『個人的な体験』 大江健三郎
奇形に生れたわが子の死を願う青年の魂の遍歴と、絶望と背徳の日々。狂気の淵に瀕した現代人に再生の希望はあるのか?力作長編。〈新潮社文学賞受賞〉
大江健三郎自身の体験を基にしたフィクションである。
主人公のバードは、脳瘤とおそらくそれによる脳障害を持つと思われる長男が産まれることにより、出生後数週の間に激しい葛藤をし、逃避、医師を介しての間接的殺害の決意をする。
出産後まだ子供の顔を見ていない妻に説明するのを避け、他の女性と関係をもってしまう。
バードは全てを放り出し、夢であったアフリカへの旅を夢想するのだが・・・
この本は今は亡き私の母親の蔵書の中にあった物で、比較的に若い頃に読んだ気がします。
なので結婚して子供を育てると言うことに対して漠然とした恐れに似た感情を抱いた記憶があります。
確か、
結婚を考えて居た時期に、この本を読んだ後、一人で夜通し鳥取砂丘までバイクで走り、
誰も居ない砂丘と海岸付近を飛ぶ大量の赤トンボという絶景を見て、
何かが吹っ切れた気がしました。
そして、
しばらく結婚しませんでしたとさ、(;^_^A
そんな
人生に対して破壊力を秘めた本だと思います!
(個人的な感想です。)
取り扱い注意な書籍かもしれません。
ちなみに母親の蔵書は
『チベットの死者の書』
『NASAは宇宙人の死体を隠している』
『人間万事塞翁が丙午』青島幸男
等、よくわからないラインナップでした。(;'∀')
お は り !