こんばんは。ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力と発掘良品の発掘というテーマで

 

カストラート

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

3オクターブの音域を持つ男!

 

本日の作品は、バロック時代に実在したファリネッリという人物の半生を描いた物語。

 

ちなみに邦題のカストラート(CASTRATO)というのは、ボーイ・ソプラノの音域を大人になってもキープさせるために、局部を切り落とされ去勢された男性歌手の総称!

 

 

原題がカストラートのファリネッリ(FARINELLI-IL CASTRATO)というタイトルにも拘わらず、やや蔑称的な言葉でもあるカストラートという単語だけというのは、アマデウス・モーツァルトの映画をアマデウスではなく作曲家というタイトルとして公開するようなものなのですが、いかがなものなのでしょうか…

 

↑歌手とか、踊り子みたいな、職業の総称のような邦題あせる

 これってアァリネッリさんに対して失礼では??

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

18世紀のヨーロッパで、ボーイソプラノを維持するために去勢された歌手=カストラートの中でも伝説的な人物ファリネッリの生涯を、バロック調の荘厳な絵巻に仕立てた人間ドラマ。監督はベルギーのテレビで音楽関係の番組を手掛け、劇映画でも「仮面の中のアリア」「めざめの時」と、一貫して音楽を主題とした作品を発表しているジェラール・コルビオ。彼とアンドレ・コルビオの共同脚本を、マルセル・ボーリューが加わって脚色。
中略 
出演は本作で初の本格的主演を果したステファノ・ディオニジ。

 

はい。

 

こちらの解説にもある通り、本作は、バロック時代に生きたミュージシャンであるファリネッリの人生を、荘厳な絵巻に仕立てた人間ドラマ!

 

↑バロック時代のロンドン・コベントガーデンで開催されていた

  ファリネッリのコンサートはこんな感じ!

 

 

主人公のファリネッリは、類まれな美声を持った少年ソプラノ歌手でしたが、10歳の時落馬による事故によって去勢され、その結果、子供の時の音域をもった成人ソプラノ歌手として名を馳せてゆきます。

 

 

そんなファリネッリを支えていたのは8歳年上の兄リカルド。

 

作曲家でもあったリカルドは、大怪我をしたファリネッリを看病した後、ファリネッリを人気歌手として音楽界に売り込んでくれました!

 

↑痛みで意識を失うファリネッリのために阿片も処方するリカルド。

 

 

そんな兄弟の夢は、リカルドが執筆中の壮大なオペラを完成させ、ファリネッリが主演で上演する事!

 

↑早くオペラを完成させてくれよ!兄さん!!

 

…仲睦まじい素敵な兄弟ですね😊

 

 

けれどファリネッリは、ロンドンで作曲家ヘンデルと出会った事で、今までとは違う人生を歩み始めてしまったのです!

 

↑ファリネッリの歌に懐疑的だったヘンデルとの出会い!

 

 

さて、一体ファリネッリとヘンデル間には何があったのでしょうか?そして、兄弟の夢だったリカルドのオペラの上演は、果たして実現したのでしょうか?

 

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

↑コベントガーデンで大成功を収めたにもかかわらず

 ヒステリックになっていくファリネッリ。一体何が??

 

 

 

天才との出会い

 

本作に登場するファリネッリとリカルドとヘンデルの3人は、人生に一度あるかないかの幸運な天才との出会いを経験します!

 

 

リカルドが出会った天才とは、もちろん弟のファリネッリ!

 

音域は3オクターブ半の音域で歌う事ができるファリネッリの才能は、類まれなるもの!

 

↑神の音域をもつファリネッリ!

 

 

だからこそリカルドは、常にファリネッリを表舞台に立たせ、彼の歌を引き立たせるような豪華絢爛な舞台を用意し続けました!

 

↑夢の世界のようなファリネッリの舞台。

 

 

けれどファリネッリは、リカルドではなくオペラの名手であるヘンデルの才能を認めてしまったのです!!

 

 

彼らがロンドンで音楽活動をしていた時、ヘンデルは既に第一線の地位から転落しつつあった落ち目の音楽家。

 

借金取りに追われる日々を知る当時の人々は、もはやヘンデルの時代は終わったのだと囁いていました。

 

 

けれど、音楽的才能に溢れるファリネッリだけは、ヘンデルの天才性が健在である事を理解し、もし自分の歌声でヘンデルのオペラが上演できたとしたら、と夢想するようになっていったのです。

 

 

そう…

 

 

凡才であるリカルドは、天才ファリネッリを輝かせようと努力するのですが、天才であるファリネッリは、自分が真の実力は、天才ヘンデルによって作られたオペラで披露すべきなのだと気づいてしまったのですあせる

 

↑兄は頑張ってくれてますが、兄の作った曲を歌うだけでは

 ファリネッリの本当の才能は披露されないのです…

 

 

…こういう天才同士の惹きあう力は、現代社会でも頻繁にありますよね。

 

 

リカルドは天才を育てる人生を選んだのですが、天才ファリネッリは別の天才ヘンデルと惹きあってしまったのです!

 

 

という事は、ファリネッリとリカルドの兄弟の末路は、悲惨なもの?

 

 

 

いいえ。

 

 

本作のラストでは、あっと驚くイタリア人らしい展開で、リカルドはヘンデルにはなし得なかった行為で、ファリネッリに幸福をプレゼントするのです😊

 

 

たとえ才能は天才に及ばなかったとしても、弟を想う兄は、天才とは別の幸せを弟もたらしてくれるのかもしれませんね!

 

 

 

 

という訳で次回は

 

虚無の先に待つもの

というテーマで

 

ローリング・サンダー

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

合格おまけ合格