観戦記2841 WBOインターナショナルフライ級王座決定戦 アンヘル・アコスタvsレイモンド・タ | 人生マイペンライ

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《本日のDVD鑑賞》

 

アメリカで試合しない事について「軽量級の中心は日本」と、ポール・マリナッジやショーン・ポーター、欧米マスコミに言い返した4団体統一スーパーバンタム級王者井上尚弥選手。極東の軽量級ボクサーに多くの世界のボクシング関係者がムキになった事が嬉しく思う。いくら辰吉丈一郎さんが日本でカリスマでも、世界的なボクサーやマスコミから世界に出てこいなどと文句をつけられた事は無い。井上選手と対戦するボクサーだって、安全で礼儀正しい日本で欧米で闘う何倍ものファイトマネーが貰えるなら喜んで来るはず。やはり、マニー・パッキャオの特異な存在が色々な価値観を壊してしまい、アメリカでアジア人が尊敬され何十億円も稼ぐというシンデレラストーリーを投影してしまう。

それでもフィリピンやタイの選手が日本や世界で闘い、噛ませ犬が逆に噛んでいくストーリーは痛快でスポーツの醍醐味に感じる。昔は日本に来るアジアのボクサーは酷いのが多く、それをジム側が望んで仕立てている事が多かった。しかし、パッキャオの存在がフィリピン人の勇気を植え付け夢の扉が開き、噛ませ犬ではないフィリピン人ボクサーが自国ではチャンスが無いので世界中で闘う!フィリピンと同じく、軽量級のメッカであるメキシコのファン・フランシスコ・エストラーダ、ルイス・ネリとメキシコに乗り込んで闘ったのがフィリピンのレイモンド・タブゴン!

 

フィリピンのミザミスオリエンタル州ヒンゴオク市に生まれた、レイモンド・ジョン・グラリオン・タブゴンは、2011年1月に正式デビューしてジェフリー・ガルシムに判定勝ち~さらに2連勝1KOするが、その後は2連敗1分~それでも、2011年11月からは8連勝3KO~しかし、2013年12月にローマ・レイテに判定負け~直ぐに再起して6連勝3KOも、2015年11月にファン・ヘルナンデス・ナルバッテに5RでTKO負け。

2016年3月に再起し、レナント・サウカサを6RにTKOで降してPBFスーパーフライ級王座を獲得~7月にはイギリスで、IBFインターコンチネンタルスーパーフライ級王座決定戦をマカゾレ・テテと対戦も5RにTKO負け~10月には、ローマン・ゴンサレスを追いかけてスーパーフライ級に上げてきたファン・フランシスコ・エストラーダと対戦も判定負け 『観戦記2136』

 

12月にもメキシコで、WBC米大陸バンタム級王者のルイス・ネリとWBCバンタム級シルバー王座決定戦も4RにTKO敗け 『観戦記2167』

 

フィリピンに戻り2連勝2KOして、2017年8月に後のWBAスーパーフライ級王者になるアンドリュー・マロニーとWBAオセアニア&東洋太平洋スーパーフライ級シルバー王座決定戦で対戦も4RにTKO敗け~1年置いて、アメリカ~フィリピン~日本で2勝2敗で再度メキシコへ乗り込む!

対戦するのは、前WBOライトフライ級王者のアンヘル・アコスタ!

 

1990年10月にプエルトリコのサンファンに生まれたアンヘル・ティト・アコスタは、貧民街のバリオ・オブレロで育ち兄の影響で9歳からボクシングを始める~IBFフライ級王座にも挑戦したホセ・ラウレアーノ、元WBCウェルター級王者のビクター・オルティスからの指導も受ける。

アマチュアでは、2010年7月に中央アメリカ・カリブ海周辺の国が参加する国際総合競技大会でライトフライ級金メダルを獲得~2012年のロンドン五輪予選で敗退しプロへ転向。自国プエルトリコの英雄のミゲール・コットがプロモートするプロモーションと契約し、2012年11月にアレクシス・デ ィアスを 3RにTKOで降しデビューを飾る~その後も連続KOを重ね、2015年3月にアルマンド・バスケスを7RにKOして10戦10KOでWBC中央アメリカライトフライ級王座を獲得。

その後も防衛戦を含む4KOで、2016年11月にはWBOラテンアメリカライトフライ級王座決定戦でルイス・セハを2RにKOして王座獲得~そして2017年2月にジェフェ・ウトニとのWBO挑戦者決定戦を10RにTKOで降し勝利し挑戦権を獲得~5月に、16戦16勝16KOでWBOライトフライ級田中選手に挑むが判定負けで初黒星 『観戦記1325』

 

12月の再起戦で、田中選手が返上したWBOライトフライ級王座の王者決定戦に出場しWBO4位のファン・アレホを10RにKOして王座獲得 『観戦記1934』

 

2018年6月に、WBO11位のカルロス・ブイドラゴを12RにTKOで降し初防衛に成功~10月にも、WBO11位のアブラハム・ロドリゲスを2RにKOして2度目の防衛に成功~2019年3月に、WBO7位のガニガン・ロペスを8RにKOして3度目の防衛に成功~6月に、WBO14位のエルウィン・ソトの挑戦を受けるも12RにTKO敗けし王座陥落 『観戦記2761』

 

ルイス・ネリとはバンタム級で闘い、世界中で階級を超えて地元のヒーローと闘うレイモンド・タブゴン!WBOライトフライ級王座陥落後の再起でフライ級に上げたアンヘル・アコスタは、2階級制覇を狙う為のWBO地域王座を獲得してWBOフライ級ランキングを掴みたい!

 

2019年10月24日 WBOインターナショナルフライ級王座決定戦 アンヘル・アコスタvsレイモンド・タブゴン

 

アンヘル・アコスタ 20勝20KO2敗 元WBOライトフライ級王者

 

レイモンド・タブゴン 22勝11KO10敗1分

 

1R、ガード高くゆったり構えるアコスタに、タブゴンはスピ―ドあるフットワークから積極的に打っていく

 

アコスタも出ていきコンビネーション~タブゴンは打ち終わりを狙う

 

2R、アコスタは大きく廻りながらも、スッと入ってコンビネーションを打って離れる

 

タブゴンは正面からフックを振り回す~しかし、アコスタのストレートがタブゴンを捕える!

 

3R、振り回すタブゴンも、アコスタは出入り速く廻っては飛び込んでコンビネーション

 

アコスタは、上手く距離を取りながら闘う~タブゴンが振ってきても、コンパクトにカウンター!

 

4R、距離をキープさながらジャブを当てるアコスタに、タブゴンは大振りのフックで飛び込むが届かない

 

打ち終わりを狙うアコスタは手数少ないが、タブゴンが来ないと感じるとコンビネーションをまとめる

 

5R、アコスタは距離を取りながらも、低く飛び込もうとするタブゴンに右を打ち降ろす!

 

さらに返しの左フックでタブゴン吹っ飛び、なんとか堪えていたがヒザを付きダウン!

 

立ち上がったタブゴンに、アコスタが走って極めにいく!

 

タブゴン吹っ飛ぶも、ロープでなんとか立っている

 

タブゴンも必死にクリンチ~しかし、レフリーが中途半端な分けで直ぐにアコスタがラッシュ!

 

再びタブゴンはクリンチも、またもレフリーは中途半端な分け~コーナーに詰まったままのタブゴンもパンチを出すが、アコスタ冷静にかわす

 

アコスタはタブゴンのパンチに気を付けながらも、コーナーから逃がさず極めにいく!

 

アコスタが、タブゴンのガードを割る左アッパー~左フック!タブゴンはフラつく!

 

必死に左フックを返すタブゴンも、アコスタが左フックをコンパクトに振り抜く!

 

崩れるタブゴンに、アコスタの右は不要でレフリーが飛び込む!

 

見事にアンヘル・アコスタが、5RにTKO勝ちでWBOインターナショナルフライ級王座を獲得!下から階級を上げてきたアコスタだったが、身体はタブゴンよりも大きく見えパンチもパワフルだった。アコスタには、2年半前の初来日で初黒星を味わわされた田中恒成選手がこの時点でWBOフライ級王者で 『フライ級は強豪がいっぱい。強い相手と闘いたい。コウセイ・タナカと是非再戦したい。自信はある』 と話す。

しかし、田中恒成選手は2ヶ月後の12月にWBO10位のウラン・トロハツを3RにKOした後の 『観戦記1866』 WBOフライ級王座を返上~スーパーフライ級で4階級制覇を目指す。コロナ禍に入り、アンヘル・アコスタの次戦は1年5ヶ月後の2021年3月に地元プエルトリコでヒルベルト・メンドサに判定勝ち~9月に、WBOフライ級王者中谷潤人選手に日本で挑戦も4RにTKO敗け 『観戦記2230』 本来のフライ級での1戦だったレイモンド・タブゴンは、この後もアメリカで2戦するが2KO敗け。

 

★まぁ、確かにアメリカで井上尚弥選手が前座で闘う必要は無いが 格闘技blogランキングをクリック⇒格闘技 ブログランキングへにほんブログ村 格闘技ブログへにほんブログ村