沖縄県知事・基地裁判完全敗訴確定 | GTZ&RSのブログ

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16日(木)に沖縄県宜野湾市に有る在日アメリカ軍海兵隊の普天間飛行場(Marine Corps Air Station Futenma)辺野古新基地建設工事(沖縄県名護市辺野古)に係る移設計画を巡って、防衛省の設計変更申請を不承認とした玉城康裕沖縄県知事の処分を国土交通大臣が取り消したのは違法だして玉城康裕沖縄県知事が訴えた抗告訴訟(裁決)の上告審で最高裁判所小法廷(中村慎裁判長)は、玉城康裕沖縄県知事の上告を退けました。

最高裁判所小法廷(中村慎裁判長)の判決では、5人の裁判官が全員一致して、玉城康裕沖縄県知事が訴えた抗告訴訟(裁決)を退け、辺野古新基地建設工事(沖縄県名護市辺野古)に係る移設計画を巡る全ての裁判が終結しました。

これで、辺野古新基地建設工事(沖縄県名護市辺野古)に係る全14件の裁判の内、和解・取下げの4件を除いた10件全てが沖縄県知事の敗訴確定となりました。

この裁判は、2020年(R2年)4月21日に防衛省沖縄防衛局が沖縄県に対して『公有水面埋立変更承認申請書』を提出・申請したものの、玉城康裕沖縄県知事が2021年(R3年)11月25日に地盤の安定性等が十分に検討されていないなどとして不承認とした為、その不承認の取消しを国土交通大臣に審査請求し国土交通大臣が2022年(R4年)4月8日に玉城康裕沖縄県知事の不承認を取消す裁決を行ったことに拠ります。
なお、本事件に係る経緯は、次の通りです。

  • 2020年(R2年)04月21日:防衛省沖縄防衛局が『公有水面埋立変更承認申請書』を提出・申請
  • 2021年(R3年)11月25日:玉城康裕沖縄県知事が不承認
  • 2021年(R3年)12月07日:防衛省沖縄防衛局が国土交通大臣に審査請求
  • 2022年(R4年)04月08日:国土交通大臣が埋立変更不承認処分を取消す裁決
  • 2022年(R4年)04月28日:国土交通大臣が玉城康裕沖縄県知事に埋立変更承認申請の承認を是正指示
  • 2022年(R4年)05月09日:玉城康裕沖縄県知事が地方自治法に基づく国地方係争処理委員会に審査申出
  • 2022年(R4年)05月30日:玉城康裕沖縄県知事が地方自治法に基づく国地方係争処理委員会に審査申出
  • 2022年(R4年)07月12日:国地方係争処理委員会が玉城康裕沖縄県知事の申出を却下
  • 2022年(R4年)08月12日:玉城康裕沖縄県知事が福岡高等裁判所那覇支部に埋立変更不承認処分取消裁決の取消しを求める訴訟を提起
  • 2022年(R4年)08月19日:国地方係争処理委員会が同年04月28日の是正指示は違法では無いと結論
  • 2022年(R4年)08月24日:玉城康裕沖縄県知事が福岡高等裁判所那覇支部に埋立変更承認申請の承認を是正指示の取消しを求める訴訟を提起
  • 2022年(R4年)09月30日:玉城康裕沖縄県知事が那覇地方裁判所に埋立変更不承認処分取消裁決の取消しを求める抗告訴訟を提起
  • 2023年(R5年)03月16日:福岡高等裁判所那覇支部が玉城康裕沖縄県知事の訴訟を棄却
  • 2023年(R5年)03月23日:玉城康裕沖縄県知事が最高裁判所に上告受理申立
  • 2023年(R5年)08月24日:最高裁判所が上告受理申立の不受理決定
  • 2023年(R5年)11月15日:那覇地方裁判所が玉城康裕沖縄県知事の抗告訴訟を却下
  • 2023年(R5年)11月15日:玉城康裕沖縄県知事が福岡高等裁判所那覇支部に同年11月15日の判決を不服として控訴を提起
  • 2024年(R6年)09月02日:福岡高等裁判所那覇支部が玉城康裕沖縄県知事の抗告控訴を棄却
  • 2024年(R6年)09月17日:玉城康裕沖縄県知事が最高裁判所に同年09月02日の判決を不服として上告受理申立
  • 2025年(R7年)01月16日:最高裁判所が上告受理申立を棄却
また、辺野古新基地建設工事(沖縄県名護市辺野古)に係る全14件の裁判の状況は、下記の表の通りです。
訴訟提起日原告被告判決判決日
1代執行訴訟2015年11月17日国土交通大臣翁長雄志沖縄県知事福岡高等裁判所那覇支部
和解に拠り取下げ
2016年03月04日
2抗告訴訟(執行停止決定)2015年12月25日翁長雄志沖縄県知事国土交通大臣那覇地方裁判所
和解に拠り取下げ
2016年03月09日
3関与取消訴訟(執行停止決定)2016年02月01日翁長雄志沖縄県知事国土交通大臣福岡高等裁判所那覇支部
和解に拠り取下げ
2016年03月09日
4不作為違法確認訴訟2016年07月22日国土交通大臣翁長雄志沖縄県知事福岡高等裁判所那覇支部
原告の請求認容
最高裁判所
被告の上告棄却
2016年09月16日

2016年12月20日
5岩礁破砕差止訴訟2017年07月24日翁長雄志沖縄県知事国土交通大臣那覇地方裁判所
原告の訴え却下
福岡高等裁判所那覇支部
原告の控訴棄却
2018年03月13日

2018年12月05日
6関与取消訴訟(執行停止)2019年03月22日玉城康裕沖縄県知事国土交通大臣福岡高等裁判所那覇支部
原告が訴え取下げ
2019年04月22日
7関与取消訴訟(裁決)2019年07月17日玉城康裕沖縄県知事国土交通大臣福岡高等裁判所那覇支部
原告の訴え却下
最高裁判所
原告の上告棄却
2019年10月23日

2020年03月26日
8抗告訴訟(裁決)2019年08月07日玉城康裕沖縄県知事国土交通大臣那覇地方裁判所
原告の訴え却下
福岡高等裁判所那覇支部
原告の控訴棄却
最高裁判所
原告の上告棄却
2020年11月27日

2021年12月15日

2022年12月08日
9関与取消訴訟
(サンゴ類特別採捕許可是正の指示)
2020年07月22日玉城康裕沖縄県知事農林水産大臣福岡高等裁判所那覇支部
原告の請求棄却
最高裁判所
原告の上告棄却
2021年02月03日

2022年07月06日
10関与取消訴訟
(埋立変更不承認処分取消裁決)
2022年08月12日玉城康裕沖縄県知事国土交通大臣福岡高等裁判所那覇支部
原告の訴え却下
最高裁判所
上告の不受理決定
2023年03月16日

2023年08月24日
11関与取消訴訟
(埋立変更不承認処分是正の指示)
2022年08月24日玉城康裕沖縄県知事国土交通大臣福岡高等裁判所那覇支部
原告の訴え棄却
最高裁判所
原告の上告棄却
2023年03月16日

2023年09月04日
12抗告訴訟
(埋立変更不承認処分取消裁決)
2022年09月30日玉城康裕沖縄県知事国土交通大臣那覇地方裁判所
原告の訴え却下
福岡高等裁判所那覇支部
原告の請求棄却
最高裁判所
原告の上告棄却
2023年11月15日

2024年09月02日

2025年01月16日
13関与取消訴訟
(サンゴ類特別採捕許可是正の指示)
2023年08月17日玉城康裕沖縄県知事農林水産大臣福岡高等裁判所那覇支部
原告の請求棄却
最高裁判所
上告の不受理決定
2024年02月15日

2024年04月25日
14代執行訴訟2023年10月05日国土交通大臣玉城康裕沖縄県知事福岡高等裁判所那覇支部
被告に承認命令
最高裁判所
上告の不受理決定
2023年12月20日

2024年02月29日
なお、沖縄県議会(赤嶺昇議長)は、2023年(R5年)10月3日の9月定例会で、溜政仁知事公室長が、辺野古新基地建設工事(沖縄県名護市辺野古)関連の訴訟は13件で、訴訟費用訴額は2億4,275万9,475円と説明しました。
この訴訟費用の内訳は、弁護士委託料及び印紙代などの直接経費が1億1,181万9,335円、国地方係争処理委員会への審査申立てなどの間接経費が1億3,094万140円とのことです。
更には、今回の14件目の裁判費用が完全敗訴確定に拠り積み上げられることが見込まれています。

それと、在日アメリカ軍海兵隊の普天間飛行場(Marine Corps Air Station Futenma)の周辺が市街地化に拠り密集していて、危険であるから移転させると言う本来の趣旨を無視するかの様に当該工事を遅延させる行為は如何なものかと思います。
それにしても、多くの沖縄県民にとっては、何のメリットも無いこの一連の裁判沙汰。沖縄県知事は、何の為に誰の為に巨額の費用と時間を費やしてまで行われたのでしょうか。