「死刑台のエレベーター」(想像力と発掘良品の発掘⑨　その7)

こんばんは。ご覧頂きありがとうございます😊

本日も想像力と発掘良品の発掘というテーマで

死刑台のエレベーター

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

超有名作揃いの第30弾！

本日よりご紹介させて頂く発掘良品シリーズ第30弾のラインナップは…

死刑台のエレベーター

フェリーニの8 1/2
1900年
ウォリアーズ

…名作中の名作と言われている作品が多いですね

↑ウォリアーズだけは、ちょっと違いますが

けれどあまりにも名作な作品というのは、有名が故に敬遠されてしまう人も多いような気がいたしますので、本ブログでは名作としてではなく、面白い映画ですよという感じにライトな解説をしていければと思っていますのでどうぞよろしくお願いいたします😊

アバウトなストーリー

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

二五歳の仏映画界の新人監督ルイ・マルが、推理作家ノエル・カレフの原作を、自身と新進作家ロジェ・ニミエの共同で脚色、ニミエが台詞を書いた新感覚スリラー映画。キャメラは新人アンリ・ドカエ。巻頭から巻末までを十曲のモダーン・ジャズで通した音楽はトランペット奏者で作曲家のマイルス・デイヴィスで『メイン・タイトル』『エレベーターの中のジュリアン』『夜警の巡回』等と名づけられた十曲が演奏される。種々の新しい試みによってこの作品は一九五七年ルイ・デリュック賞を得た。「抵抗（レジスタンス）　死刑囚の手記より」に主演したフランソワ・ルテリエが第二助監をつとめている。出演者は「宿命」のモーリス・ロネ、「現金に手を出すな」のジャンヌ・モロー、「素直な悪女」のジョルジュ・プージュリー、「親分」のフェリックス・マルタン、「夜の放蕩者」のリノ・ヴァンチュラ、「悲しみよこんにちは」のエルガ・アンデルセン等。製作イレーネ・ルリシュ。

…数字の漢字表記をされているのは、ご年配の方の解説だからでしょうか？

映画の内容よりも先に、マイルス・デイビスの事が熱く書かれていますが、この解説は正鵠を射たものであり、本作はマイルス・デイビスのクールでモダンなメイン・テーマで始まるオープニングから、観客をグイグイと魅了してゆくのです！

↑誰もが一度は耳にした事がある「générique（メインテーマ）」。

本作は３つの話が絡み合って進行していくサスペンス映画。

なお、３つの話の主人公たちは、お互いに直接絡み合う事がなく、それぞれの話も、サバイバル系のサスペンス、切ない想いでパリをさ迷う恋愛映画、若者が暴走する青春映画という、全くテイストの違うもの！

自分の勤める会社の社長夫人のフロランスと恋愛関係になり、彼女の夫を殺して一緒になる事を決意し実行したジュリアンは、不慮の事故で無人となったピルのエレベーターに閉じ込められ…

↑クソ！後は彼女に会いに行くだけだったのに

ジュリアンを待つフロランスは、約束の時間になっても一向に現れない彼を疑い始め、涙に暮れながらパリの街のさ迷い歩き…

↑ああ。あの人はきっと夫を殺せず逃げたんだわ…

ジュリアンが逃走するために路上に置いておいたスポーツカーを拝借し、自分の彼女とドライブに出かけてしまう不良少年のルイ…

↑成功者のジュリアンに嫉妬していた不良のルイは、

　鍵がかかったまま路上に置かれていた彼の車を発見し

　彼女を連れてドライブに出かけてしまいます！

さて、お互い全く接触のない３人には、一体どんな運命が待ち受けていたのでしょう？

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

↑おい。社長が殺されてるぞ！！

　完全犯罪のはずだったジュリアンの計画は

　エレベーターに閉じ込められた事で思わぬ方向へ！！

極小のセリフ

本作は、名作と呼ばれる魅力が数限りなくある歴史的な名作。

前述させて頂いた音楽は元より、俳優さんの魅力、撮影技法など、様々な魅力が詰まっているのですが、私が好きなポイントは、観客を映画に惹きつけさせるストーリー展開！

説明的なセリフがほとんどないにも拘わらず、観ている観客にも分かり易い展開なので、自然と観客は３人のキャラに感情移入するようになり、誰か一人だけに肩入れするのではなく、ジュリアン、フロランス、ルイのそれぞれに感情移入し、彼ら全員に幸福になってもらいたいと願いなか゜ら、手に汗にぎって展開を見守る作品というのは、そうそう出会えるものではありません！

本作は、知らない作品を発掘したというより、歴史的名画が展示されている美術館に行って、多くの人々が称賛している名画を自分の眼で観に行くような感覚で楽しんで頂くようなテイストの発掘良品！

多くの方が最高の映画と評価する作品を、是非皆様の眼で楽しんで頂ければと思っております😊