観戦記2801 WBOアジア太平洋フライ級王座決定戦 加納陸vs井上夕雅 | 人生マイペンライ

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《本日のDVD観賞》

 

息子が「がんばれ元気」の配信を観ていて、ストーリーは覚えていたが思わず泣いてしまった。しかし、アニメでは元気の学生時代の師匠である三島英司さんが亡くなれてほどなく終了してしまう。へ!?ここからプロになって世界王者へ・・・・大人の事情があったのだろう、アニメしかしらない人は納得いったのだろうか!?しかも、エンディングはWBA&WBC統一王者になるも王座を返上して育ててくれた祖母の元に爽やかに走りながら戻るという‘あしたのジョー‘などを代表とする昔のスポ根漫画では考えられないエンディングなのに・・・・

主人公の堀口元気は、幼い頃からボクシングをするもボクサーの父親がリング禍で亡くなり祖父母に引き取られる~ボクシングを禁止されて優等生として育つが、ボクシングの練習は続けて高校には行かずに単身上京してプロを目指し世界王者。

当時は多くの若者が自分には出来ない姿に憧れたが、現代では2階級制覇王者の中谷潤人選手も堀口元気同様に優しい顔つきだが、中学校を卒業後高校には進学せずに単身アメリカへボクシングをしにいき世界王者と漫画の世界を現実にしている。

そもそもボクシングライセンスすらまともに無い国が多くあるなかで、下限年齢を設けていない国などいくらでもある。タイでのムエタイなどが、児童虐待にあたると非難されたことがあったが、貧しい家庭が丁稚奉公のようにジムに出し寝食を保証される世界で豊かな国の常識が通じるはずがない。

タイやフィリピンにいくと、当たり前だがジュニアの試合でもヘッドギアなどなく賭けの対象で大人が怒号の浴びせながら闘っている。そんな環境で、16歳でフィリピンにてプロデビューしたのが7月20日に初の世界戦を迎える加納陸選手!

 

1997年11月に兵庫県川西市で生まれた加納陸選手は、3つ上の姉にグラビアアイドルの加納葉月さんがいる。幼稚園から空手を習い、小学校4年生からボクシングを始め小学校6年生の時にU-15で優勝。2013年12月に、16歳になったばかりでフィリピンでデビューもベンジー・バルトロメに1-2の判定敗け~2014年2月にもフィリピンで、ロニー・レジノに判定勝ち~3戦目もフィリピンでドローも、4戦目からはタイで3連勝3KO~2014年12月にもタイで、インドネシアのマディット・サダをフルマークの判定で降しWBAアジアミニマム級王座を獲得。

 

17歳になったのもあり、2015年6月に地元兵庫県で日本デビューとなりミニマム級でマリフット・フタジュルを3RでKOする~さらに3連勝1KOして、2016年5月に東洋太平洋ミニマム級暫定王座決定戦でメルリト・サビーリョを2-1の判定で降し暫定王座獲得~8月に、WBO1位としてWBO2位の高山勝成選手とWBOミニマム級王座決定戦で対戦も6R負傷判定敗け。

12月に再起しタイ人を3RにTKOで降すも、2017年5月にWBOアジア太平洋ミニマム級王座決定戦でジェリー・トモグダン6RでKO敗け~直ぐに再起し2連勝1KOも、2018年4月に日本ミニマム級王者の小野心選手に挑戦も8RTKO敗け~12月に再起戦を判定勝ちし、2019年5月にはメクティソン・マルガンティを8RにKOしWBOミニマム級ユース王座を獲得~王座を返上し11月に見村徹也選手を判定で降し、2020年11月にWBOアジア太平洋ライトフライ級王座決定戦で平井克輝選手を2-1の判定で降し王座獲得~2021年7月にも、榮拓海選手を9RにTKOで降しWBOアジア太平洋王座初防衛に成功~2022年4月に、サンチャイ・ヨッブンを2RにTKOで降す。

 

そして2度目の世界王座挑戦を目指し、WBOアジア太平洋フライ級王座決定戦に挑む!対戦するのは、WBOアジアパシフィックフライ級5位の井上夕雅選手!

 

1999年7月に兵庫県伊丹市で生まれた井上夕雅選手も、2016年8月に17歳でデビューと早く高田祈斉選手に判定勝ち~さらに3連勝して、2017年9月に西日本新人王決勝戦で山中大貴選手に判定勝ち~11月の新人王西軍決定戦では、仲島辰郎選手とドローも規定で勝者扱い~12月の全日本新人王決定戦では、赤羽根烈選手を判定で降し全日本新人王獲得。

2018年5月に、須藤大介選手に5RでTKO勝ち~11月に、日本ミニマム級ユース王座決定戦で石澤開選手と対戦も6RにTKO敗け~4勝1KO1敗後、2021年11月に森青葉選手を判定で降し日本フライ級ユース王座を獲得~王座を返上し、浅海勝太選手に3RでKO勝ち。

 

ライトフライ級に上げて2戦目で王座戦のチャンスを掴んだ加納陸選手は、世界王座挑戦失敗から6年経ってしまい2度目のチャンスをライトフライ級では掴めなかった。フライ級での世界戦を掴む為に、なんともしても獲得したい王座。井上夕雅選手もキャリアはミニマム級から始め、フライ級でユース王座を獲得し世界ランクを手にするビックチャンスを掴む!

 

2022年9月3日 WBOアジア太平洋フライ級王座決定戦 加納陸vs井上夕雅

 

加納陸 19勝10KO4敗1分 WBOフライ級5位

 

井上夕雅 13勝2KO2敗1分 WBOアジア5位

 

1R、お互いに、細かく動きながらリードパンチを伸ばす~井上選手が右ストレート!加納選手かわす

 

加納選手が、廻り込んで手数を増す~飛び込んでワン・ツー!

 

2R、前に出ていく井上選手も、廻りながら手数多くヒットさせているのは加納選手

 

加納選手はサウスポーらしい動きで廻り、アウトを取って右フック!

 

3R、廻る加納選手に、井上選手が詰める~強い左右のフックを上下に!

 

加納選手も返してはいるが、井上選手の力強いパンチが加納選手を捕える!

 

4R、手数は加納選手も、井上選手が前に出て上下に打つ

 

加納選手は上手く廻りこみ、インサイドから右フック!

 

井上選手の前進が止まると、加納選手がコンビネーションでまとめる!

 

5R、加納選手が、スッと入って左ボディーストレート~バックステップしてワン・ツーを連打!

 

井上選手は、重そうな右ボディーを打ち込んでいく~さらにレバー打ちも連打!

 

6R、井上選手が出ていき右!加納選手は、廻りながらワン・ツーで飛び込む~井上選手は左フックを合わせる!

 

井上選手がボディー連打も、加納選手は左アッパーを突き上げる!

 

7R、井上選手が勝負にいく~ラウンド開始と同時に、上下に打ちまくる!廻る加納選手を追いかけ右ストレート!

 

加納選手も左ストレートで押し返していくが、今度は廻った井上選手が距離を取りながらワン・ツー!

 

8R、やはり、井上選手から仕掛けてボディー連打~大きい左アッパーから右ストレート!

 

加納選手も接近戦を仕掛ける~頭を付けて細かく連打!

 

井上選手は、距離をつくりながら右を打ち込む!加納選手効いたか!?

 

9R、加納選手が前に出ていくが、井上選手が右ボディー~右ストレート!

 

今度は加納選手が、頭を低く出ていき押していく~ボディー連打から左!右フック!

 

10R、再び加納選手は、細かく動きながら手数多く打つ~出てきた井上選手に左ストレート!

 

井上選手も必死にボディーを打ちながら前に出るが、加納選手は出入りしながら多彩なパンチを当てていく

 

11R、ポイントは劣勢だろう井上選手が勝負をかける!加納選手も足を止めて打ち合う!

 

加納選手が的確に当てて押す~井上選手は下がりながらも、加納選手の左を外して右ストレート!

 

12R、加納選手が、ラウンド開始と同時に仕掛ける~井上選手も返してはいるが、手数が止まり下がる

 

加納選手が、凄まじいスタミナで攻めまくる~身体ごと当たっていき、井上選手をロープに追い込み左!

 

判定は、115-113 116-112 115-113 3-0の判定勝ちで、加納陸選手がWBOアジア太平洋フライ級王座を獲得!

 

大激闘を制した加納選手は、階級を上げるにつれ表情からは信じられない激闘をしてダメージが心配になるほど。フライ級での栄冠に加納選手は 『ボディーは大丈夫だった。結構慣れてきたから。試合中に策がない、どうしようと思うことが減ってきた。17歳からやらせてもらってきた、経験が生きたと思う。耐久力と、際の攻防で押し切られることがない。何ミリかのところの勝負をものにできていた。まだまだですね。少なからず成果は出ているけど、底上げしないといけないところばかり。いまは正直、18歳の時みたいに、いつまでに(世界戦を)と決めているわけじゃない。認めてもらうような試合をして、勝利して、陣営が周囲が(世界に)いけるやろうという時に。絶対に取り切らないといけないので』 と、6年前の悔しさを糧に勝ち進む。

そして、2023年4月に亀山大輝選手とドローでWBOアジア太平洋フライ級王座初防衛に成功~さらにタイ人に2連勝1KOして、ついに7月20日にアンソニー・オラスクアガとジェシー・ロドリゲスが返上したWBOフライ級王座決定戦で対決!

 

★2024年4月に井上夕雅選手は日本王座挑戦するが9RKO敗け 格闘技blogランキングをクリック⇒格闘技 ブログランキングへにほんブログ村 格闘技ブログへにほんブログ村