こんばんは。ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力と発掘良品の発掘というテーマで
デルス・ウザーラ
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
本作は、1975年に作られたソ連と日本の合作映画。
映像に妥協しない事で有名な黒澤明監督が約1年間という長期ロケーションで撮り上げたシベリアの大自然と人間との関わり合いは圧巻の一言!
本作で描かれているシベリアの映像は、ある意味では自然をありのままに撮ったドキュメンタリー映画よりも過酷な撮影だったのではないかと想像できるのです…
↑用心棒で吹き荒ぶ砂嵐を描き切った黒澤監督は…
↑シベリア氷原iにおいてブリザードを描くのです!
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。
はい。
この解説にある通り、本作は実際にシベリアを探検したウラジミール・アルセーニエフが執筆した探検記を基に作られた作品!
ですので主人公はアルセーニエフ本人で、描かれているのは彼が行った1902年と1907年に行ったシベリアの探査。
ですが映画の冒頭は1910年。
開発が進み、森が切り開かれつつあるシベリアの辺境で、アルセーニエフはデルス・ウザーラという人間を埋葬した場所を探す所から始まります。
↑スタートは1910年。
森林を開拓している人たちに、そんな場所は知らないと言いわれたアルセーニエフは、とても寂しそうな顔で立ち尽くし、彼の回想として1902年の出来事が描かれていきます…
↑想いは1907年へ…
1907年に部下を引き連れてシベリア探索に赴いていたアルセーニエフは、森の中で一人で暮らしているデルス・ウザーラと名乗る老人と知り合い道案内を頼みます。
シベリアの森の中で猟師をしていたデルスは、森の掟を知り尽くしている男。
↑シベリア先住民であるゴリド人の子孫のデルス・ウザーラ。
貧相な身なりと、たどたどしい言葉遣いのデルスをアルセーニエフの部下たちは見下して笑いものにしますが、トラッキングの才能も猟の腕前も、天候の予測もできるデルスは、森のプロフェッショナルであるだけでなく、動物にも自然にも敬意を払う気高い魂を持つ男だったのです!
そんなデルスと出会った事によって都会人であるアルセーニエフは、自然と共生して生きる素晴らしさを知る事となり、デルスと親友のように付き合うようになっていきました。
↑デルスに教えられ森人となってゆくアルセーニエフ。
けれどシベリアに冬が到来し、アルセーニエフとデルスが氷に覆われたハンカ湖を調査していた時、ブリザードが吹き荒れて彼らの足跡を全て消し去り、帰り道が分からなくなってしまったのです!
帰り道を探している間にも、日はどんどん陰り夜が近づいて来ます。
デルスはアルセーニエフに向かって叫びます。
カピタン(隊長)!
日が沈んだら、ワシたちは死ぬ!!
と…
↑何もない湖の上で夜を迎えたら…
さて、凍った湖の上でシベリアの夜を迎える事になったアルセーニエフとデルスは、一体どうやって生き延びる事ができたのでしょうか?
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
↑彼らの身を守れるものは、枯れたガマの穂だけ…
↑軽いガマの穂はブリザードで吹き飛ばされてしまいます!
凍死寸前となったアルセーニエフの運命は!?
デルスはアルセーニエフを親しみを込めてカピタンと呼び、アルセーニエフの探査にはなくてはならない存在となっていきます。
↑仲良く記念写真を撮るアルセーニエフとデルス。
けれどアルセーニエフはデルスに対して、何もお返しをする事ができません。
貨幣を必要としないデルスはお金を受け取らず、1902年の時に何もお礼ができなかったアルセーニエフは、1907年の探査で再びデルスに出会えた時に、可能な限りデルスを助けようとするのですが、森人でないアルセーニエフの親切は、結果的にはデルスを救う事ができなかったのです…
↑探検隊を助けるために森の守り神である虎を攻撃し
その結果、森の加護を失って弱ってゆくデルス…
…そう。
自然と共生して生きているデルスを助ける事は、人工の都市の中で生きているアルセーニエフには不可能だったのです。
↑とても哀しく寂しいデルスの最後。
そしてデルスの死の遠因はアルセーニエフの親切でした…
本作は、自然と共生する事の素晴らしさを説くだけでなく、都会の人間の想い描いている幸せは、本当の幸せなのかを問いかけて来る映画でもあるのです…
↑何もないシベリアで語り合っている時の二人は
とても幸せそうだったのです…
という訳で次回は
抵抗する人
というテーマで
デス・ハント
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
おまけ
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