星野之宣と言う作家を御存知か、
日本を代表するSF漫画界の巨匠と言っても大げさで無いでしょう。
三部作からなる時空を超えた人間と宇宙の物語を精緻に描出した未曽有なスケール。
『巨人たちの伝説』
とかも良いですねえ~
小松左京の名作『さよならジュピター』を彷彿とさせながらもソレを凌ぐのではないかと個人的は思って居ます。
そんな星野之宣氏ですが、
最近執筆されているのが『宗像教授シリーズ』
主人公の宗像伝奇が日本各地の様々な場所を学術調査で訪れ、その地の歴史や伝承などを独自の視点で再検証し大胆な仮説を立ち上げる。
各地に伝わる「だいだらぼっち」の伝説を鉄を追い、たたらの技術を得ようとする大和朝廷の遠征と結びつけたりとか、
歴史ミステリ小説に迫らんとするものとなっています。
その中でも好きなエピソードが、小泉八雲や柳田国男の遠野物語でも有名な「雪女」をテーマにした作品
『宗像教授伝奇考』第六集に「氷の微笑」として収録されています。
35年前に東北地方の片田舎に住む老人の不思議な経験を聞いた宗像は,ふたたび老人の元を訪れるが、以前聞いた話と微妙に食い違っている、、、
老人の不可思議な経験を元にしながら,「雪女伝説」を素材として,ミステリ・タッチの作品に仕上っています。
論理的な帰結と思わせて、どこか幻想的なラスト。
孤独な老人を憐れんで雪女が本当に訪れたのでしょうか?
閑話休題~ソレハソレトシテ~
この作品で出てくるように,人間の記憶が,意識的無意識的に改変されていきながら,「伝説」が形成されていくプロセスというのは興味深いですね。
お は り !