観戦記2791 IBFバンタム級王座戦 エマヌエル・ロドリゲスvs西田凌佑 | 人生マイペンライ

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《本日のTV観賞》

 

5月6日の東京ドームでの4団体スーパーバンタム級王座戦 井上尚弥vsルイス・ネリ 『観戦記2789』 が大成功に終わり何だか嬉しくなったが、横浜にある大橋ジムなので川島勝重さんの時のように横浜で世界戦を開催してくれたらなぁ~と、横浜在住者は思ってしまう。WBSSバンタム級トーナメント1回戦のファン・カルロス・パヤノとは横浜アリーナで開催されたが、もう1万人クラスの会場では井上尚弥選手を観るにはチケット代金&争奪戦が大変な事になるのだろうか。

関東での試合が続く井上選手だが、そもそも日本人の世界戦は東京開催がほとんどで横浜アリーナや埼玉スーパーアリーナと言っても東京近郊での開催。近年の関東以外での世界王座獲得で万歳三唱となると、村田諒太さんが大阪エディオンアリーナでロブ・プラントとの再戦で王座返り咲きの試合が印象深い 『観戦記1758』 大阪での世界王座返り咲きというと、1997年11月の辰吉丈一郎vsシリモンコン・ナコントンパークビューの歓喜が昨日のことのように想い出される 『観戦記85』 辰吉さんの世界戦はほぼ関西圏で最後の世界戦となったウィラポン・ナコンルアンプロモーション戦は大阪ドームだった(2万人~3万人?)

関西で抜群の人気を誇る辰吉さんだけにできた事だが、現代では考えられないほど辰吉さんは関東での世界戦は少なく大阪で7戦、関東3戦、名古屋1戦。井岡一翔選手も大阪出身だが、1度引退し復帰後はジムも東京で世界戦は関東開催。

そんな中、奈良県出身でジムは大阪の六島ジム所属の西田凌佑選手は関東で試合をした事がなく、大阪で世界挑戦の切符を手に入れた!

 

1996年8月に奈良県香芝市に生まれた西田凌佑選手は、中学生の時は陸上部に所属し奈良県立王寺工業高校時代にボクシングを始める~2014年度国体少年の部フライ級で優勝。近畿大学に進学し、元WBAスーパーフライ級王者の名城信男さんの指導を受ける。

大学を卒業し、2019年10月にタイでデビューしてサコン・ケークンに1RでTKO勝ち~12月には日本でパブリト・カナダに判定勝ち~2020年12月には、元日本王者バンタム級王者の大森将平選手と123ポンド(スーパーバンタム級122ポンド)契約の1戦を判定勝ちして日本スーパーバンタム級&WBOアジア5位にランクされる。

 

2021年4月に、比嘉大吾選手のWBOアジアパシフィックバンタム級王座に挑戦し大差判定勝ちで王座獲得 『観戦記2251』

 

12月に、WBOアジア11位の大橋哲朗選手を大差判定で降しWBOアジア王座初防衛に成功~2022年10月にも、WBOアジア14位のアルジュム・ペレシオをフルマークの判定で降し2度目の防衛に成功~2023年4月に、WBOアジア3位のソンセン・ポーヤムをフルマークの判定で降しWBCアジアパシフィックバンタム級王座2度目の防衛に成功 『観戦記2734』

 

8月に、IBF5位としてIBF6位のクリスチャン・メディーナとIBFバンタム級王座挑戦者決定戦で対戦し判定勝ちで挑戦権を獲得 『観戦記2769』

 

そして、大阪に王者を呼び込む!挑むIBF王者はエマヌエル・ロドリゲス!

 

1992年8月にプエルトリコのマナティーで生まれた‘Manny‘エマヌエル・ロドリゲス・ベラスケスは、野球とサッカーをしていたらしいが14歳でボクシングを始める~2010年のAIBAユース(18歳以下)選手権でフライ級銀メダル~8月のシンガポールで開催されたユースオリンピックではフライ級で金メダルを獲得~2012年6月にデビューし、ハソン・アゴストを1RでKO~その後も8連勝4KOで、2014年10月にミゲール・カルタヘナとのWBOラテンアメリカバンタム級王座決定戦を1RにKOして王座獲得~2015年2月にハボル・モルナルを2RにTKOで降し初防衛に成功~5月にルイス・ヒノホサを3RにKOして2度目の防衛に成功~8月にはアレックス・ランヘルを7RにKOして、WBA&WBC暫定ラテンアメリカバンタム級王座を獲得~2016年6月には、日本で山中慎介さんのWBCバンタム級王座にも挑戦した 『観戦記624』 アルベルト・ゲバラに判定勝ち~2017年3月に、元WBOスーパーフライ級王者のオマール・ナルバエスと対戦が決まったかたと思われたが流れ、ロビンソン・ラビナンサを1RにKO~8月にヒオバニ・デルガドを4Rに棄権に追い込む。そして、2018年5月にポール・バトラーのIBFバンタム級王座に挑戦するが、バトラーが体重超過・・・試合はジャッジ2名がフルマークを付ける大差判定勝ちで王座獲得 『観戦記2088』 WBSSに参加し、2018年10月の1回戦ではIBF3位のジェイソン・マロニーを2-1の判定勝ちで準決勝進出 『観戦記1599』 2019年5月にWBSS準決勝で、井上尚弥選手と対戦も2RにTKO敗け 『観戦記1723』

 

11月にルイス・ネリとWBCバンタム級王座挑戦者決定戦で対戦予定も、ネリが計量オーバーし対戦を拒否~2020年12月に、WBCバンタム級王者のノルディーヌ・ウバーリがコロナウィルスでの欠場の暫定王座決定戦でレイマート・ガバリョと対戦も微妙な1-2の判定敗け~2021年8月に、ゲイリー・アントニオ・ラッセルとWBAバンタム級王座挑戦者決定戦で対戦も1Rにバッティングで無効試合~2022年3月に、ロベルト・サンチェス・カントゥに1RでKO勝ち~10月に、ゲイリー・アントニオ・ラッセルとWBA&IBFバンタム級王座挑戦者決定戦で再戦に負傷判定勝ちし挑戦権を獲得~2023年8月にIBF2位として、IBF3位のメルビン・ロペスとIBFバンタム級王座決定戦で対戦しフルマークの判定勝ちで王座栄冠。

 

WBSS参戦時は、無敗の王者で井上尚弥選手の最大のライバルと云われたロドリゲス。井上戦でのボディーを喰らって倒れた表情が印象強すぎるが、その後はしっかりIBF王座に返り咲いている実力者。デビュー戦のタイと、比嘉選手に挑んだ沖縄での1戦以外は大阪で闘う西田選手が大阪のジムから12年振りの新王者誕生なるか!?

 

2024年5月4日 IBFバンタム級王座戦 エマヌエル・ロドリゲスvs西田凌佑

 

エマヌエル・ロドリゲス 22勝13KO2敗1無効試合 初防衛戦

 

西田凌佑 8勝1KO無敗 IBFバンタム級1位

 

1R、じっくり構え距離を計るロドリゲスに、西田選手は前後にステップしながらジャブを通す

 

ロドリゲスもダイレクトの右を伸ばす~西田選手はジャブを当てながら距離をキープするも、ロドリゲスが入ってくる!西田選手もカウンターを狙う!

 

2R、西田選手が距離を取りながら細かくジャブを当てていくが、ロドリゲスはヘッドスリップしながら入っていき右ストレート!

 

それでも西田選手が手数多く上下に打つ~ジャブでロドリゲスは入れず、さらに左ストレートを伸ばしていく!

 

3R、ロドリゲスが強引に入っていく~西田選手も押し返すが、ロドリゲスがアウトを取って右ストレート!

 

西田選手も左ストレート~ロドリゲスが前に出てきても、バックステップからコンビネーションで左ストレート!

 

4R、西田選手が前手でロドリゲスを押さえるも、ロドリゲスはガードを固めながら入ってくる~西田選手も引かずに、左右のボディーで止める

 

ロドリゲスも右ストレートを伸ばす~西田選手はカウンターのボディー!頭を付けた状態から、西田選手が右フック~ボディー!

 

ロドリゲスらしい苦悶の表情で崩れる!ダウン!

 

立ち上がったロドリゲスに、西田選手がボディー!ボディー!ロドリゲスも打ち返してラウンド終了

 

5R、ロドリゲスが前へ出てくるも、西田選手は右フックで廻しながら左ボディー!

 

接近戦での打ち合いが続く~ロドリゲスが、右ストレートで西田選手を押していく

 

6R、開始ゴングと同時にロドリゲスが詰めていく~下がりながらジャブを伸ばす西田選手に、ロドリゲスはダイレクトの右!

 

さらにロドリゲスが、ダイレクトの右でガンガン出る~廻る西田選手も、ロドリゲスは狙い打ち!

 

ロドリゲスの、モーション無い右が西田選手を何度も捕らえる!

 

7R、またもロドリゲスが、沈み込むようなフェイントからダイレクトの右!

 

西田選手は、頭を付けていきボディー連打~ロドリゲスは左から右ストレート!

 

8R、ラウンド開始と同時に、いきなり接近戦での打ち合い~西田選手がショートで打ち込む!ロドリゲスを下げさせ連打!

 

我慢比べの展開が続く~西田選手がボディーを効かせるも、ロドリゲスは右ストレートを当てていく!

 

9R、再び西田選手がボディーで押していき、下がったロドリゲスに左ストレート~右フック!

 

さらに西田選手がボディー~ロドリゲス効いている!しかし、空間をつくるとロドリゲスがかわしてパンチを当てる!西田選手は身体を浴びせていきボディー!

 

10R、西田選手から頭を付けて押していき、ロドリゲスを下げさせからボディー!

 

サイドに廻るロドリゲス~細かくパンチを入れるが、ボディーを入れられると止まる

 

11R、ポイントは劣勢だろうロドリゲスが、身体ごと当たりながら連打!西田選手もボディーを返す

 

お互いに引かない打ち合い~しかし、西田選手のボディーにロドリゲスは腰が引ける

 

12R、最終ラウンドも西田選手が出ていく~ロドリゲスも細かく返すが、ボディーを打たれ後退

 

お互いに手数落ちずに打ち合う~西田選手のボディーは効いているが、ロドリゲスも踏ん張り試合終了

 

判定は、112-115 112-115 110-117 3-0の判定勝ちで、西田凌佑選手がIBFバンタム級王座奪取!

 

見事に西田凌佑選手が、わずか9戦でIBFバンタム級王座を獲得!デビュー戦以来は全て判定勝ちが示す通りの試合巧者振りで、テクニシャンのロドリゲスにジャッジ1社は7ポイント差を付ける勝利。ジャッジペーパーを見ると、ジャッジ3者が西田選手に10点を付けたのは1R、2R、4R、8R。ロドリゲスジャッジ3者が10点を付けたのは5R、6Rのみと、ダウンも奪っての完勝。

翌日の記者会見で六島ジムの枝川孝会長は「返上もあるかもわからん。昨日の今日やから分からんけど、ウエートの問題。今回もカツカツの状態でリミットまで持っていった。心臓が痛いって言っているくらいの状態。もう骨と皮になっている』 と話していたが、西田選手はは自身のSNSで 『今後の階級についてよく聞かれるのですが、もう少しバンタム級でやっていきます』 と、書いている。リング上では 『圧倒的な不利の予想の中で、自分を信じてくれた人たちの期待に応えられて良かった。これで負けたら辞めるつもりだったので、先のことは考えられない』 と話していたが、バンタム級は日本人王者が揃い、やはりファンとしては統一戦などが観てみたいがどうなるか!?

 

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