こんばんは。ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力と発掘良品の発掘というテーマで

 

天使の涙

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

ウォン・カーウァイ監督作品鑑賞のコツ その2

 

 

前回ご紹介させて頂いた「恋する惑星」と同じく、本作は映像の魔術師ウォン・カーウァイ監督の作品。

 

音譜恋する惑星の回はコチラ

 

 

 

 

 

天使の涙の回で、ウォン・カーウァイ監督の作品の鑑賞ポイントとして

 

登場人物の心の中の想いが映像化されている

という説明をさせて頂きました😊

 

↑心の中にある想いを映像化したような恋する惑星!

 

 

本日の天使の涙は、そんな心の中の想いの映像化に加えて、彼の作品のもう一つの特徴である


人と人とは離れて行ってしまうもの

という悟りの境地のような考え方が、色濃く描かれた作品なのです。

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

前回の恋する惑星は、二組のカップルが不思議な距離感を持ちながら大都会重慶で生きてゆく姿をPOPな感覚で描いたラブ・ストーリーラブラブ

 

↑恋する惑星で、彼の部屋に置くぬいぐるみを買う女の子!

 彼にナイショの買い物のウキウキ感ってこんな感じラブラブ

 

 

ご覧になった方が、ああ。こんな風に好きな人を想えたら幸せだろうなという気持ちになる恋する惑星は、観ている人が共感しやすいウォン・カーウァイ映画の入門編のような作品でしたが、似たようなテーマを扱っているハズの本作は、観終わった後、とても寂しい展開なる展開なのです…

 

↑夜のハイウェイをバイクで疾走する二人!

 幸せな時間のハズなのに、何故かとっても寂しい…

 

 

本作の主な登場人物は3人ですが、彼らは全員、他者と上手くつながれない人ばかり!

 

 

孤独な殺し屋は、パートナーの女性に情報をもらい、ターゲットを始末してゆくヒットマンですが、人と距離を置くタイプの彼はパートナーとさえ親しくなろうとしません。
 

↑孤独な殺し屋は、誰とも何も話そうとしません。

 

↑彼の人生は人を殺す事だけ…

 

 

一方のパートナーは、心の中では殺し屋に恋焦がれているのですが、どうやって彼と接すれば良いかを知らず、一人もがき苦しみ続けんでいます。

 

↑殺し屋との仕事のやり取りは、FAXや留守番電話。
 彼を恋しているけれど、近づくことも話すこともできませんあせる

 

 

そしてもう一人の主人公は、彼らとは何の関係もない、喋る事が出来ない無職の青年。

 

↑無職ですが、人懐っこくて陽気な青年!

 

 

何か仕事がしてみたい彼は、真夜中に勝手に人の店に進入し、お仕事ごっこのような事を一人楽しんでいます!
 

↑夜中の市場に忍び込んで、勝手に肉屋さんゴッコ!

 ブタちゃんの肉をほぐしてみるよ~

 

 

ねっ!

 

…3人とも、他者とは繋がれませんよね汗

 

 

さて他者と繋がれない、ポリシーで人と距離を保っている殺し屋と、人との近づき方が分らない人パートナーと、喋れないために相手に理解されない青年は、一体どんな人生を送る事になるのでしょうか?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

↑喋れない青年は、近寄ってきた女の子も想いを伝えられず…

 

↑殺し屋の部屋に忍び込んだパートナーも想いは伝えられず…

 

↑想いを心に込めた殺し屋は、行きずりの恋しかできず…

 

 

 

人間を引き離す斥力

 

望むと望まないに関わらず、3人が心の中で感じているのは、他者と交われない孤独。
 

↑…寂しい

 

 

そんな本作では、3人の主人公たちだけでなく、彼らを取り巻く他の人々もまた、寂しさを抱えて生きているのです。

 

↑奇行を重ねる喋れない青年も孤独ですが…

 

↑そんな息子の孤独な寂しさを理解できず怒る父親もまた

 意思疎通できない孤独を感じて生きているのです…

 

 

ああ…

 

こういう経験ってありませんか?

 

 

 

想いが届かず、一人嘆き苦しんでいる時の孤独…

 

 

 

自分の人生を一人顧みた時に感じる孤独…

 

 

 

隣にいる人と想いが通じ合ってない時に感じる孤独…

 

 

 

 

そう…


本作で描かれているのは、

 

孤独な心と、繋がりたい想い

 

というウォン・カーウァイ映画のもう一つの特徴!

 

 

本作はストーリーを楽しむというよりは、登場人物たちの心に想いを馳せ、自分が経験した孤独な時の痛みを思い出していくような、記憶の引き出しような作品。

 

↑孤独を感じてさ迷った、あの日の夜はこんなだった?

 

↑それとも、こんな風景を観ていた?

 

↑それともこんな風に…

 

 

だからこそ本作も恋する惑星と同様に、気がつけば何度も繰り返して観たくなる、とても中毒性の高い不思議な作品となっているのです。

 

↑あの日感じた孤独な気持ちに再会してみませんか…

 

 

 

 

という訳で次回は、引き続きウォン・カー・ウァイ監督作品で

 

斥力の恋

というテーマで

 

ブエノスアイレス

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

合格おまけ合格