こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力と発掘良品の発掘⑮というテーマで

 

ワンダラーズ(1979)

(原題:THE WANDERERS)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

★発掘良品の発掘とは?

 

発掘良品とは、TSUTAYAさんによる新作・旧作、有名・無名、公開・未公開ではなく「面白い」を基準に作品をセレクトし、毎月紹介してくれている映画ファンたのための素晴らしいシリーズ。

本シリーズは、そんな発掘良品の全作品を5~6年かけてご紹介させて頂こうという超長期目標のシリーズとなっております😄

 

↑今月のラインナップの詳細はコチラ!

 

 

 

 

「ある戦慄」と 「ウォリアーズ」との間

 

TSUTAYA発掘良品には「ある戦慄 (1967)」と「ウォリアーズ (1979)」というニューヨークの不良の姿を描いた作品がセレクトされています。

 

「ある戦慄」に登場する不良は、地下鉄内でナイフを振りかざして人を脅す狂人のような不良!

 

↑真夜中の地下鉄で、乗り合わせた客たちを

 恐怖のどん底に陥れる「ある戦慄」の不良!

 

 

 

「ウォリアーズ」

に登場する1970年代末期のNYの不良は、チームを作ってNYの各エリアを縄張りにしているギャング団のような存在でした。

 

↑知らねぇチームが縄張りに入れば鉄拳制裁!

 70年代のNYは魔界都市でした…

 

 

 

本日の作品は、そんな「ある戦慄」と「ウォリアーズ」で描かれる不良像より前にNYに存在していた不良たちが登場する1963年を舞台にした作品!!

 

 

 

イタリア系移民の子供たちによって組織されたワンダラーズのメンバーは、オレンジ色のジャンパーでキメて、ブロンクスの街で恋と喧嘩に明け暮れていたのです😆

 

↑ブロンクス最強のチームは俺たちワンダラーズだ!

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

'63年のニューヨークのブロンクスを舞台に、そこに集まる様々な人種の少年達の青春群像を描く。

製作総指揮はリチャード・R・セント・ジョンズ、製作はマーティン・ランソホフ、監督・脚本は「SF/ボディ・スナッチャー」のフィリップ・カウフマンとローズ・カウフマン、原作はリチャード・プライス。

撮影はマイケル・チャップマンが各々担当。

出演はケン・ウォール、ジョン・フリードリック、カレン・アレン、トニー・カレム、アラン・ローゼンバーグ、ジム・ヤングス、トニー・ガニオスなど。

 

 

 

様々な人種の少年達?

 

 

はい。

 

本作に登場するのはワンダラーズだけではなく、人種ごとに集まった様々な不良グループたち!

 

ダッキー・ボーイズは暴力上等のアイランド系!

 

↑霧の中から現れる無骨なダッキー・ボーイズ!

 

 

ウォンズは功夫の使い手が集まる中華系!

 

↑メンバー全員がウォン姓のウォンズ!

 

 
そんな群雄割拠のブロンクスの中でワンダラーズは、イタリア人らしい後先考えない挑発行為で、他のチームとのトラブルが絶えない問題グループ!
 
映画の冒頭、スキンヘッドのフォーダム・ボルディーズとトラブルを起こしたワンダラーズのメンバーは窮地に立たされますが、運よくブロンクスに引っ越して来たイタリア系の青年ジョーイに助けられます。
 
↑口は達者だが喧嘩はそんなに強くない
 ワンダラーズのメンバーは
 人種を問わないスキンヘッド集団の
 フォーダム・ボディーズに喧嘩を売って大ピンチ!
 
↑絶体絶命のワンダラーズを救ったのは
 引っ越してきたばかりのジョーという青年でした!
 
 
 
ジョーがフォーダム・ボルディーズを撃退してくれたのを喜んだワンダラーズのメンバーは、彼を仲間に引き入れますが、その直後に今度は、黒人グループのデル・ボマーズと口喧嘩をして、果し合いに発展してしまいますあせるあせる
 
↑デル・ボマーズは黒人たちのグループ。
 
↑どのチームとも、すぐに喧嘩するワンダラーズ!
 
 
 
さて、果たしてワンダラーズは、圧倒的身体能力を持つ黒人チームのデル・ボマーズに勝利する事ができるのでしょうか?
 
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
 
↑もちろんフォーダム・ボルディーズとの喧嘩も
 まだ終わってはいないのですあせる
 イキリ集団ワンダラーズの明日はどっちだ!?
 

 

 

【私の感想】 俯瞰して眺める不良たちの未来

 

皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作は不良たちをカッコよく描いた青春映画というより、ワンダラーズのメンバーの姿をすこし冷めた視線で描いた"不良の行方"を描いている作品!!

 

 

「ある戦慄」に出て来る不良は、人を傷つけたり金品を盗んだりする犯罪者ですが、「ワンダラーズ」に登場する不良たちは、犯罪者というよりは徒党を組んで縄張り争いに興じている行き場のない若者たち!

 

↑不良だけど学校に通っているワンダラーズ!

 

 

ですが「ウォリアーズ」になると、NYの不良たちが集結して俺たちの手で街を支配しようというファンタジックな理想を語り始めますあせる

 

↑NY中のグループが結束すれば、

 警察もギャングも叶わない組織が誕生する!

 という夢を語る「ウォリアーズ」。

 

 

つまり本作は、犯罪者ではなけれど、不良ファンタジーでもない、実際に学校内にいたような等身大の不良たちの姿を描いた作品となっているのです😊

 

 

学生であるワンダラーズのメンバーは、恋やオシャレや喧嘩などに満ちた充実した日々を送っていますが、それはやがて終わりのやって来るモラトリアムな日々…

 

↑負けたら服を脱ぐゲームで女の子とムフフラブラブ

 いや~、人生サイコーっすね!

 

 

映画の終盤では、そんな不良グループの青春が終わりゆく日々が坦々と描かれ、ワンダラーズのメンバーにも、今までの行動に相応しい次の人生が待ち構えているのです。

 

↑街頭テレビに映っていたのは

 ケネディ大統領の暗殺の報道番組。

 この瞬間ジョーは何かが終わったのを

 悟ってしまいます。

 

 

そう。

 

永遠の学生生活はないのと同様、永遠の不良チームのメンバーというのもあり得ない選択肢。

 

 

私見ですがそんな本作は、2020年代の若者たちが観ても、自分が生きる上での参考になるような作品!

 

青春を恋や喧嘩や友情だけに明け暮れたワンダラーズのメンバーに待っている「NEXT」は、今までの様に楽しいものではない事に気づかせてくれる本作は、観終わった後で、「今までのモラトリアムな生活を改めようかな…」と思わせるような内容となっていると思うのですが、皆様はどう思われますでしょうか?

 

↑青春!恋!喧嘩!仲間たち!!

 とっても充実した日々だけど、その後は…

 

 

↑ワンダラーズの語源はDionという歌手の歌うロックンロール!

 「俺は毎日、町をブラブラして楽しんでるんだ」という歌詞ですが、

 

↑映画終盤で流れるのはボブ・ディランの

 「時代は変わる」なのです…

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

リチャード・バックマンに捧ぐ

というテーマで

 

ダーク・ハーフ

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

★おまけ★

併せて観たい発掘良品!
「処刑教室」

 

ではワンダラーズ時代から、更に時を経た80年代の不良は、どうなっていたのでしょう?

 

本作の原題は「CLASS OF 1984(1984年の教室)」!
映画が公開されたのが1982年ですので「今からの2年後の教室」という事になります。

そんな本作は、学生の行き過ぎた自由を容認した学校が不良たちの支配するデストピアと化しつつあった事を描いた作品なのです!!