こんばんは。ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力と発掘良品の発掘⑫というテーマで
WALKABOUT 美しき冒険旅行
(原題:WALKABOUT)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
本日ご紹介させて頂くのはあの「赤い影」や「錆びた黄金」を撮られたニコラス・ローグ監督の作品!
あの、と言ってもご存じない方も多いのではないかと思いますが、「赤い影」と「錆びた黄金」は、すでに発掘良品にセレクトされている生きる事の意味を問うような衝撃的な展開の作品!!
↑愛娘の溺死を体験した夫婦の相克を描いた「赤い影」
↑巨万の金鉱を掘り当てた男の末路を描く「錆びた黄金」
そんなニコラス・ローグ監督作品の本作は、オーストラリアの砂漠地帯で、突然父親に襲われた姉弟が生死の境をさまようという衝撃的な展開の映画なのです!!
↑突如襲撃していき父親から逃げる姉と弟!!!
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。
その風習は“ウォーカバウト”(原題)と呼ばれている。未開の地に迷い込んだ白人姉弟と、ウォーカバウトを修業中の原住民の少年の心暖まる交流を描く。
製作はサイ・リトビノフ、ジェームズ・ヴァンス・マーシャルの小説「ウォーカバウト」をエドワード・ボンドが脚色。監督・撮影はニコラス・ローグ、音楽はジョン・バリー、編集はアントニー・ギブス、アラン・パティロが各々担当。出演はジェニー・アガター、リュシアン・ジョン、デイヴィッド・ガルピリル、ジョン・マイロン、ピーター・カーバー、ジョン・イリングスワースなど。
ん?
なんで解説の冒頭に、オーストラリアの原住民の風習が書いてあるの?
それは映画の冒頭に、この通りの文章が登場するから。
↑映画の冒頭に登場する説明文!
ですので本作は原題の「WALKABOUT(ウォーカバウト)」という名の通りオーストラリアの原住民(アボリジニ)の少年が体験するウォーカバウトの映画!
↑ほぼ裸で1年の間サバイバル生活を続けるウォーカバウト。
ウォーカバウトに挑戦していた少年は砂漠のど真ん中で、今まで見た事もない白人の姉弟に出会います!
↑なんだこの姉弟は?
さて、そんな姉妹と合流したアボリジニの少年のウォーカバウトは、一体どのようなものとなっていったのでしょう?
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
↑ウォーカバウトに合流した姉弟の明日はどっちだ!?
ここまでの説明だと意味不明の映画のように思えるかもしれませんが、本作でニコラス・ローグ監督が描いているテーマは「生きる事の意味を問うような衝撃的な展開」を失ってしまった現代人の行く末について!
本作がスタートすると最初に映るのは、現代の大都会とほとんど変わらないオーストラリアの近代的な都市!
↑近代的な大都市!
父親も姉弟も、そんな大都市で暮らしていますが、彼等の顔には人間らしい感情がみられず、父親は酷く疲れているように見受けられます…
↑そんな都会で周囲の人と同化して暮らす姉弟。
↑幼い弟は歩きながら読書。まるで歩きスマホ…
↑お父さんはお疲れ気味の様子…
…なんだか息が詰まりそうな光景ですね
ですがウォーク アバウトをする事になってしまった姉弟の表情は一変します!!
暑さに喘いだり、勇気を出して木の実を食べてみたり、水の大切さを思い知ったり、山の上へ行って街を探したり…
↑ここは一体どこなの~
そう。
これは、文明の中にどっぷりと浸かってしまっている私たちに対してのウォーカバウトのススメ!
生きる事の意味を問うような衝撃的な展開を体験する事なく大人になってしまった我々と、様々な衝撃的な体験をしながら生き延びようとしている姉弟とでは、一体どちらの方が意義深い人生なのかはハッキリとは語られませんが、少なくとも2人には、どちらかを選択する余地は与えられます。
↑野生のワラビー殺す事で考える命の簒奪の是非は
肉屋さんで肉を購入しても学べませんね…
ウォーカバウトは、子供が大人社会に入るための通過儀礼の一つ。
通過儀礼をおこなう事なく大人になってしまう現代人は、ひょっとすると、大切な事を学ばないまま大人になってしまっているのかもしれませんね…
↑姉に恋したアボリジニの少年は打ち捨てられた廃屋に
姉弟を連れて行き、ここで一緒に暮らそうと求愛します。
この求愛は、少年の命を懸けた心からの告白!!
現代社会では、そんな求愛を受ける事もありませんので
愛というものへの真剣さも失われつつあるのです…
という訳で次回は
アイルランド無双
というテーマで
摩天楼ブルース
という映画をご紹介させて頂ければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします😊
ではまた(*゜▽゜ノノ゛