GTBコンサルティング 平賀 正志(中小企業診断士) -13ページ目


近頃(いや、今に始まった話でもないですけれど)、企業の不祥事が

方々で報じられています。


東京電力福島第一原発の「管理不能および環境破壊」に始まり、

阪急阪神ホテルグループ、リッツカールトン大阪の「食材偽装」

(「誤表示」などと言い張っていますが、それはもう「悪意のある言い訳」に過ぎません)

みずほ銀行の「反社会的組織への融資」などなど、


はあ?と耳を疑うようなことが次から次へ明るみに出ています。


しかも、その理由がまたふるっています。

おおよそ普通に論理的行動でできる人であれば絶対に言わないようなことです。


「今、原発を止めると経営に悪影響が出る」

(=我々の住む大地へ多大なる環境汚染・破壊をもたらしているのに、まだ自分の経営を気にするほうが先だということ)


「コストがかさんで儲けが減るから、そうした」

(=自分の懐に入るお金が減るから、って行間で語っているということ)


いやいや、それすら見込んで企業経営はなされなくてはなりません。

それを名立たる大企業が平気でやってしまう、というところが非常に恐ろしい。


しかし、これを読まれる中小事業者の皆様は絶対にそういうことをしないで

いただきたいですし、そういう思考にすら走っていただきたくないです。


現在の日本政府の政策は、そういう大企業に対しては、少々何かがあっても

かなり融通を利かせて、その存亡が問題になるような事態にはしないように

できています。


ですが、中小企業や個人事業主の方々向けにはそんなものは全くありません。

「不祥事=即、存亡の危機」となるのです。


となると、どうするのが良いのか…。


もう、真っ当に誠実にビジネスをするより他ありません。


もちろん、戦略・戦術は必要ですし、他の企業に負けないように競争も

しなくてはなりません。時には厳しい価格交渉もあるでしょうし、家族同然の

従業員の方を解雇せざるを得ない時だってあります。


でも、それでも、法を犯すことや嘘、欺きはいけません。

そうしてしまったら、もうビジネスを行う資格すらないと認識すべきです。



私は、公共の利益に反することなく、真っ直ぐに自分の仕事をしたいですし、

同じように考えてくださる中小企業や個人事業主の方々を心から応援

したいですし、支援させていただきたいです。


誠実にビジネスを行い、かつ成長したいと思われる企業様・事業者様からの

お声掛けをお待ちしております。一緒にこの厳しい時世を乗り越えましょう。


ペタしてね



4月末のコラムからの「事業計画」の立て方の続きです。

⇒前々々回のコラム

⇒前々回のコラム

⇒前回のコラム


今回の話に進む前に、まず振り返りをしましょう。

4月末の回で、
「何のために、会社は(事業所は、もしくはお店は)存在するのか?」を考えて
→「その存在意義や実現したいことのために、『なりたい姿』はどんなものか」を考える

前々回では、
「『現状の姿』はどんなものだろうか」を考える。それは、
→『なりたい姿』への到達を目指す前に、スタート地点をきっちりと把握する必要があるから。

前回は、
「『現状の姿』から『なりたい姿』になっていくために、どう行動するのか」
の方向性を考えていこう、ということでした。
そしてその行動案は大きく「規模拡大化路線」「業務効率化路線」に集約されるであろう、
と申し上げました。



では、ここからが、今回やっていくことがらになります。
「行動案(実際の行動作戦)」の具体化が今回のステージです。

規模拡大化にしても、業務効率化にしても、ただ単純に
「売上を伸ばして、経費を切り詰めればいいんでしょ?」というわけではありません。
どちらもに整合性がないと、辻褄が合わなくなってきます。

例えば、売上を伸ばしたいからといって、

「営業の強化のために、人員を増やす」と「経費の増大」になってしまうわけです。

また、やみくもに経費削減をすると、今度は人が足りない・モノが足りない、などということに陥ることもあります。

ですので、具体的に何をすべきで、何をすべきでないのかは、個別論的に考えていかねばなりません。
そのためには、会社全体(事業所全体)で、それぞれ何をやっていくかを決めていくことになります。その中で、

 強化すべきもの、
 スリム化すべきもの、
 新設すべきもの、
 廃止すべきもの

がそれぞれ出てきます。

これをバランスよく、それぞれの持ち場で一定方向に努力しつつも、それぞれの利益が相反しないように計画を立てます。

一例作ってみましょう。
まず、「規模拡大化路線」を取り、
その中で「サービス内容を充実させ売上を伸ばす」ということに決めたとしましょう。

そしてそれに付随して必要なことと、起こりうることを想定していきます。

サービス内容を充実させる、ということは・・・(これらも一例ですが)

・その充実させるサービス以外のところでは簡略化を図る必要あり
 →その部分では売上減の可能性あり

・サービスを充実させるために、研修を受ける必要あり
 →研修費用支出あり

・サービスを充実させるために、備品を揃える必要あり
 →備品購入費用支出あり

・そのサービスの均質化のために、運用マニュアル作成の必要あり
 →作成者の人件費増大の可能性あり

・そのサービスを広報する必要あり
 →広告宣伝費用支出あり

と、様々出てくると思います。

これを「なりたい姿」になるために必要と思われた行動全てにおいて、一つ一つ考えていくわけです。

相当手間も時間もかかりますが、こうやってつぶしていかないと、「拡大戦略」といっても、本当に

 行動に掛けた経費 < 新規獲得の売上高見込

となるかどうか不明なまま走ってしまうことになります。それは絶対に避けなければなりません。



それでは、また来月は、ここまで見てきましたまとめをしたいと思います。
まだまだ暑さ続きますが、くれぐれもご自愛くださいますように。





前々回のコラムからの「事業計画」の立て方の続きです。

→前々回のコラム

→前回のコラム


今回の話に進む前に少し振り返りをしましょう。

前々回に、

「何のために、会社は(事業所は、もしくはお店は)存在するのか?」

を考えてください、と申し上げました。次いで

「その存在意義や実現したいことのために、『なりたい姿』はどんなものか」

を考えましょう、と申し上げました。

次いで前回には、

「『現状の姿』はどんなものだろうか」

を考えてください、と申し上げました。それは、

「『なりたい姿』への到達を目指す前に、スタート地点をきっちりと把握する必要があるから」

でした。



では、ここからが、今回やっていくことがらになります。「計画」への次のステージです。
ここでは、

「『現状の姿』から『なりたい姿』になっていくために、どう行動するのか」

ということを決めるのが次の段階です。

場合によっては、おのずと限定されて決まってしまうかもしれません。
どう限定されるかと言いますと、大別して次の2通りに集約されてしまうことがほとんどです。

1、規模拡大化路線(売上の向上)

2、業務効率化路線(経費の削減もしくは適正な大きさへの整理)

いかがでしょうか?

ほとんどの場合、「なりたい姿になるための行動」は、上記のうちのどれか、または両方になってしまう感じではないかと思います。
実際に、あなたの会社(事業所)やお店では、どちらになりそうですか?

これが、単純に言えば、「経営の方向性」になるのです。

よく「戦略」という言い方とすると思いますが、この「方向性」がその「戦略」という言葉で表されるものになります。

そして、その中身の実例として想定されることは、以下のようなことです。

1、規模拡大化路線・・・
組織の拡大化、新規製品の上市、サービス内容の充実、取引先数の増加、取扱商品数の増加など
⇒これらを通して売上を伸ばす

2、業務効率化路線・・・
組織のスリム化、在庫整理、店舗運営の見直し、顧客の仕分け、取扱商品の整理など
⇒これらを通して、経費の圧縮もしくは適正化を図る

この「実例」が、戦術に当たるものになります。実際の行動作戦というわけです。


ここからもまだもう少しかかりますので、今月もここまでにしましょう。

現段階でしっかり捉えていただきたいのは、

・「なりたい姿」と「現状の姿」のギャップ(差)

・「拡大化路線」か「効率化路線」のどちらが「なりたい姿」に近付きやすいのか
(どちらも必要、はOK!)

・その「路線」で実際にやる行動は何になりそうか


それでは、また来月に続きを見ていきましょう。
大変暑い最中ですが、まずはご自愛くださいますように。