こんばんは。ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力と発掘良品の発掘⑪というテーマで

 

錆びた黄金

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

何かを発見した時の言葉!

 

 

本日の作品の原題は「EUREKA」!

 

日本において「EUREKA」は、エウレカとかユリイカなど複数の発音がある言葉ですが、意味は何かを発見した時に叫ぶ言葉

 

最初に「エウレカ」と叫んだi人間は、哲学者アリストテレスだと言われていますので、この言葉は、哲学や真理のような人類にとっての大発見時に使われるのがふさわしいような気がいたします😊

 

 

本作では劇中で主人公が2つの大発見をするのですが、どちらの発見が主人公にとって幸せだったと思うかについては、観客の心にゆだねられる事となるのです…

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

ニコラス・ローグ監督がジーン・ハックマンほか豪華キャストを配し人間の醜悪さを描く大河ロマン。黄金を探し当てることに人生を懸けてきたジャックは、ある日ついに雪山に金鉱を発見し莫大な冨を手に入れる。妻と娘と共に優雅な生活を送っていたが…。
…以下は、スタッフ&キャストの情報なので略させて頂きました。

 

大河ロマン??

 

 

う~ん汗

 

本作は、登場人物の人生を詳しく描いてゆく大河ドラマのタイプではなく、ある出来事が、後にどんな影響を与えたのかを描いてゆく起・承・転・結の物語

 

 

 

では、「起」の部分では何が描かれているのでしょう?

 

それは「野望を持って行動する事」です。

 

 

 

解説にもある通り主人公のジャックは、黄金の発見に執念を燃やしている男!

 

彼は、仲間が諦めてしまっても夢を捨てず、たった一人で雪山の中を黄金を求めてさまよい歩き、ついに黄金の洞窟を発見したのです!

 

↑雪山で一人、黄金を探し続けていたジャックは…

 

↑遂に黄金の流れる川を発見!これぞエウレカ!!!!

 

 

 

黄金を見つけたジャックはもちろん大金持ちになりますが、彼がどんな豊かな人生を送ったのかは描かれず、「承」ではジャックの老後が描かれます。

 

カリブの島に大きな屋敷を所有し、豪華な調度品に囲まれて暮らしていたジャックですが、彼の人生が幸せ一杯だとは言い切る事はできません…

 

↑超リッチな老後を送っているジャックでしたが…

 

 

妻と信頼関係を築く事ができまず、ギクシャクとした会話しかできないジャックの私生活を見ていた愛娘のトレイシーは、ジャックのような生き方を軽蔑しているフランス人のクロードを愛するようになり、ジャックの反対を押し切って結婚してしまいます。

 

↑お金より愛を選ぶ二人は幸せそうね😘

 …ふん。あんな男になびきおって!゜

 

 

ジャックとクロードの確執に胸を痛めたトレイシーは、遂にはジャックと決別し、クロードと共に島を出る事を決意するのですが、その事が書かれた手紙を読んだジャックは、鬼の形相となってクロードとトレイシーの元へと向かったのでした!!

 

↑… … … … … 😠😠😠

 

 

ああ。

 

ここが「転」ですねあせる

 

 

 

さて、夢にまで見た黄金を手に入れたジャックの人生は、一体どんな「結」を迎える事になったのでしょうか?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

↑夢を叶えたはずのジャックの人生の「結」とは!?

 

 

 

ニコラス・ローグ監督の人生観

 

本作を監督されたイギリス人のニコラス・ローグ監督は、作品の中に"あなたにとって人生とは何か?"という問いを観客に突き付けてくる哲学的な映画を多く作られている方。

 

 

そんな哲学的な問いが込められた作品は、分かり易い展開の映画ではないため「難解な作品が多い監督」と言われ勝ちですが、人生はそもそも、分かり易いものではありませんあせるあせる

 

 

母親は子供の死とどう向き合うのか?そして夫は妻の想いを受け入れられるのかを描いた「赤い影」

 

↑妻が死んだ子供と会話したいと望み始める「赤い影」

 

音譜赤い影(直感編)はコチラ
音譜赤い影(解析編)はコチラ

 

 

子供は親を失った際の空虚さと、どう向き合ってゆくのかを描いた「WALKABOUT 美しき冒険旅行」

 

↑突如、自分の眼の前で焼身自殺した父親の死を

 少年と少女は、どう受け止めたのか…

「美しき冒険旅行」

 

※「美しき冒険旅行」は発掘良品第54弾ですので、来年ご紹介させて頂く予定です😊

 

 

 

一見すると難解。

 

けれど何故か心に引っ掛かり、映画の内容をずっと考え、やがては自分なりの答えにたどり着くのがニコラス・ローグ監督作品の魅力なのだとすれば、ジャックにとっての幸せを考えた観客が、作品の「結」に気づいた時にこそ「野望に燃えて黄金を発見した時のエウレカ」とは別の「幸せな人生にとって必要な事を発見したエウレカ」が見つかるのではないかと思います😄

 

 

 

そう。

 

 

 

野望よりも大切なものが人生にはあるという事を気づいた時、野望の時よりも幸せなエウレカに出会う事ができるはずなのです!!

 

↑本作と同タイトルの青山真治監督「EUREKA ユリイカ」も

 バスジャックで殺人現場に居合わせた3人の男女が

 自分が生きる意味や価値を思い出した時の

 「エウレカ」までの道程が描かれている作品だと思います。

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

スタローンVSハウアー

というテーマで

 

ナイトホークス

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

合格おまけ合格

①今後TSUTAYAさんに発掘して欲しいニコラス・ローグ監督作品(その1)
「マリリンとアインシュタイン」(1985)


↑アインシュタイン、モンローと野球選手の夫ディマジオは
 「七年目の浮気」撮影中に何を語り合ったのか!?

 

②今後TSUTAYAさんに発掘して欲しいニコラス・ローグ監督作品(その2)
「トラック29/天国列車で行こう」(1987)


↑イギリスからきたこの青年を、昔、強姦されて生んだ
 自分の子供と錯覚し始めた妻はどうなってしまうのか?

 

③今後TSUTAYAさんに発掘して欲しいニコラス・ローグ監督作品(その3)
「漂流者/2人だけの島」


↑自分の生き方に疑問を持った男女が、
 夢とロマンを胸に一年間の無人島を送ろうとするが…