こんばんは
ご覧頂きありがとうございます
\(^▽^)/
本日も
想像力と
発掘良品の発掘
第八弾
というテーマで
クンドゥン
という映画をご紹介したいと思いますので
どうぞよろしくお願いいたします。
本日で、本シリーズも最終回!
70年代~90年代を中心とした
やや大人向け作品が多いセレクションでしたが
いかがでしたでしょうか?
最終回は、今回ご紹介した作品の中で
今、観ておく事をお勧めする
世界で何が起こっているのかを知るヒントになる
とても意義深い作品なのです…
アバウトなストーリー
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば
本作の解説は以下の通り
チベットの指導者
第13世ダライ・ラマ(1935~)の
成長期に焦点をあて、
彼が国外亡命に至るまでの苦悩の日々を、
イメージ豊かで思索に満ちた
映像と音楽で綴った一大叙事詩。
… … …
(-"-;A
イメージ豊かで思索に満ちた
映像と音楽で綴った一大叙事詩??
( ̄_ ̄ i)
…これって、書かれた方は本心から
本作の主題だと
考えていらっしゃるのでしょうか?
ちなみに本作の主人公は
ダライ・ラマ13世ではなく14世です
w( ̄Д ̄;)w
この解説だと本作の内容は
ダライ・ラマの成長期という事になるのですが
これは本作で描かれている重要な内容を
ぼかしているようにも思えます
↑この解説だと、ダライラマ14世の
すくすく成長期みたいな映画だと勘違いされてしまいます
けれど本作は、宗教に寄り添って
争いを避け平和に暮らしていたチベットの人々が
中国共産党の侵略によって
民族粛清にあっていく姿を描いた作品!
↑映画の冒頭、チベット文化である美しい曼荼羅の砂絵が
丹念に作られていきますが…
↑中国共産党の人民解放軍の進駐によって
チベットの文化は
完膚なきまでに破壊されていくのです。
本作が公開された1997年は
香港が中国に変換された年でもありますので
中国共産党の目指す一党支配が
何をもたらすのかを
チベットで起こった悲劇を描くことで
世界中に伝えようとした
怒りと悲しみに満ちた告発映画なのです!
↑チベットを力で併合した中国共産党!
ちなみにダライ・ラマとは
チベットの宗教的指導者であると同時に
人々の心の支えとなる人物。
ダライ・ラマは入滅しても
魂は転生すると信じられており
本作は、ダライ・ラマ13世が没した後に
チベット僧が全国を行脚して
転生した乳児を探す所から始まります。
彼らが発見されたハモという乳児は
ごく普通の子供ですが
ダライ・ラマの杖を知っていたり
仏具を見分けられたりする不思議な子供。
↑見た事のないダライ・ラマの所有物を
自分のものだと言うハモ。
ハモはダライ・ラマの転生だとされ
チベットの首都ラサで、僧たちに囲まれて
宗教的指導者として
大切に育てられていきますが
その頃、隣国の中国では
共産党の支配する中華人民共和国が誕生し
チベットを中国の領土だと主張し
まだ未成年のハモに対して
チベットが中国自治領である事を認めるよう
通告して来たのです!
↑まだ高校生くらいの年齢のハモ。
さて、毛沢東率いる中国共産党の要求に
ハモはチベットの代表として
どのような回答をしたのでしょうか?
それは是非、皆さん自身の目で
ご覧になって頂ければと思います。
↑中華人民共和国は、チベット東部を軍事制圧し
ハモに対して17か条の協定の批准を求めて来ましたが
その内容は、チベットという国の消滅を
意味するものだったのです…
今こそ観直そう!
本作は、映画界のヒットメーカーである
マーティン・スコセッシ監督の作品であると同時に
配給は、かつてディズニーの配給部門だった
ブエナビスタという会社の作品!
けれど、本作は派手に宣伝される事なく
作品内容の解説も
キネマ旬報さんの書かれているような
ダライ・ラマ物語だと曲解され
さほどヒットせずに歴史に埋もれていきます…
↑え~。宗教っぽい作品?
あんまり観たいと思わないよね~
けれど、本作は宗教的な要素はなく
自国の伝統や歴史や習慣を大切にしている人々が
他国に蹂躙されて
強制的に同化されていく恐怖を描いており
その徹底ぶりは
ある意味、ナチスをも凌駕しています!
↑血に染まっていくチベット。
↑宗教は害悪であると言い切り
国民の心のよりどころの僧侶を虐殺していく中国共産党。
…ご存知の通り、ダライ・ラマ14世となったハモは
中国共産党に拘束される直前に
決死の脱出行で、インドへと脱出しますが
当時の西側諸国は
ハモの支援要請を無視したために
チベットは今、中国の実効支配下にあり
民族浄化は続いています…
そして今、香港の人たちは
中国共産党によって
チベットやモンゴルのようにならないよう
必死の抵抗を行っており
今回は欧米諸国も、香港を支援する方向で
2019年11月27日には
アメリカが香港人権法案に署名をしました!
私が発掘良品の発掘知シリーズを
始めたのは2017年。
TSUTAYAさんがリリースした順番で
映画をご紹介させて頂いているシリーズですが
2019年11月の末日に
208作目の作品として本作があった事は
私個人にとって
何かの啓示のように感じられました…
チベットや香港で起こっている事に
想いを馳せる人が、少しでも多くなることを
祈っております…
↑1997年公開時に7億円の赤字となった理由には
かなりの妨害工作があった思われます。
けれど、2019年の皆様がご覧になった感想は
だれにも妨害されないのです。
という訳で
本シリーズはこれにて終了。
長い間お付き合い頂き
本当にありがとうございました
\(^▽^)/
来月は、本年の本ブログを振り返る
アーカイブをお送りしたいと思いますので
どうぞよろしくお願いいたします。
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
おまけ
①本作の脚本家メリッサ・マシソンの遺作で
彼女の人生に対して
スピルバーグ監督が敬意を込めて作った
映画に興味がある方へ…
②多くを語られぬイラン革命時の状況を
当事者が描いたアニメ映画に興味がある方へ…
③多くを語られぬイスラエルのレバノン侵攻を
当事者が描いたアニメ映画に興味がある方へ…
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