観戦記2720 Dynamite! アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラvsボブ・サップ | 人生マイペンライ

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《本日のDVD観賞》

 

昨日は七夕の日曜日でK-1 MAX70kgトーナメントと、井岡一翔選手のWBAスーパーフライ級王者井岡一翔選手とIBFスーパーフライ級王者フェルナンド・マルチネスが同時間で開催される嬉しい悲鳴!なんで土日や翌週などにズラせないのか悲しい格闘技界だが、かつては大晦日に民放3局で視聴率を争い共倒れしてしまった悲しい歴史もある。元々は大晦日は猪木BOM―BAYEが2000年にプロレスを開催~2001年にK-1と共催で、K-1vs猪木軍として開催し視聴率を稼いで翌年からの大晦日の風物詩になる。しかし、様々な思惑と金が動いて何時の間にか分裂して大晦日は民放3局で格闘技放送~気が付けば総て無くなり冬の時代に突入する。

PRIDE、K-1、アントニオ猪木と総ての力が集まった興業が、2002年8月の国立競技場で9万人を集め開催されたDynamite!だろう。全8試合の中でK-1ルールでドン・フライvsジェロム・レ・バンナ、アーネスト・ホーストvsセーム・シュルトがあったが、基本的にPRIDE色が強くバルセロナ五輪柔道金メダルの吉田秀彦vsホイス・グレイシーなどが行われた。そんなお祭りイベントの中で、お祭りらしいカードが組まれたのはアントニオ・ホドリコ・ノゲイラvsボブ・サップ!まだPRIDEの1試合目で2試合しただけのボブ・サップが、日本中にブームを起こす事にになるキッカケの試合。

 

1973年9月にアメリカのコロラド州で生まれた‘The Beast‘ボブ・サップことロバート・マルコム・サップは、母子家庭で育ち高校時には115kgありアメリカンフットボールで活躍~ワシントン大学にアメリカンフットボールの特待生で入学~1997年にはドラフト3巡目でNFLのシカゴベアーズに指名され入団~しかし、シーズン前に禁止薬物で解雇、故障などで多くのチームを渡る。2000年に、両足のアキレス腱の怪我でプロレスラーに転向~WCWの養成施設で元K-1のサム・グレコと知り合い、K-1の石井館長を紹介され契約。

2002年4月にPRIDE.20でデビューし、山本憲尚選手を1RにKOする~6月のPRIDE21でも、田村潔司選手に1Rの11秒でTKO勝ち。

 

そして、日本格闘技史上最大のイベント‘Dynamite‘に参戦!対戦するのは、20日前にUFO Legendで菊田早苗選手と対戦したアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ!

 

1976年6月にブラジルのバイーア州ヴィクトリア・ダ・コンキスタで生まれた‘柔術マジシャン‘アントニオ・ホドリゴ・コヘイア・ノゲイラは、4歳から柔道を始め10代半ばにはボクシングを始める~1993年11月のUFC.1でのホイス・グレイシーに憧れてホイスに柔術で勝っているブラジリアン柔術ヒカルド・デラヒーバの弟子ギリェルメ・アサッドの弟子になる~その後ヒカルド・デラヒーバの弟子にもなり、リオデジャイロ柔術選手権7度優勝~ノースイースタン柔術選手権6度優勝~パンアメリカ柔術選手権97kg級優勝。

アメリカに移住してプロに転向し、1999年6月にWorld Extrime Fighting.5でデビッド・ドッドに1Rで1本勝ち~10月にもWEF.7で、ネイト・シュローダーに1Rで1本勝ち~そして同月にRINGS KOKトーナメントに参戦し、1回戦でヴァレンタイン・オーフレイムに1Rで1本勝ち~2回戦も、コーチキン・ユーリに1Rで1本勝ち~2000年1月に、ジェレミー・ホーンを判定で降しWEFヘビー級王座を獲得~2月にKOKトーナメント準々決勝でアンドレイ・コピロフを判定で降す~準決勝では、ダン・ヘンダーソンに延長1-2の判定で敗れる~8月に高坂剛選手とドロー~10月のRINGS KOKトーナメントではラバザノブ・アフメッド、田村潔司選手、ヴォルグ・ハン、金原弘光選手、ヴァレンタイン・オーフレイムを降し優勝。

7月のPRIDE.15に参戦し、ゲーリー・グッドリッジに1Rで1本勝ち~9月のPRIDE.16でも、マーク・コールマンに1Rで1本勝ち

 

11月のPRIDE.17で、ヒース・ヒーリングとPRIDEヘビー級王座決定戦で対戦し判定勝ちで王座栄冠

 

2002年2月のPRIDE.19で、エンセン井上選手に1Rで1本勝ち~8月にはUFOに参戦し、菊田早苗選手を2RにKOする

 

体重差が50kg以上ある対戦に4点ポジションでの膝蹴りは無しだが、パワーvs技術という日本人が好きな対決となり当時の日本では大注目を集めた1戦!PRIDEヘビー級王者か!?アメリカのフィジカルモンスターか!?真夏の決戦に9万人が沸いた1戦!

 

2002年8月28日 Dynamite! アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラvsボブ・サップ

 

アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ 16勝1敗

 

ボブ・サップ 2勝無敗

 

1R、開始と同時にノゲイラがタックルも、サップはかわしてガブる

 

サップは、ノゲイラをそのまま持ち上げパワーボム!

 

ノゲイラが潜って足を取りにいくも、サップ再び持ち上げようとする~殴る!

 

ノゲイラはガードポジションになるも、サップは鉄槌を落とす!

 

ノゲイラは下から狙っていくも、サップ離れてスタンドへ~ノゲイラがローキックからタックルも、またもサップはガブる

 

なんと!ボブ・サップが、ノゲイラの首を取りにいこうとする

 

スタンドに戻り、ノゲイラがパンチを当てるもサップ効いてないか~ノゲイラがタックル!

 

ノゲイラがサイドから腕を取るも、サップは腕力で外す

 

サップは顔面から出血~ノゲイラは再びグラウンドで攻めるも、サップは強引にひっくり返してパウンド!

 

サップがパウンドを落とし続けると、ノゲイラは下から腕に絡み三角締めを狙う!

 

サップはグラウンドには付き合わない~スタンドでノゲイラがパンチからタックルも、やはりサップはガブって潰す

 

サップがパウンドを落とす~ノゲイラが三角締めを狙うが、サップは持ち上げて投げ捨てる!

 

サップも、グラウンドのノゲイラを攻めにいけない~攻めようとすると、ノゲイラが足を取りにいく

 

しかし、再びサップにのし掛からノゲイラは殴られる

 

2R、ダメージあるノゲイラだが、サップも疲れている~ノゲイラがワン・ツー!

 

ノゲイラがタックル~やはり、サップは、潰して上から押さえ込む

 

ノゲイラは再び三角締めを狙うが、またもサップは持ち上げて落とす!

 

それでも、サップはスタミナが切れたか動けない~ノゲイラは、腕を取りながら色々と仕掛けていく

 

ノゲイラはサップの左腕を離さず、徐々に腕を伸びていく!

 

それでもサップは強引に外す~しかし、サップはスタミナを使いきったか!?ノゲイラにグラウンドでコントロールされ動けない

 

ノゲイラが極めにいく~サップをコンとロールしながら、腕十字の体制にクラッチを切る!

 

完全に腕を伸ばされたサップは、力ではどうしようもなくタップする!

 

見事にアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラが2Rで1本勝ち!試合開始直後のボブ・サップが放ったパワーボムは、テレビで見ていても寒気がするほどノゲイラは真っ逆さまに頭から落とされた。PRIDEの1R目は10分だけに、いま観てもノゲイラが凌ぎ切れるのかドキドキした。この耐えて耐えて1本勝ちというプロレスのような逆転劇でノゲイラは一気に人気が爆発し、ボブ・サップも一躍時の人になった。

ノゲイラは試合後 『タフな試合だった。あんな流れにしてしまったのはプランミスだ。それにしても凄いパワーだったよ。少し痛いけど、首の状態はすぐにもとに戻ると思う。大丈夫さ。 きつかったけど必ずチャンスは訪れると思って粘り強く闘った。これまでに培ってきた柔術を信じてね。柔術の技術がパワーに勝ることを証明できてよかった。
それに、闘いの中で心が折れることもなかったよ。 私は、11歳の時に1度死にかけた。あの時の恐怖に比べればたいしたことじゃないんだ』 と話していた。

敗けたとはいえ、とんでもないインパクトを魅せたボブ・サップは、翌月の2002年9月にK-1でシリル・アビディを1RでKO~年末のK-1GPでもアーネスト・ホースに連勝して日本中にブームを起こす。大逆転での1本勝ちしたアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラは、3ヶ月後の2022年11月開催のPRIDE.23でセーム・シュルトに1Rで1本勝ち 『観戦記292』

 

★魔裟斗さんが選ぶ格闘技三選の中にも入ったノゲイラvsサップ 格闘技blogランキングをクリック⇒格闘技 ブログランキングへにほんブログ村 格闘技ブログへにほんブログ村