こんばんは
ご覧頂きありがとうございます
\(^▽^)/
本日は
想像力と
発掘良品の再発掘
というテーマの番外編として
シカゴ
という映画を
解説してみたいと思います。
前回ご紹介させていただいた
デストラップ 死の罠は
グッドエンドでもバッドエンドでもないラスト。
↑売れなくなった有名劇作家が
他者の脚本を自分のものにしようと殺人を計画する
「デストラップ 死の罠」
あまり詳しく説明すると
観る愉しみを奪ってしまいますが
この映画は
演劇業界を描いた作品
という所に
どんなラストなのかを想像するヒントが
隠されているのです
ヽ(=´▽`=)ノ
このシリーズで
本作品の推薦理由は3つ。
推薦理由①
ショウビズの世界は
殺人を深刻に描きにくい
業界である
デストラップの主役は劇作家。
↑主人公は、いわゆる業界人です。
彼は業界の脚本家として
創作活動をしていた人ですから
一般人よりも人殺しについて詳しい人です。
感動的な死
無残な死
復讐による死
愛の果ての死
映画や演劇の業界は
どんな死でも作品化できるからこそ
業界人である自分たちの死をどのように描くかが
意外と難しいようなのです。
普段自分たちが描いているような
ドラマティックな死を迎えたら
フィクション作品ぽくなってしまいます。
だから業界を描いた映画のラストは
ショウビズって
こんな世界なんですよ!
という感じの
観客が唖然とする業界オチで終わる事が
少なくないのです。
ショウビズ業界殺人映画としては
サンセット大通り
↑ボクが何で死んだかって言うとね…
と、死体の回想ではじまる
「サンセット大通り」
ザ・プレイヤー
↑あれ?俺を脅迫してたと思っていた男を殺したのに
まだ脅迫状が届いてるぞ?
という殺人の罪悪感が全然感じられない
「ザ・プレイヤー」
などが有名ですが
本日のシカゴも
ショウビズの世界に憧れていた女の子が
夫を殺して服役する話。
↑映画の冒頭、殺人を犯す女の子ですが…
けれど殺人に対する贖罪などは一切描かれず
えっ。
ショウビズの世界って
こんな感じ!?
と観客が唖然としてしまうような展開なのです。
↑人を殺したら、あたし人気者になれちゃった
主人公のロキシーは、スターを夢見る女の子。
といっても既に既婚者ですので
これからスターを目指すのは難易度が高いですね。
…ですので、彼女は
君をスターにしてあげる
という男の口車に乗って
行商人の男と関係を持ってしまうのです。
けれど嘘はやがてパレるもの。
行商人が、業界とは何の関係もない事を知った彼女は
激高して彼を殺してしまうのです!
当然、ロキシーは逮捕!
あっという間に留置所に送られてしまいます。
ロキシー絶体絶命!
と思っていると
ロキシーの容姿を見て
彼女に接近してきた男がいたのです。
↑ムフフフ。
お嬢さんお困りでしょ。お助けしますよ
彼は辣腕弁護士のビリー。
彼はロキシーが可愛い女の子なのを利用し
徹底的な印象操作で
ロキシーは純粋無垢な女性で
殺人は正当防衛だった!
という弁護を始めるのです。
↑いいか。ピュアっ子戦術で行くぞ!
純粋な女の子のロキシーが悪い男に襲われて
偶然、そこにあった銃を撃っちゃった
という筋書きで行くぞ!
さて、ビリーの戦略は
果たして上手くいくのでしょうか?
それは是非、皆さん自身の目で
ご覧になって頂ければと思います。
↑いいか。俺の考えた戦略通り記者会見をしろ!
記者たちが同情すれば、お前は有利だ!
推薦理由②
世間やマスコミは
犯罪よりも
可愛い女の子の行く末に
興味を持つもの
↑可愛い女の子が何で銃なんて!?
ビリーの戦略は大成功!
気が付けば世間もマスコミも殺人よりも
純粋でかわいい(フリをしている)ロキシーに
夢中になっていきます。
↑拘置所アイドル、ロキシー誕生
本作は
ショウビズ界を強烈に皮肉った作品。
例え殺人者でも
可愛くて話題になりそうなら
スターに祭り上げて利用してしまうマスコミと
そんなマスコミを利用して
どんな事をしてもスターに成り上がろうとする
女の子たちの蠢くショウビズ界は
私たち一般人とは異なるモラルの人たちが生きる
話題の人になれば勝者!
というモラルハザードでシニカルな世界なのです。
↑可愛い女の子に同情が集まれば
無罪なんて簡単さ!
デストラップ 死の罠のラストも
あるキャラクターの満面の笑みで終わります。
一般的なモラルや常識なんて存在しない。
必要なのは人気と成功!
それがショウビズ魂なのですから
ヽ(=´▽`=)ノ
推薦理由③
ショウビズ界の人が描いた
自分たちの世界には
限りなく皮肉が込められている
↑殺人ではないですが
「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」も
ショウビズ界を皮肉たっぷりに描いた映画。
元バットマンの俳優に、バードマンを演じさせる事自体
かなりシニカル(皮肉)だと思います。
と言う訳で次回は
発掘良品シリーズに戻って
正義の定義
というテーマで
理由
という映画を解説してみたいと思いますので
どうぞよろしくお願いいたします。
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
↑本作の原作は、演劇界出身のボブ・フォッシー。
彼自身も監督ですが、ほとんどの作品は
ショウビズ界や一般大衆の欺瞞を暴く
シニカルな作品ばかり!
オール・ザット・ジャズ
キャバレー
スター80
などは、全て傑作だと思います。
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