こんばんは
ご覧頂きありがとうございます

\(^▽^)/






本日も
 

想像力と
発掘良品の発掘

 

というテーマで
 

冷血
 

 

という映画を
 

ご紹介させて頂ければと思います。






前回ご紹介させて頂いた絞殺魔は
 

実際に会った殺人事件を
 

実録風に映像化した異色の作品。

音譜絞殺魔の回はコチラ音譜





そして本日の作品も、絞殺魔と同様
 

実際の事件を元にして描かれた小説が原作の
 

衝撃的な作品なのです!





このシリーズで


本作品を選ばせて頂いた理由は3つ。


推薦理由①
実際に起こった事件の
関係者に取材して書かれた原作を
映像化した作品だから







本作も前作の絞殺魔と同様
 

加害者と関係のない善良な人々が
 

何の理由もなく殺害された
 

ショッキングな事件を映画化したもの。


↑本当に起こった一家惨殺事件!!




被害者の一家は、誠実な人柄で
 

人々に慕われていた夫婦と2人の子供たち。


↑犠牲者は、誠実、温厚で慕われていたクラター家。





けれどある晩、彼らは

 

家に押し入ってきた暴漢によって
 

ライフルで皆殺しにされてしまったのです!


↑ごく普通の夜を過していた彼らは

突如押し入ってきた暴漢によって縛られ

至近距離からライフルで射殺されてしまいました!





怨恨?





いいえ。
 

 

彼ら一家を恨む人なんて

 

誰もいません。





金品目的?




いいえ。
 

 

一家は家に現金を置かないので

 

盗まれたのは十数ドルだけでした。




性的な暴行?




いいえ。

 


一家の誰一人として
 

性的な暴行は受けていません。




… … …

(-"-;A

じゃあ、何で殺されたの?






一家が殺された理由が

 

全く分からないこの事件は
 

突然、善良な人々が
何の理由もなく殺害された事件

 

として

 

社会に大きな衝撃を与えたのです!


↑実際の現場写真。

当時の人々は、この理不尽な事件に

恐怖と不安を覚えたのです。






本作はこの事件を引き起こした
 

ディックとペリーという男たちの犯行の前後と

 

事件の顛末を描いていく映画。

 

 

 

 

 

さて、一体どうして二人は
 

殺害する理由も必要もない人間を
 

惨殺したのでしょうか?

 

 

 

 

それは是非、皆さん自身の目で

 

ご覧になって頂ければと思います。

 

↑クラター家襲撃を企画したディックと


↑人を殺した経験があると言うペリー。

彼らは、雑貨屋で襲撃道具を楽しそうに用意します。





本作は、二人が襲撃する直前で

 

一度場面が入れ替わり

 

彼らがどのように一家を殺したのかは

 

映画の後半にならないと分からず

 

観客は、刑事になった感覚で

 

犯人の動機や行動を推理する事ができるのです。

 

 

推薦理由②

犯人が分かっていても

動機や行動が分からないなら

緊張感は継続する

 

↑襲撃直前、車の中で話し合っている二人の映像の後

場面は唐突に、殺人後の話となります。

 

 

 

 

ですので、このブログでも

 

本作の詳細を書くことは差し控えますが

 

彼ら二人の生き様が分かってくると

 

気がつくと観客は、彼らのうちの一人に

 

心情的に同情するようになるのです。

 

↑詐欺の常習犯のディックは

言葉巧みに、小切手詐欺で金をだまし取り

逃亡を続けます。

 

↑そんなディックと同行し

逃げれば殺すとにらみを利かせて脅すペリー。

さて、二人はどんな人生を歩んできたのでしょう?

 

 

 

 

 

これは、本作の原作者トルーマン・カポーティが

 

実際の犯罪者や、関係者を取材して

 

彼らの人生や本音を引き出して書いた小説が

 

ベースとなっているから。

 

 

 

 

 

犯人たちの話を実際に聞けば

 

小説家の想像ではなく

 

実際に事件を起こした当事者の心理を

 

リアルに描く事ができますよね。

 

 

 

 

カポーティは、この手法を

 

ノンフィクション・ノベルと名づけ

 

以降、ジャーナリストや小説家たちが

 

得意な犯罪を犯した人間から

 

直接話を聴いて事件の真相に迫ろうとする

 

ニュー・ジャーナリズムという手法が

 

生み出されていくのです。

 

↑「葛城事件」でも、通り魔殺人を犯した男に

女性ジャーナリストがニュー・ジャーナリズムの手法で

取材しようと試みています。

 

音譜「葛城事件」の回はコチラ音譜

 

 

 

 

 

 

そして、このニュー・ジャーナリズムの手法は

 

いつしか現実の司法の場で

 

残忍な加害者への情状酌量や減刑理由ために

 

多様されるようになるのですが

 

本作の事件では、そんな同情や減刑は

 

犯人たちに与えられません。

 

 

 

 

 

ニュー・ジャーナリズムを生み出した

 

カポーティーの手法を尊重するのであれば

 

犯人へ取材するという行為と

 

彼らの犯した罪を恣意的に左右する行為は

 

現に慎むべきだと思うのですが

 

皆さまはどう思われるでしょうか…

 

 

 

 

 

本作は静かに、そして冷徹に

 

犯罪に対する因果を描いて終了する事で

 

同じ境遇の人の犯罪の抑止に

 

役立っているのではないかと思います…

 

 

推薦理由③

信賞は必罰であるべき

 

↑原作者カポーティは、辛い人生を送ってきたからこそ

犯人の人生に同情を示し

「(犯人は自分と)同じ家で生まれた。

一方は裏口から、もう一方は表玄関から出た。」

と言う言葉を残しました。

 

けれどそれは減刑や情状酌量とは無関係で

罪を裁かれるところまでキチンと描いています。

 

 

 

 

 

と言う訳で次回は

 

発掘良品第四弾から少し離れ

 

冷血とミザリーの間

 

というテーマで

 

ハネムーン・キラーズ

 

という映画を解説してみたいと思いますので

 

どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

 


ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆


↑彼らの過去に何があったのか?

カポーティのインタビューによって分かった過去は

同情に足るものでした…

 

↑けれど…辛い過去と犯した犯罪とは

切り離して考えるべきなのではないでしょうか?

 

 

 

 

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