こんばんは。ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力と人間観察記というテーマで
堕天使のパスポート
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
本日のスティーブン・フリアーズ監督の作品は、なんと「アメリ」のオドレイ・トトゥと「それでも夜は明ける」のキウェテル・イジョフォーのW主演!
…メッチャ豪華な配役ですね😆
けれどフリアーズ監督作品ラインナップを確認してみると、豪華なのは本作だけではありません!!
前回ご紹介させて頂いた「噂のギャンブラー」には、ブルース・ウィリス、レベッカ・ホール、そしてキャサリン・ゼタ=ジョーンズ。
↑ブルース・ウィリス&レベッカ・ホールの「噂のギャンブラー」
その1でご紹介させて頂いた「マダム・フローレンス! 夢見るふたり」には、メリル・ストリープとヒュー・グラント。
↑メリル・ストリープ&ヒュー・グラントの「マダム・フローレンス」
日本ではやや知名度が低いスティーブン・フリアーズ監督ですが、俳優たちからの信頼はとても厚く、今後紹介させて頂く作品に出演されているのも有名な方ばかり!!
でも、どうして地味な感じの作品が多いフリアーズ監督作品が、俳優たちに愛されているの?
恐らくですがそれは、彼の作品に登場する人間がとても魅力的だから!
スティーブン・フリアーズは、等身大の人間の悩みや歓びが生き生きと描かれている“公開後もずっと愛され続けるような映画”を得意とする監督なのです😊
人間描写監督スティーブン・フリアーズ!
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。
むむむ!
ストーリーの解説は2行だけですね
もう少し詳しく解説させて頂くと、本作の主人公はロンドンで暮らしている2人の不法移民。
一人は、トルコからやってきたシェナイという不法滞在の女性。
もう一人は、ナイジェリア出身のオクウェという男性です。
↑何のスキルもなくロンドンに来てしまったシェイナ。
↑金を貯めてNYに生きたいと願うオクウェ。
不法移民のため低賃金の仕事にしか就けない2人は、ルーム・シェアをしながら同じホテルに勤めていますが、オクウェは夜勤のフロントとして、シェイナは昼間のメイドとして働いているので、自室で顔を合わせる機会はありません。
その上オクウェは、昼間はタクシーの運転手も兼務している激務の日々。
一方の不法滞在のシェイナは、仕事をしている事が移民局にバレてしまえば強制送還されるため、薄氷を踏むような日々を過ごしています。
↑ホテルでも、お互い知り合いだと感ずかれないように
鍵の受け渡しはスパイのように通りすがりに落とすのです!
二人は、ロンドンにとっては異邦人!
ロンドンには定住できないと悟っている二人ですが、仕事に就けないシェイナは人生には行く場所がなく、祖国で身の危険を感じて密かにしたオクウェは、医学として働いていた過去を隠して働いていますが未来は見えません…
↑タクシーとホテルマンとして不眠不休で働くオクウェですが
医師として仕事をすれば、もっと稼げるのでは?
けれど彼らの苦難は、これで終わりではありませんでした!
シェイナはロンドンの移民局に目を付けられてホテルでの仕事を失ってしまい、オクウェはホテルの一室を清掃をしている時、便器の中に切り取られた心臓があるのを発見してしまったのです!
↑ホテルに調査が入り、働けなくなったシェイナは
不法労働者たちの縫製工場で働く事になりますが…
↑ホテルに出入りする顔なじみの娼婦の密告を受け
客室に入ったオクウェが見つけたのは心臓でした!
さて、ロンドンで孤立無援の移民の2人は、一体どうなってしまうのでしょうか?
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
↑誰も頼れる人がいない二人はどうなってしまうの!?
本作はサスペンス映画ですので詳細を書くのは差し控えさせて頂きますが、ロンドンにおいて異邦人であるシェイナとオクウェは、社会的には最下層に位置する存在。
そんな彼らは常に足元を見られ、厳しい労働条件や卑劣な仕打ちに会って打ちひしがられていきます…
↑心臓の件を上司に報告したオクウェですが
上司は口外しないよう圧力をかけて来ただけでなく
オクウェの身元調査をして彼を脅迫し始めます!
そう。
豊かな他国の大都市に行けば、誰もが幸せになれるというのは幻想でしかうりません!
大都市というのは、強者が弱者を支配する事によって成り立っているヒエラルキー社会であり、弱者が移住して来れば徹底的に搾取される事になるのです…
という事は、これは絶望の物語?
いいえ。
本作では、そんな絶望の大都市の中にある小さな希望も描いています!
その希望とは、信頼で結ばれた友情の存在!
オクウェとシェイナは恋人ではありませんが、お互い人間性を信頼し合える関係。
そして、そんな二人を信頼して助けようとしてくれる人は他にもたくさん存在し、映画のラストでは、彼らの助けによって絶体絶命だった二人には、一縷の希望が見えてきます。
そう。
誠実に生きる人生というのは厳しい反面、素晴らしいものでもあるのです😊
↑二人にとって最悪の労働環境だったホテルですが
ラストでは、彼らを助ける友人たちが集結するのです😄
という訳で次回は
移民と階層社会
というテーマで
マイ・ビューティフル・ランドレット
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
おまけ
①ロサンゼルスの移民問題に興味がある方へ
「クラッシュ」
②行方知れずとなる移民問題に興味がある方へ
「父を探して」
③パリにおける移民問題に興味がある方へ
「戦争より愛のカンケイ」
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