観戦記2724 UFC Fight Night.162 デミアン・マイアvsベン・アスクレン | 人生マイペンライ

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格闘技を愛し50歳過ぎても殴り合う

《本日のDVD観賞》

 

先日、RIZINのCEOである榊原さんが年末のRIZIN.45後に堀口恭司選手と朝倉海選手が発言したUFCへの参戦に対し 『UFCからオファーが届いてるかどうかも知らないし、UFCは行きたいからって行ける団体ではない。UFCに何を求めてチャレンジするのか、堀口選手にも海選手にも聞いてみたい。日本人選手がこんなにも躍動してストレスなく戦える舞台はRIZIN以外にない。作り上げた8年の歴史に誇りを持っているし、ここを愛している。そこを大切に思える選手とやっていきたい。ファイター個人でやりたいことはあるでしょう。ファイトマネーが下がるかもしれないし、アテンション(注目度)が取れないかもしれなけど、競技者としてUFCにチャレンジしたいなら、止められないし止めるべきじゃない。行けるなら行ってこいって感じです。永遠のチャレンジでもないだろうし、数年やって日本に戻ってくる舞台がRIZINで、その選手のポジションがあればその時に相談すればいい。フレキシブルに考えたい』 と大きい気持ちの発言をしていた。

元々RIZINは、RIZIN FIGHTING FEDERATIONでFEDERATIONは‘協会‘であり、闘いを提供する場で団体では無く無理な拘束はしない。と言っていた。

UFCをリリースされた選手がBellatorやONE Champion Shipへ移籍する事も多々ある。そして、BellatorやONE Champion Shipの王者クラスがUFCへ移籍してくる事も当然あり、BellatorとONE Champion Shipで王者になったベン・アスクレンがUFCに移籍した時はUFC選手はムキになって迎え撃った!

 

1984年7月にアメリカのアイオワ州に生まれた‘Funky‘ベンジャミン・マイケル・アスクレンは、6歳からレスリングを始め高校生時はウィスコンシン州王者に2度なる~ミズーリ大学に進学し、NCAAディビジョン1で王者になり4度のオールアメリカンに選ばれる。後のUFCウェルター級王者になる、タイロン・ウッドリーとはチームメイトだったらしい。

2008年12月にアメリカントップチームでMMAを習い、2009年2月にThe Platrick Actでデビューしジョシュ・フラワーズに1RでKO勝ち~さらに2連勝して、9月にはアブダビ・コンバットに出場も2回戦負け~2010年4月からBellatorに参戦し、ウェルター級トーナメント1回戦でライアン・トーマスを1Rに1本で降す~5月のBellator.19での準決勝でも、代役で出場のイアン・トーマスに判定勝ち~6月のBellator.22での決勝では、ダーン・ホーンバックルに判定勝ちして優勝。

10月のBellator.33で、ライアン・グッドを判定で降しBellatorウェルター級王座を獲得~2011年4月のBellator.40で、ニック・トンプソンに判定勝ち~10月のBellator.56では、ジェイ・ヒエロンに2-1の判定勝ちしてウェルター級王座初防衛に成功~2012年4月のBellator.64でも、ダグラス・リマに判定勝ち~2013年1月のBellator.86では、カール・アモーゾに3R終了時TKO勝ち~7月のBellator.97では、アンドレイ・コンシュレコフに4RでTKO勝ち。

契約が満了するが、Bellatorとの契約がまとまらずに王者を返上してONE Fighting ChampionShipに移籍~2014年5月のOne FC.16でバフチハル・アバソフに1Rで1本勝ち~8月のOne FC.19で、鈴木信達選手のウェルター級王座に挑戦し1RにTKO勝ちして王座獲得~2015年4月のONE.26では、ルイス・サッポとの初防衛戦も1Rにアイポークでサップが続行不能で無効試合~2016年4月のONE.40で、ニコライ・アレクサヒンに判定勝ちして2度目の防衛に成功~2017年5月のONE.55では、アギラン・タニに1Rで1本勝ちして3度目の防衛に成功~9月のONE.59でも、ゼバスチャン・ガデスタムに2RでTKO勝ちして4度目の防衛に成功~11月のONE.65では、青木真也選手に1R57秒でTKO勝ちして5度目の防衛に成功。

そして、ベン・アスクレンは引退との報道だったが・・・・こんな事が可能なのかと耳を疑った、UFCのデメトリアス・ジョンソンとのトレードでUFCへ移籍!2019年3月のUFC235で、ウェルター級6位のロビー・ローラーと対戦し1Rにブルドックチョークで1本勝ち 『観戦記2192』

 

7月のUFC239ではウェルター級4位のホルヘ・マスヴィダルと対戦も、1R5秒でマスヴィダルの飛びヒザでKO敗け 『観戦記2540』

 

なんとも事故のような敗けでMMA初黒星となったアスクレンだが、3ヶ月後のUFC Fight Night.162で対戦するのはウェルター級10位のデミアン・マイア!

 

1977年11月にブラジルのサンパウロで生まれたデミアン・アウグスト・マイア・バチスタは、なんと4歳から柔道を習い12歳からは空手も習う。そして、意外や柔術には19歳から始めて23歳で柔術黒帯~2003年に柔術オリンピック世界杯の無差別級で、ガブリエル・コンサーガを破り優勝~11月には、日本で開催されたブラジリアン柔術大会「DESAFIO(デサフィオ)」に出場し馬場弘樹さんを膝十字で1本勝ちする。2007年の寝技世界一大会の第7回アブダビコンバットでは、88kg級で優勝。MMAにも2001年9月から上がり、Tornamenta en el Ringでラウル・ソーサを48秒でKO~2005年12月に、The Cage Vol.4 Redemptionでウカシュ・チレヴィツキを腕十字で1Rに1本勝ち~2006年10月に、Super Challenge.1トーナメントでカテウ・キビス、グスタボ・シム、ファビオ‘ネガォン‘ナシメントを降し優勝~2007年5月には、Gracie Fighting Championship:Evolutionでライアン・スタウトを1RにTKOで降す。

2007年10月のUFC77でUFCに初参戦し、ライアン・ジェンセンを1Rに1本勝ち~2008年4月のUFC83でエド・ハーマンを2Rに1本勝ち~8月のUFC87でジェイソン・マクドナルドを3Rに1本勝ち~11月のUFC91でネイサン・クォーリーを1Rに1本勝ち~2009年2月のUFC95でチェール・ソネンに1Rで1本勝ち~2009年8月のUFC102でネイサン・マーコートに1R21秒でKOされMMA初黒星~2010年2月のUFC109でダン・ミラーに判定勝ちで再起すると、2010年4月のUFC112でビクトー・ベウフォート欠場の代打でアンデウソン・シウバのミドル級王座に挑戦も、判定負けで王 座奪取ならず。

8月のUFC118でマリオ・ミランダに判定勝ちで再起すると、12月のTFU12のファイナルでケンドール・グローブに判定勝ち~2011年6月のUFC131でマーク・ムニョスに判定負け~10月のUFC136でジョルジュ・サンチアゴに判定勝ち~2012年1月のUFC on FOX.2でクリス・ワイドマンに判定負け~階級をウェルター級に下げて、7月のUFC148でキム・ドンヒョンに1RにTKO勝ち~10月のUFC153でリック・ストーリーに1Rに1本勝ち~2013年2月のUFC153でジョン・フィッチに判定勝ち~しかし、10月のUFC Fight Night 29ではジェイク・シールズに1-2の判定負け 『観戦記603』 2014年2月のUFC170でローリー・マクドナルドに判定負けで初の連敗~5月のTUFブラジル大会でアレクサンドル・ヤコヴレフに判定勝ち~2015年3月のUFC Fight Night 62のメインでライアン・ラフレアーに判定勝ち~8月のUFC190でニール・マグニーに2Rに1本勝ち~12月のUFC194でグンナー・ネルソンに判定勝ち~2016年5月のUFC198で、マッド・ブラウンに3Rに1本勝ち~8月のUFC on FOX 21でカーロス・コンディットに1Rで1本勝ち。2017年5月のUFC211で、ウェルター級5位のホルヘ・マスヴィダルに2-1の判定勝ち 『観戦記1345』

7月のUFC214で7年3ヶ月振りの王座戦に挑むも、ウェター級王者のタイロン・ウッドリーに判定負け 『観戦記1403』 0月のUFC Fight Night.119では 7位のコルビー・コヴィントンに判定負け~2018年5月のUFC Fight Night.129でも、7位のカウル・ウスマンに判定負け。王座戦挑戦から3連敗となってしまったデミアン・マイアが、2019年2月の祖国ブラジルで開催されたUFC Fight Night.144で元Bellatorウェルター級王者のライマン・グッドに1Rで1本勝ち 『観戦記2123』

 

6月のUFC on ESPN3で、アンソニー・ロッコ・マーティンに判定勝ち。

 

オリンピックレスラーからMMA無敗でBellatorとONE Champion Shipで王者になったアスクレンが、前戦でホルヘ・マスヴィダルに5秒でKOされ築き上げた実績を破壊されたアスクレン。UFC契約12年を過ぎ、柔術界のレジェンドに成りつつあるデミアン・マイアのグラップラー対決!アスクレンは 『彼の経歴を見れば、ベスト中のベストな相手にしか負けていない。ものすごいチャレンジだし、彼のグラップリングスキルはすごいと思っている。こういう試練を求めていたんだ。こういうのがほしかった。これまでのキャリアで、“すげぇ、こいつの柔術はうまい”と思ったことがない。サブミッションを心配する必要がなかったから、大胆にテイクダウンを仕掛けられた。今回のパズルはピースをはめていくのが楽しくなりそうだ』 と話す!

 

2019年10月26日 UFC Fight Night.162 デミアン・マイアvsベン・アスクレン

 

デミアン・マイア 27勝9敗 ウェルター級10位

 

ベン・アスクレン 19勝1敗1無効試合 ウェルター級11位

 

1R、試合開始とともに、両者とも走ってオクタゴン中央へ~マイアが左ストレートを打っていくが、アスクレンはかわす

 

パンチのマイアに、アスクレンがローから組みにいくもマイアは切る

 

何度も組みにいくアスクレンも、マイアはヒザを入れながら突き離す

 

離れてマイアがパンチも、アスクレンは組みにいく~しかし、マイアは全く付き合わずに左!

 

それでも組みにいくアスクレン~マイアは徹底して付き合わずに左!

 

どうしても組めないアスクレンは、マイアにカウンターの左ストレート~左ミドルを入れられる

 

それでもアスクレンが、しつこく組みにいきテイクダウンを奪う!

 

マイアも下から腕~ヒザを取りにいきラウンド終了

 

2R、組みにくるアスクレンに、マイアは距離を取りながら左ストレート!

 

アスクレンはプレッシャーをかけていき、マイアの左ストレートをかわして右アッパー!

 

アスクレンがマイアを追う~マイアの左には、アスクレン再びアッパーを合わせる!

 

廻るマイアを、アスクレンがパンチで追いかける~右ストレート!

 

左ストレートばかり狙うマイアに、アスクレンは読んでタックル!アスクレンは上を取り、パウンドを落としていく!

 

しかし、マイアは下から三角締めを狙う!必死に逃れたアスクレンも、マイアはオモプラッタのような体勢から上を取る!

 

3R、前に出てくるアスクレンに、廻りながら左ストレートを当てるマイア

 

それでもアスクレンが、組み付きながら押し込んでいく

 

マイアは付き合わないが、アスクレンはマイアを追い回して捕まえ投げる!

 

アスクレンがサイドポジションから殴るが、マイアはなんとか立つ~アスクレン前に出るも、マイアを捕まえられずマイアがテンカオ!

 

廻りながらパンチを当てるマイア~アスクレン組み付くも、マイアは直ぐに切って左!

 

それでもアスクレンは、足を取ってマイアを寝かせる!

 

しかし、マイアが上手くひっくり返してマウントを奪う!

 

逃れようと動くアスクレンだが、マイアに完璧にバックコントロールされる

 

コツコツとマイアが殴りながら、アスクレンの隙をついてチョーク!

 

必死に逃れようとしたアスクレンも、マイアの腕はガッツリ入り落ちたか!?

 

見事にデミアン・マイアが3Rに1本勝ち!オリンピックレスラーのアスクレンに対し、マイアは距離を取りながらスタンドで闘いを選んだと思われたが・・・・最後は、下からのまさに柔術マジシャン振りを魅せて一気に極めた。マイアは 『俺は根っからのグラップラーだが、アスクレンを疲れさせてアドバンテージを得てからグラウンドに行こうとしていた。アスクレンはとてもタフだし、特にトップを取るのが上手い。とても厳しい相手だ。俺はテイクダウンディフェンスが上手いが、アスクレンはグレートレスラーだ。彼がハーフガードを待っていることは分かってたので下からの闘い方を変えてみた。違うことをしようと思った。ディエゴ・サンチェスは長年俺との対戦をアピールしていたベテランファイターだ。まぁ、みんなが見たいのならやってもいい』 と話す。

この試合でデミアン・マイアは、9万$+勝利謝ボーナス9万ドルの18万$を稼ぐ。ベン・アスクレンは21万$を稼いだが 『キャンプでは物凄く練習をした。本当に良い柔術家もいたしね。俺は自信過剰だったと思う。デミアン・マイアはこの階級どころか多分MMAで一番のグラップラーである理由が分かった。リバーサルできるものだとかなり確信していたができなかったし、だから結果はこうなった。大体計画通りの展開だった。ムエタイのクリンチのようにやりたいポジションがいくつかあったが、彼は上手く離れた。ただ良いパンチは入っていた。良いアッパーカットを入れていた。テイクダウンもできた。4、5回は成功していたと思う。だがそこから間違った判断をしてしまった。今後については分からない。ホームに帰ってじっくり話し合って考えないといけない。今年は本当に忙しかった。そして素晴らしかった。試合前は 『この次は誰だ? 誰との対戦をアピールすればいい?』 と思っていたが、負けてしまったしこの階級の選手はみんな忙しい。アピールするのは難しい。凄く理に適っている相手というのは今はいない。しばらく静観することになるだろう』 と話す。

そして、デミアン・マイアの次戦は5ヶ月後のUFC Fight Night.170でウェルター級12位のギルバート・バーンズと対戦。連敗となったベン・アスクレンは、翌月にMMAからの引退を発表 『以前から股関節に問題を抱えていて、医者と話し合ったら左股関節の置換術が必要だと言われた。最後まで自分の道を全うできなかったが、こんなに素晴らしいキャリアを歩むことができて感謝の気持ちでいっぱいだ』 と話す。

 

★アスクレンは1年半後にジェイク・ポールとボクシングで対戦 格闘技blogランキングをクリック格闘技 ブログランキングへにほんブログ村 格闘技ブログへにほんブログ村