コラム第78回 2017年5月9日 「セミナーや勉強会への参加は時間の浪費」 | GTBコンサルティング 平賀 正志(中小企業診断士)

 

少々過激なタイトルですが、近頃の私はかなり強くそう思っております。

よってそれらを避け、書籍(本、研究誌)を読むように努めています。

 

 

とはいえ、私自身もセミナーの講師をやらせていただくことはあります。

しかし、お聞きくださる方に対して本当に為になる話が出来ているのかどうか、は非常に怪しいです。

 

といいますのは、必ずしもそのお聞きくださった方専用にアレンジした内容ではそもそもないからです。

仮に内容が「期待通り」であったとしても、その点は否めません。絶対に割り引いて考えるべきです。

 

そして私がセミナーを聞く立場だった時は、大抵は期待はずれでした。

自分の抱える問題や知りたい論点にズバリ、答えをくれるわけではありません。セミナーを聞いたあと、結局自分ひとりで、自分の例に沿って組み立てて考え直さなくてはならない。

要は、二重三重に時間ばかり食うのです。

 

また、セミナーというのは、おおよそのところ、その講師(またはその主催者)の宣伝用のものであり、核心部分まで話されることはあまりありません。核心部分は「個別に相談料を払ってくれたら、話すよ」ってところなのですから。

 

 

勉強会というものもまた然りです。

誰かと一緒にやらないと勉強自体ができない、というような方なら別かもしれませんが、私は自分ひとりで勉強できるタイプ、いや一人で集中してじっくりあーだこーだと考えたい人間です。そういう人間には、

 

・わざわざどこかへ出かけていく時間

・みんなと一緒のスケジュールで動かなくてはならないこと

 

これらそのものが苦痛であり、もったいない。

 

それに、勉強会では、

 

・他の人に気を遣わなくてはならない

・自身で気付いた折角のアイデアをすぐそこで披露することを強要され、ひどい時にはそれをパクられる危険性もある

(私は、過去にそういう経験があり、もうアレルギーのようになってしまっています)

 

ということで、結局自分が望むものに集中できないのです。

(望むもの=見つけたいもの、解決したいこと)

 

こんなことに気を紛らわされるのでは、何のための学習・勉強なのかちっともわかりませんよね?

 

 

これだったら、多少苦しくでも自分で書籍をあたって(=本を読む)、自分ひとりで悩み尽くすほうがはるかに良いはずです。

 

なぜなら、どのみち抱える問題は「自分ひとりのもの」だからです。

そしてヒントをセミナー・勉強会からもらうにせよ、本からもらうにせよ、それと抱える問題とを参照させるのだって結局は自力でやらなくてはならないのです。

 

だったら、最初から本を読めばいい。本なら、

 

どれだけ高い本を買っても数千円まででしょう。

(無料のセミナーや勉強会では深く突っ込んだ話なんて出ません。突っ込んだものだと数万円~数十万もする。かつ、それでいて自分向きにカスタマイズなど全くされてはいない)

 

図書館で借りれば無料です。

(かつ返却期限があるから、時間内に終わらせなきゃ!と必死で読みもするので、尻を叩かれる状態にも自然となれます)

 

と、俗にいう「コスパ」も十分に担保されています。

それでいて自分の考える力を鍛えることができるなら、一石二鳥ではありませんか?

 

本は過去から、現在のものまで、ありとあらゆるテーマについて既に書かれていて、古今東西の英知に触れることができます。

昔だったら、その書かれた本が、本当に自分の必要な情報が書かれているのか探すのが面倒だったわけですが、今はITの発達で(=検索エンジンやデータベース検索で)、

 

・目次はもちろん

・内容の要約

・他の読者のレビュー

・参考文献

・類似図書

・先行研究

 

まで既に整理されていて、かなりの高確率で調べたい内容がピンポイントで探せます。

しかもほぼ自分のペース(≒空き時間の有効利用)でそれが十分にできます。

どこかへ出かけて行って、誰かのペースに合わせるなどという苦痛は皆無です。

 

それに本なら、一度読んで理解できなければ、何度も読み返すことができます。わからない語句が出てくれば、一旦離れて辞書にあたって、再度戻ることもできる。付箋をつけて後日読み直すこともできる。

 

勉強会やセミナーのような即時性の高いものでは、どれもできません。

一度聞き逃したら、もうそこまでです。

 

 

「本」というと、アナログ的で先進的でない、みたいにおっしゃる方が多いですけれど、

これを使わない手はない、と思うのですがいかがでしょうか?

 

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