こんばんは。ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力とおうちでグラインドハウスというテーマで

 

D.N.A.

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

ドクターモローの理想郷とは?

 

前々回のドクターモローの島と、前回のドクター・ゴードンの島は、どちらもH・G・ウェルズの同名の小説を映画化したもの。

 

↑小説「ドクター・モローの島」。

 

 

絶海の孤島で誰にも邪魔されずに、禁忌を犯して遺伝子操作による新人類の創生に取り組んでいるドクター・モロー博士は、グラインドハウス系映画のモチーフとしては、最高に刺激的な人物なのかもしれません😁

 

↑遺伝子操作で新人類を作ろうと実験を続ける男A

 (ドクター・ゴードン)

 

↑遺伝子操作で新人類を作ろうと実験を続ける男B

 (ドクター・モロー)

 

 

ですので、ドクターモローの島をベースに作られた作品は上記2作だけではなく、獣人島(1932)、残酷の人獣(1959)など多数が存在します。

 

↑遺伝子操作で新人類を作ろうと実験を続ける男C

 (1932年の獣人島のドクター・モロー)

 

↑遺伝子操作で新人類を作ろうと実験を続ける男D

 (1959年の残酷の人獣のドクター・ギラルド)

 

 

では、博士の目指した人造人間の世界とは、いったいどんなものだったのでしょう?

 

 

本日の作品は、数あるドクター・モローの島の中でも、最も理想的な世界を作り出したモロー博士が登場する、狂気の世界が描かれた作品なのです…

 

↑全てのモロー博士が目指した理想の楽園とは!?

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

遺伝子工学を極めた果てに生まれた、異形の生命体が引き起こす恐怖を描くSFスリラー。原作は、SFの父ことH・G・ウェルズの古典的名作『モロー博士の島』で、「獣人島」(32)、「ドクター・モローの島」(77)に続く3度目の映画化。監督は「イヤー・オブ・ザ・ガン」のジョン・フランケンハイマー。脚本は「ハードウェア」(監督も)のリチャード・スタンリー
…以下は、スタッフ&キャストの情報なので略させて頂きました。

 

はい。

 

重複になりますので、ドクター・モローの島というお話についての詳しい解説は割愛させて頂きますが、本作でも太平洋で漂流していたダグラスという男が主人公!

 

ダグラスを救出したのはモンゴメリーという名の博士。

 

 

彼は疲労困憊していたダグラスを、自分の住む孤島へと案内しますが、そこはドクター・モローという遺伝子学でノーベル賞を受賞した高名な博士が住んでいる島でした。

 

命を助けられたダグラスでしたが、ドクター・モローにも面会させてもらえず、部屋には鍵をかけられ軟禁状態汗

 

 

不審に思ったダグラスは、モローの娘のアイッサの手を借り部屋を脱出して、モロー博士の研究室へ忍びこみますが、そこで行われていたのは、怪物のような生物から赤ん坊を取り出すという身の毛のよだつような光景だったのです!!

 

↑標本だらけの実験室で、鹿のような足の女性から

 胎児を取り出してる!なんだここは!?

 

 

恐怖のあまり逃げ出したダグラスは、アイッサの手引きで島から逃げ出そうとしますが、島にいたのは獣人だらけ!!

 

獣人に囲まれ追い詰められたダグラスでしたが、その時、顔を真っ白に塗りたくった不気味なドクター・モローが、獣人たちを従えてダクラスの前に現れたのです!

 

↑今までにないドクター・モローが来た!!!!

 

 

さて、この異様ないで立ちのドクター・モローは、獣人たちにとってどのような存在だったのでしょうか?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

↑ボタン一つで獣人たちを悶絶させられるモロー!

 彼は、この島で何を目指していたのか?

 

 

 

エゴの楽園が終わる時…

 

はい。

 

もうお気づきかと思いますが、本作でドクター・モローを演じているのは、地獄の黙示録という映画に登場したベトナムの奥地の謎の王国に君臨していたカーツ大佐を演じた方!

 

↑謎めいた王国に君臨していたカーツ大佐。

 

 

カーツ大佐は暗殺されてしまいますので、彼の目指していたのは何だったのかは分かりませんが、本作における天才遺伝子学者のモローが目指していたのは、自分を父として慕いながらも、絶対服従を誓う巨大なファミリー!!

 

自分のクローンらしき小男と共に、ピアノで楽しそうに協奏曲を奏でるモローは、とても幸せそうなのです!

 

↑絶対服従のクローンたちと共に楽しく暮らしているモロー!

 

 

 

けれど、その幸せを享受しているのはモローだけ!

 

モローの遺伝子を受け継いでいるにも関わらず、モローとは似ても似つかない姿であるだけでなく、モローに逆らえば体内に埋め込まれた電極で攻撃される獣人たちは、自分たちは一体何のために生まれたのか分からず、彼らの眼の中には憎しみの狂気が輝きはじめるのです!

 

↑カーツにとっては楽園!獣人たちには地獄!!

 

 

 

そう。

 

 

誰か一人だけが幸福になれる世界には、国家だとしても家族だとしても、幸せな結末は訪れないのです…

 

 

 

本作は監督が途中で入れ替わるなど、トラブルに見舞われた不運な作品。

 

けれどそんな状況においても、一人の人間のエゴが招いた狂気の世界を描き切ったジョン・フランケンハイマー監督の手腕は、評価に値すると思います😊

 

 

本作はドクター・モローの島の世界が、最後にどんな結末を迎えるのかを短時間で描いた、猟奇的で残酷なグラインドハウス映画なのだと思います!!

 

↑父さん。もう電撃は効かないよ…

 父さんの理想の楽園は今日で終わりだ!

 

 

 

 

という訳で次回は

 

カモン!グールたち!

 

というテーマで

 

グーリーズ

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

合格おまけ合格

 

①父親の楽園、家族の地獄の映画に興味がある方へ…

葛城事件

 

 

②仲間を支配する心理を描いた映画に興味がある方へ…

実録・連合赤軍 あさま山荘への道程

 

 

③支配者が間違った選択をする映画に興味がある方へ…

ウィンターストーム 雪山の悪夢