こんばんは。ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力と発掘良品の発掘⑪というテーマで

 

コックファイター

原題も邦題と同じ「COCKFIGHTER」(1974)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

生きる場所を見誤った男たち…

 

本作のコック(COCK)は、コックさんの事ではなく闘鶏を意味する単語。

 

本作における闘鶏とは、2匹の軍鶏を死ぬまで戦わせ、勝ち負けを競うという超残酷な競技!

 

と言うとこは本作は、残酷な闘鶏を賛美するような映画むかっむかっむかっ

 

 

いいえ。

 

 

本作が公開された70年中旬には、すでに闘鶏は社会から激しく批判されており、劇中でも斜陽な競技として描かれています。

 

 

本作は、そんな落ち目の闘鶏にしか生き場所を見出せない男たちの姿を描いたアイロニカルなコメディなのです…

 

↑場末の闘鶏でしか生きられない男たちの明日はどっちだ!

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

低予算の映画製作でキングの異名を持つロジャー・コーマンが、“闘鶏”をテーマに描くドラマ。製作から39年を経て、2013年1月に日本で初めて劇場公開された。

 

えっ?

 

本作って、ロジャー・コーマン監督作品??

 

 

 

いいえ。

 

本作はロジャー・コーマン監督作品ではなく、1971年に「断絶」という映画を撮ったモンテ・ヘルマン監督の作品であり、ロジャー・コーマン氏はプロデューサーに過ぎませんあせるあせる

 

 

ちなみに「断絶」は、生きる意味を見失ったような3人の元レーサーが、互いに賭けレースをしながら、どこへともなくハイウェイを走り続けていくうちに、突然フィルムが溶けて映画が終わってしまう不思議な作品。

 

↑えっ?これで映画はおしまい!?(「断絶」より)

 

 

断絶と同じ1971年に作られた「バニシング・ポイント」という映画が、社会から逃避しようとした青年が壮絶な最後を迎えるのとは正反対の「断絶」は、映画の後、主人公たちがどうなったのかは誰も分からない虚無感は、壮絶な死よりもずっと身近な「無為な日々の代償」なのかもしれません。

 

↑目的を持った日々によって人生を変えてゆくロッキー(1976)は

 もう少し後の作品!

 

↑70年前後のアメリカ映画には、目的を持たない人々が、

 無為な日々に絶望して絶命する映画が少なくないのですが…

 (「ひとりぼっちの青春」(1969))

 

↑本作は、落ち目の闘鶏を続けていても未来がない事を

 全く気づていてない男が主人公なのです!

 

 

主人公のフランクは、かつて闘鶏チャンピオンとして君臨していた、この道では有名な男でしたが、ある年、宿敵のジャックに敗北してチャンピオンメダルを奪われてしまいます。

 

あまりの悔しさに、再度チャンピオンメダルを獲得するまで、誰とも口をきかないと誓いを立てたフランクですが、残念ながらここ2年、全く運に見放されていたフランクは、ジャックと勝負して再び敗北し、住んでいたトレーラーハウスまで失ってしまったのです…

 

↑(俺はチャンピオンになるまで喋らないぜ!!)

 

↑(けど、遂に住む場所まで失っちまったぜ!!)

 

 

…これって絶望的な状況ですが、闘鶏から身を引くには良い機会かもしれませんね😊

 

 

 

けれどフランクは、夢をあきらめません!!

 

旧知の友人の力を借り、新しいマネージャーをパートナーにしたフランクは、紆余曲折を遂げながらも、本年度の優勝候補となっていったのです!

 

↑(遂にフランクと決勝だ。闘鶏メダルを頂くぜ!!)

 

 

 

さて果たしてフランクは、闘鶏メダルを手に入れ、再び話をするようにかなれたのでしょうか?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

↑軍鶏は殺し合いなので足には金属製の針!!

 さぁ相手の鶏を殺しに行け!!!!

 

 

 

70年代でしか作れなかった映画

 

本作は、実際に軍鶏が死ぬシーンが大量に登場する映画!

 

ですので現在では残酷過ぎて、100%作る事ができない映画だと思います。

 

 

 

けれど本作は、闘鶏の魅力を描いた作品ではなく、闘鶏という残酷なゲームに打ち興じる、場末の男たちの姿を描いている作品!

 

 

フランクが渇望しているチャンピオンメダルだって価値のあるものとは思えませんあせる

 

↑これが闘鶏チャンピオンのメダル!!

 

 

…なんだかフランクの生き方って、間違っているような気がしませんか?

 

 

 

そう。

 

 

本作で描かれているのは、人生で執着するべき事を間違えた男たちの、自分の選んだ道に未来がない事をうすうす気づきながらも、その事に直視できない哀れな姿!

 

 

インチキをして勝とうとするヤツ。

 

掛け金を用意しておらず逃走しようとするヤツ。

 

闘鶏禁止エリアでこそこそと試合をするファイターたち。

 

そして試合後に捨てられた鶏の死骸の山…

 

 

 

どう考えても、明るい未来がないにも関わらず、フランクたちは楽しそうに、明日もきっと闘鶏にのめり込むのです。

 

例えその先の人生に、何も得るものが無かったとしても…

 

↑フランクは幼なじみの恋人から、闘鶏を続けれるなら

 結婚しないと最後通告をします。

 けれどそんなフランクは、彼女に贈ったラブレターに

 決勝戦で俺の雄姿を見て欲しいと書いたのです汗

 そんなフランクを恋人は愛するのでしょうか…

 

 

 

現代では、闘鶏に執着する人はほとんどいなくなったと思いますが、フランクと同じように、未来のない趣味やギャンブルに傾倒し続ける哀れな男性は、きっと現代にもたくさんいるのではないかと思います…

 

 

↑私的には本作も、フィルムが燃えて終わってしまった

 「断絶」と同じラストで良かったのではと思います。

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

起死回生の罠

というテーマで

 

拳銃の報酬

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

合格おまけ合格