《本日のDVD鑑賞》
大晦日の顔として12度目の12月31日決戦で、WBAスーパーフライ級王座防衛戦を行う井岡一翔選手。井岡選手が望み、WBCスーパーフライ級王者のファン・フランシスコ・エストラーダも望んでいた統一戦はファイマネーで折り合いがつかずに延期・・・・それでも2024年5月を目途に交渉中らしく、バンタム級に上げる可能性が高いがWBOスーパーフライ級王者の中谷潤人選手、井岡選手に敗れたものの 『観戦記2079』 4階級制覇を狙う田中恒成選手とともにスーパーフライ級は2024年も楽しみだ。
日本では何故か批判的な意見が多く出る井岡一翔選手だが、スーパーフライ級に上げた時点からエストラーダの名前を出していて 『ずっと戦いたいと言ってきたエストラーダと長い交渉が続いた。陣営がベストを尽くしてくれたが、なかなか条件が厳しくて年内にできないとなった。可能性として大晦日に防衛戦をするのか、しないのか。試合はしたかったし、エストラーダ選手と戦いたいという気持ちのなかで、そこだけを目指すのは違うと思った。チャンピオンとして戦い続けて最終的には実現させたいが(今ここで)止まれない。自分自身の挑戦として、大晦日で試合を見たいと思っている方々に見ていただきたいと決断した」 チャンピオンの責務。そして試合をしたいのか、したくないのか、と「シンプルに考えた」上での決断。 「リスクやメリットばかりを考えると、なかなか踏み出せない。チャンピオンとしてランカーの選手と戦うのは当然のことだと思う」と言う。 決断を迫られる中で「戦わずに家族とクリスマスから年末年始をゆっくり過ごそうか」との思いも駆け巡った。だが「それは何か違う」と感じた。 「今しかできない現役生活のなかで大晦日は特別な日でもある。今年もゆっくりせずに最後の日に試合をして、いい年をみなさんと迎えたいと思った」 34歳。この先のボクシング人生は長くない。ならば、王者として大晦日のリングに立てる“選ばれしボクサー”の権利と時間を大切にしようと考えた。2011年から続いてきた“大晦日ボクシング”を守らねばならないとの責任感もある。いやファンの期待に応えたいとの原点だろう。 「責任感というそこまで大げさな言い方じゃないが、自分の試合を見たいと期待して下さる方々がいるのであれば、大晦日に試合をしたいと思った」 と話す。
そして、大晦日に対戦するのはWBAスーパーフライ級8位のジョセベル・ぺレスと対戦する!
1995年2月にベネズエラのミランダ州で生まれた‘Avalancha(雪崩)‘ホスベル・アレクサンデル・ぺレスは、2016年4月にベネズエラのロステケスでデビューしてクリスティアン・アビラを4RにKOする~さらに2連勝2KOするも、2016年8月にカルロス・モレノに1RでTKO敗け~直ぐに再起して6連勝4KO5KOして、2017年11月にホセ・バリオスを判定で降しWBAボリビア地域フライ級王座を獲得~2018年4月にも、ホアン・フローレスを8Rに棄権に追い込みベネズエラフライ級王座を獲得。
ノンタイトル戦を2連勝2KOして、12月にホセ・ガリシアを2RにKOしてベネズエラフライ級王座の初防衛に成功~王座を返上して2連勝2KOし、2019年7月にロベル・バレラとWBAボリビア地域フライ級王座決定戦で対戦も判定敗け~12月に再起し、ドミンゴ・トバルを1RにTKOで降す。
そして、WBAフライ級12位としてWBAフライ級王者のアルテム・ダラキアンの王座へ挑む!
1987年8月にアゼルバイジャンで生まれたアルテム・ダラキアンは、ウクライナに移住して24歳でプロデビューなのでアマ戦績も豊富だと思われるがアマ戦績は分からず・・・・2011年8月に24歳でデビューしアルツール・オガネシアンを3RにTKOで降す~その後も5連勝3KOして、2013年4月にデビッド・キャナラズを1RにKOしてWBAインターナショナルフライ級王座を獲得8月に、ファン・プリシマを大差判定で降し初防衛に成功~ノンタイトル戦を2KO勝ちし、2015年7月にアンヘル・モレノに大差判定勝ちしてWBAコンチネンタルフライ級王座も獲得~12月に、シルビオ・オルテアヌを8RにTKOで降し2度目の防衛に成功~11月に、ジョズゼフ・アジタイを3RにTKOで降し3度目の防衛に成功~2017年4月にも、ルイス・マヌエル・マシアスを6RにKOして4度目の防衛に成功。
そして当時、WBAフライ級王者だった井岡一翔選手との指名挑戦がWBAから指令されるが・・・井岡選手は突如、引退を発表して王座を返上~2018年2月の‘SUPER FLY.2‘でWBA1位のダラキアンと2位のブライアン・ビロリアで王座決定戦をして大差判定勝ちで王座獲得 『観戦記1994』
6月に、WBA1位のヨドモンコン・ウォー・センテープを8RにTKOで降す 『観戦記2117』
2018年12月にも、WBA4位のグレゴリオ・レブロンを5RにTKOで降す 『観戦記2278』
王座を奪ったブライアン・ビロリア戦は、初めてウクライナ国外で試合をしたダラキアン。防衛戦はタイ人と2人とドミニカ共和国1人だけにウクライナに呼びやすく、今回もベネズエラ人のホスベル・ペレスだけにウクライナの首都キエフでの防衛戦!ペレスもベネズエラ以外での試合はコロンビアでの1試合のみで、その試合が3年振りの敗戦となった。WBAはベネズエラが本部だけに王座を持ち帰りたい!
2020年2月8日 WBAフライ級王座戦 アルテム・ダラキアンvsホスベル・ペレス
アルテム・ダラキアン 20勝14KO無敗 4度目の防衛戦
ホスベル・ペレス 17勝15KO2敗 WBAフライ級12位
1R、お互いに遠い距離から左を伸ばして様子をみる~ダラキアンから入っていく!
ペレスは、下から左を伸ばすが届かない~ダラキアンが、鋭く踏み込んでワン・ツー!
2R、ペレスから出ていくが、ダラキアンは廻りながらかわす~打ち終わりを狙う!
前に出るペレスに、ダラキアンはフットワークとクリンチでかわす~しかし、ペレスは走って追いかけ振り回す!
3R、ガードを下げヒラヒラ廻りながら打ってくるダラキアンに、ペレスは手数多く直線的に打っていく
ダラキアンは距離を取る~タイミングいい出入りから左フック!
4R、ラウンド開始とともに、ダラキアンが飛び込んで左フック~さらに左をインから入れて、外から左フック!
打ち合いになる~ペレスの右!廻ったダラキアンに、ペレスは追いかけ右を振りかぶる!
ダラキアンは距離を取りながらも、下から左を伸ばして当てていく
5R、細かく左を当てるダラキアンに、再三ペレスは右を被せようと狙う
ダラキアンは、足を使って大きく廻る~右ストレートで飛び込んで、左ボディー~左フック!
6R、下がりながらも、真っ直ぐ入ってくるペレスにジャブを当てるダラキアン
ダラキアンがスピードを上げて廻る~追いかけてくるペレスを、ジャブで止めてからワン・ツー!
7R、ヒラヒラ廻るダラキアンに前には出ていくペレスだが、変則的に飛び込んでくるダラキアンにパンチを当てられない
それでもペレスは直線的に突っ込む~ダラキアンもパンチを合わせるが、ぺレス気にせずに振り回す!
8R、ペレスはダラキアンを追いかけ振るが大きく、かわしたダラキアンに細かく当てられる
ペレスはパンチが当たらなくラフになる~それでも、動きながら左を突くダラキアンに右を狙う!
9R、ダラキアンの変則的な動きと飛び込みで、ペレスは入ろう入ろうとするが入れない
それでもペレスは、思い切りよく踏み込んでいく~ダラキアンは貰わないが押される
10R、ポイントでは厳しくだろうペレスが攻める~ダラキアンは足を使いながら、ジャブとクリンチでかわす
ペレスが身体を振りながら突っ込む~ダラキアンは、ナジーム・ハメドのようにかわして打つ!
11R、当たってはいないが、とにかくペレスは前に出て攻める!
ダラキアンは、フットワークとクリンチで攻めない~かわしてかわしてラウンド終了
12R、ダラキアンの露骨なクリンチを、ペレスはレフリーに訴えるが減点は無し
怒ったペレスが、ダラキアンを振り切り後頭部だろうがメチャクチャに打つ
ペレスは最後まで追い回すが、ダラキアンは余裕を魅せて逃げ切り試合終了
判定は、118-110 117-111 117-111 大差3-0でアルテム・ダラキアンがWBAフライ級王座4度目の防衛に成功!
危なげなくアルテム・ダラキアンが全勝を守り王座を防衛したダラキアンだが、3連続KO防衛中だっただけに何処かで仕掛けて欲しかった。身長ではプロフィール上1cmぺレスが高いだけだが、姿勢が高いペレスが数字以上に大きく見え身体で押し込んでいる場面も多々あった。しかし、高い位置からの右クロス以外はヒットせずに、ダラキアンのヒラヒラかわすスタイルに翻弄され大差がついた。
高いKO率をもつホスベル・ペレスだが、名のある相手は敗けたロベル・バレラとアルテム・ダラキアンのみ。この後もコロナ禍もあってかブランクをつくり、2023年2月にベネズエラで0勝7敗のジミー・ヒバスに1RでKO勝ち~9月にもベネズエラで、スーパーフライ級に上げ3勝5敗のラファエル・エルナンデスを1RにKO~9月にもベネズエラで、11勝3敗のホセ・ファルファンと何故かベネズエラスーパーフライ級王座決定戦で対戦し4RにKO勝ちで王座を獲得している。そして何故かWBAスーパーフライ級8位にランクされ、大晦日にWBAスーパーフライ級王者の井岡選手に挑戦する。体格で押すだろうが、大きいパンチは交わされ井岡選手に細かく当てられてしまいそうだが!?
アルテム・ダラキアンの次戦も間隔が空き、1年9ヶ月後の2021年11月に元WBAフライ&スーパーフライ級王者でWBA1位のルイス・コンセプションとウクライナのキエフで5度目の防衛戦。
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