発掘とは?
今月のラインナップはコチラ↑
本作は1975年に公開されたミステリー作品ですが、原作は1940年に出版された私立探偵フィリップ・マーロウが主人公ハードボイルド小説。
フィリップ・マーロウって誰?と思う方もいらっしゃるかと思いますが、フィリップ・マーロウは1940年代以降大人気だったダンディな私立探偵!!
1946年の「三つ数えろ」で
ハンフリー・ボガードも演じている
フィリップ・マーロウ。
難事件に巻き込まれてピンチになるも、最後には事件を解決して去ってゆくフィリップ・マーロウは、上司に背いて検事局の捜査官を免職となった私立探偵。
発掘良品第82弾では、これまで様々な俳優によって演じられて来たフィリップ・マーロウを見比べられるようなラインナップとなっているのです😆
ちなみにフィリップ・マーロウは
発掘良品第16弾の「ロング・グッドバイ」にも
登場しています!
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。
本作はミステリー作品ですので、皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、前述しました通り本作は1940年代に出版された探偵小説を35年後に映画化したもの!
ミステリーの舞台や殺し方も35年もちがえば、かなり異なるのではないかと思いますが、一体どうして1975年に本作は製作されたのでしょうか?
恐らくですがそれは、1970年代のアメリカの都会が、今では想像できないくらい荒廃していたから!
大都市の空洞化現象や、高い失業率によるスラム街の拡大、犯罪率の上昇とその反動による銃撃事件の多発、ヒッピームーブメントによる麻薬の蔓延や、麻薬マフィアの台頭など、70年代のアメリカの都市部は、深刻な社会問題に瀕していたのです…
発掘良品でも「狼よさらば」「グロリア」「ウォリアーズ」「ザ・ドライバー」「セルピコ」などの作品では、治安が崩壊していた70年代アメリカの大都市が描かれており、無法地帯と化していた70年代は、ギャングたちによる暴力事件が多発していた1930年代のアメリカと重なる部分が多かったのではないかと推測されます。
ギャングに始末されそあな子供を
成り行きで助ける事になったグロリアの
NY地獄巡りを描いた「グロリア」
70年代のNYは1930~40年代!!
そう。
時代は巡り、世相も巡るもの。
歴史を知ると、アメリカの治安は、安定期と不安定期をくりかえし続けているのです…
治安の悪化したロスで姿を消した
マロイの想い人ベルマの身に
一体何が起こってしまったのでしょう?
私見ですがそんな本作は、30年代の頃を感じさせる70年代のアメリカで作られた映画であると同時に、2020年代のアメリカは、果たしてどちらに向かっているのかに想いを馳せるキッカケとなるような作品ではないかと思います。
尚、2019年に公開された「ジョーカー」に描かれているのは、1974年に公開された「狼よさらば」に描かれている荒廃した70年代のニューヨークと酷似した地下鉄内での銃撃シーンが存在するのです…
「狼よさらば(1974)」の地下鉄内での銃撃
「ジョーカー(2019)」の地下鉄内銃撃!
あれ?時代は巡っている??
もしかすると2020年代のアメリカは、三度目のフィリップ・マーロウが活躍するような時代になってしまうのかもしれませんね…
ただの失踪した恋人の探しのハズが
関係者が次々と死てんゆく殺伐とした展開に!
マーロウがナルティに語った
事件の真相とは!?
という訳で次回は
その頃イギリスでは…
というテーマで
大いなる眠り
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
★おまけ★
併せて観たい発掘良品作品!
「ロング・グッドバイ」
原作は1940年代に書かれた有名ハードボイルド小説「ロング・グッドバイ」の映画化作品なのですが、映画が作られたのは1979年。
1940年代の世界で颯爽と活躍していた探偵は、約40年後の世界では時代に取り残された冴えない男として描かれるているのは、時代がエンターテイメント全盛の80年代に近づき、40年代の空気が遠ざかりつつあったからではないかと思います…