こんばんは。ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力と発掘良品の発掘⑫というテーマで
青い体験
(原題:MALIZIA)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
本日の作品と、次回の「続・青い体験」は、TSUTAYA発掘良品の中でも異色のラインナップ!!
発掘良品にセレクトされている作品の特徴は…
特徴①
派手な銃撃戦やカーアクションなどが印象深い伝説の作品
↑スーパーボウル上空を飛ぶ飛行船が観客を襲撃!!
「ブラックサンデー」は劇場公開が見送られた作品!
特徴②
ウォン・カーウァイやハル・ハートーリなどの映画通に人気がある映像系監督作品
↑「ポンヌフの恋人」はレオス・カラックス監督の伝説的作品!
特徴③
カルトな監督の未DVD化のホラーやサスペンス作品!
↑デビッド・クローネンバーグ監督の「デッド・ゾーン」は
本シリーズでご紹介する「スキャナーズ」と同様の
オフビートなエスパー映画です!
特徴④
未公開作品を紹介した書籍や著名人がDVD化を要望していた作品
↑「ジョニーは戦場に行った」はDVD化が熱望されていた作品
特徴⑤
ミニシアター系劇場で公開された知られざる作品
↑「ANA+OTTO 【アナとオットー】」は知る人ぞ知る作品!
ですがTSUTAYA発掘良品第50弾の「青い体験」と「続・青い体験」そして次のシリーズでご紹介する予定の第55弾の「超能力学園Z」は、今までの作品とは全く違う青年のリビドー(性衝動)全開映画!!
↑「お勉強えらいわね😊」(いやエロ雑誌鑑賞です)
ですので今回は、本作のご紹介と同時に、なぜ本作が何故発掘良品にセレクトさせているのかも併せて考察してみたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします!
↑尚、第55弾の「超能力学園Z」はこんな作品!!
…どうした!発掘良品
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。
製作はシルヴィオ・クレメンテッリ、監督は二九歳の新人サルヴァトーレ・サンペリ、サンペリの原案をオッタヴィオ・ジェンマ、アレッサンドロ・パレンゾとサンペリ自身が共同脚本。撮影はヴィットリオ・ストラーロ、音楽はフレッド・ボンガストが各々担当。出演はラウラ・アントネッリ、トゥリ・フェロー、アレッサンドロ・モモ、リリア・ブリグノン、ピーノ・カルーン、アンジェラ・ルース、ティナ・オーモンなど。
ただ、この解説はちょっと乱暴すぎなので、もう少し詳しく内容をご説明させて頂ければと思います😅
本作のオープニングは、急逝した三人の息子を持つ母親の葬儀のシーン!
ですが子供たちも父親イグナツィオも、母親の死をあまり悲しんでいない雰囲気なのです
↑泣いたフリをして鼻くそをほじる父親!遺体には蠅!
↑末っ子はボール遊びをして、お棺は火に包まれます!
劇中で詳しい説明されませんが、どうも母親は口うるさい人だったらしく、父子は母がいなくなった事に、ちょっとホッとしていたようなのです!
葬儀を無事に終えたイグナツィオの家族は帰宅しますが、彼等が玄関のドアを開けると、何故か家の中に魅力的な若い女性が待っていたのです!
↑「あ…。お帰りなさいませ😊」
彼女の名はアンジェラ。
アンジェラは、母親が死ぬ3日前に住み込みのメイドとして雇った女の子だったのです!!
家事全般を卒なくこなすだけでなく、誰にでも優しく接するアンジェラとの新生活に父子全員は大満足!!
その上アンジェラは妻を亡くしたイグナツィオに同情し、いつしか二人は愛し合う仲になっていったのです😘
↑母親が亡くなった直後なのにみんなニッコニコ!!
↑イグナツィオもアンジェラに優しく接し2人はラブラブに
ただしアンジェラは厳格なクリスチャンですので、イグナツィオと結婚するまで性行為はなし!
ですが、やや天然キャラで男性の目を気にしないアンジェラのチラチラ見える肢体に、イグナツィオも息子たちも釘付けとなってしまったのです!
↑😍😍😍~
↑😍😍😍😍😍😍~
そんな家族の中でも、思春期真っ盛り次男ニーノは、アンジェラに恋する気持ちを抑える事ができなくなってしまったのです!!
↑家族でTVを観ている時、後ろにはアンジェラの…
さて、性衝動が制御できなくなってしまったニーノと一つ屋根の下で暮らすアンジェラは、一体どうなってしまうのでしょうか?
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
↑父親の奥さんになる人なのに!リビドー止まらず!!
恐らくですが、本作が発掘良品にセレクトされた理由は、公開当時青年だった人たちにとって本作は、自分の青春時代を思い出させてくれる、ある種のタイムマシンのようなものだからではないかと思われます。
本作が公開されたのは1973年。
昭和時代の青少年たちにとって、ニーノの体験は、自身が恋焦がれるような等身大の疑似恋愛!!
フランス映画のような芸術的なものではなく、ニーノの過剰なアプローチに対しても、一定の理解を示し強く否定しないアンジェラの優しい態度も、まだ性体験がなかった当時の若い観客たちにとっては、観ていてたまらないものだったのでしないでしょうか?
↑ニーノはただのエロ・ボーイではなく、ピュアな心の青年。
アンジェラが父親と婚約する前は、こっそり彼女の部屋に
バラの花を飾ったりもしていました!
そう。
この映画で描かれている感覚は現代までずっと続いている日本の少年のメンタリティそのもの!!
好きな女性にハッキリと想いを伝えられず、彼女が自分に振り向いてくれない事にモヤモヤし、抑えきれないリビドーが爆発して、思ってもない悪態を突いたり、暴走したりするという展開の日本の少年向け恋愛作品の源流は、本作であると言っても過言ではないのです😄
↑部屋を掃除しに来たアンジェラに意地悪するニーノ
↑「ねぇ、何でこんな事するの!?」
ニーノにも分からないアンビバレンツな感情に戸惑うアンジェラ。
ですので本作以降「青い~」という邦題の作品は、まだ本物の恋を経験していない青少年たちのための疑似恋愛ジャンル・ムービーとして確立し今に至っています。
↑1980年の「青い珊瑚礁」も青系映画の金字塔!
ボクも半裸で美女と無人島生活したい~!!!
発掘良品の定義が、忘れられ映画を今の人に発掘してもらうための企画だとするならば、芸術的でもハード・アクションでもカルト作品でもありませんが、本作もまた“発掘に値する良品”なのではないかと思うのですが、皆さんはどう思われますか😘
という訳で次回は
リビドー再び!!!
というテーマで
続・青い体験
という映画をご紹介させて頂ければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします😊
ではまた(*゜▽゜ノノ゛