観戦記2663 WBAスーパー&WBCライトフライ級王座戦 寺地拳四朗vsヘッキー・ブドラー | 人生マイペンライ

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一時は2023年末に決定!と報道されたWBC&WBOスーパーバンタム級王者井上尚弥選手と、WBAスーパー&IBFスーパーバンタム級王者マーロン・タパレスの4団体王座統一戦。しかし、10月に入っても正式発表は無く・・・このままだと、2023年の井上尚弥選手は1試合だけになってしまう。そうこうしている間に井上尚弥選手、マーロン・タパレスともに指名挑戦者の問題が出てくるだろうから何とか2023年内に統一戦が決まってほしい。

しかし、複数団体王者だけにランキング1位との指名挑戦試合をどこまで伸ばせるのかの問題も出てくる。そこは何とか待って欲しいところだが、ボクシングがエンターテイメントに走らなく世界的なスポーツとしての権威を保つためには(かなり曖昧でスター選手優遇だが)必要な制度。

通算17度世界王座防衛戦をしている井岡一翔選手、ミニマム級王者時にランキング1位の指名試合を1試合、WBC王者八重樫東さんとの統一戦を1試合 『観戦記210』フライ級では、前王者でWBA2位のファン・カルロス・レベコとの指名試合をクリアー 『観戦記1055』 スーパーフライ級では王座栄冠が決定戦だったので、初防衛戦でランキング1位のジェイピエール・シントロンとの防衛戦をクリアー 『観戦記1872』 2度目の防衛戦も、WBO1位の田中恒成選手との指名試合をクリアー 『観戦記2079』 5度目の防衛戦でも、元4階級制覇王者でWBO1位のドニー・ニエテスとの指名試合をクリアー 『観戦記2412』 さらにWBA王者のジョシュア・フランコとの統一戦がドローで終わった6度目の防衛後に 『観戦記2507』 WBOフライ級王座を返上して、スーパーフライ級1位の中谷潤人選手との指名試合を指令されフランコとの決着を優先して王座を返上。

そして、4団体統一王者へ突き進むWBAスーパー&WBCライトフライ級王者の寺地拳四朗選手も、WBC王座を8連続防衛中に5度のランキング1位と対戦する本物の王者。2023年4月に1度はWBO王者のジョナサン・ゴンサレスとの3団体統一戦が決まるが・・・・ゴンサレスが急病で延期となり、WBC1位との指名挑戦が指令される。

 

1992年1月に京都府城陽市に生まれた寺地拳四朗選手は、元日本ミドル級王者(3度防衛)で元東洋太平洋ライトヘビー級王者でもある(4度防衛)寺地永さんの長男。名前は、なんと漫画‘北斗の拳‘から本当にとったらしいから驚き!父は189cmの大きな体を誇るが、拳四朗選手は164.5cmと小柄。ボクシングも父いわく 『無理やりやらせた面もある』 らしいが、奈良朱雀高校時にはインターハイや国体に出場するなど才能を開花。高校3年時の2009年のインターハイでは、現WBOスーパーフライ級王者の井上尚哉選手に3Rにレフリーストップ負けをしている。

関西大学に進学し、大学4年時には国体で成年男子ライトフライ級優勝~やりたかったのは、競艇だったらしいが、2度受験に失敗。2014年8月に、父が経営するB.M.Bボクシングクラブから井岡一翔選手とも対戦経験がある 『観戦記205』 東洋太平洋ミニマム級11位のヘリ・アモルを相手にデビューし判定勝ち~10月にファウワナイ・ウォースラポーを2RにTKO、2015年3月に長嶺克則選手を7RにTKO、8月に大前貴史選手に4RにTKO、3連続KO勝利して10月にロリー・スマルポンとWBCライトフライ級ユース王座決定戦で争い判定勝利で栄冠

12月には、日本ライトフライ級王者の堀川謙一選手に挑戦し判定勝利し栄冠~2016年4月には初防衛戦で角谷淳志選手を迎えるが1RにTKO勝ち~8月の2度目の防衛戦は大内淳雅選手と東洋太平洋ライトフライ級決定戦の2本のベルトが賭けられるも、大差判定勝ちで日本王座防衛と東洋太平洋王座も獲得!親子2代での日本&東洋太平洋王座の栄冠は日本初の偉業達成 ~12月には、東洋太平洋王座の初防衛戦でレスター・アブタンを3RにTKO勝利。2017年4月に日本王座3度目の防衛戦が予定されるが、5月にガニガン・ロペスへの世界王座挑戦が決まり王座返上。そして、村田選手とアッサン・エンダムのWBAミドル級王座決定戦があった 『観戦記1314』 5月20日のアンダーカードでガニガン・ロペスのWBCライトフライ級王座に挑戦し2-0の判定勝ちし世界初挑戦で見事に栄冠 『観戦記1329』

2017年10月には、元王者でWBC1位のペドロ・ゲバラに判定勝ち 『観戦記1399』

 

そしてわずか2ヶ月後の12月に2度目の防衛戦で、WBC11位のヒルベルト・ペドロサを4RにTKO勝ち 『観戦記1412』 2018年5月の3度目の防衛戦で雪辱に燃える前王者のガニガン・ロペスをわずか2RにボディーでKO 『観戦記1468』 4度目の防衛戦は、10月に元IBFライトフライ級王者のミラン・メリンドを7RにTKOで降す 『観戦記1590』 2018年12月には、WBC7位のサウル・フアレスを大差判定で降し5度目の防衛に成功 『観戦記1651』

4年4ヶ月で15試合してきた拳四朗選手には最長の6ヶ月半空いて2019年7月に6度目の防衛戦でWBC1位、フィリピンのジョナサン・タコニンを地元に近い大阪で4RにTKOで降す 『観戦記1769』 12月には、WBC14位のランディ・ペタルコリンを4RにTKOに降して7度目の防衛に成功 『観戦記1875』 泥酔騒ぎなども起こし3ヶ月間ライセンス停止などもあったが、拳四朗選手が日本王者時代にはすれ違った久田選手と2021年4月に8度目の防衛戦で対戦し判定勝ちで8度目の防衛に成功 『観戦記2164』

 

そして、9月にWBC1位の矢吹正道選手の挑戦を地元の京都で受けるも10RにTKO負けし王座陥落 『観戦記2238』

 

引退も考えた拳四朗選手だったが、矢吹選手のバッティングが問題となりWBCから再戦指令が出る!2022年3月に、ダイレクトリマッチで矢吹正道選手のWBCライトフライ級王座に挑戦し3RにTKO勝ちし王座奪還 『観戦記2343』

 

11月には、WBAライトフライ級スーパー王者の京口紘人選手との統一戦を7RにTKOで降しWBC王座初防衛とWBAスーパー王座獲得 『観戦記2481』

 

2023年4月には、WBOライトフライ級王者のジョナサンゴンザレスと3団体統一戦の予定もゴンザレスが肺炎にかかり中止・・・・急遽代役としてWBAフライ級2位のアンソニー・オラスクアガを9RにTKOで降しWBC王座2度目&WBAスーパー王座初防衛に成功 『観戦記2574』

 

そして、3団体目を狙いWBO王者ジョナサン・ゴンザレスに向かいたいところだがWBCから指名試合が指令される。挑戦者はWBC1位のヘッキー・ブドラー!

 

1988年5月に南アフリカのヨハネスブルクで生まれたThe Hexecutioner(死刑執行人)ヘッキー・ブドラーは、2007年7月に19歳でデビューしマイケル・セディアンを1RにKOしデビューを飾る~1年4ヶ月で10連勝(4KO)して、2009年4月にチャリティ・ムコンデレリとのIBOアフリカライトフライ級王座決定戦を判定勝ちし王座栄冠~9月、ドクター・ニトセレに判定勝ち~10月、モトスワキ・ムセレセレを1RにKOし2度の防衛に成功~2010年2月にフィリピンのフアニート・ルビラールを判定で破り、IBOライトフライ級王座を獲得~6月にフアニート・ルビラール、2011年1月にギデオン・ブゼレジに判定勝ちで防衛に成功~9月には東洋太平洋ミニマム級王者のミッチェル・ランデロとのIBOミニマム級王座決定戦でも判定勝ちしIBOの2階級制覇~9月にフローレンテ・コンデス、2013年2月にルナン・トロンゴ、6月に元IBFミニマム級王者のヌコシナチ・ジョイに2-1の判定勝ちしIBOミニマム級王座を3度防衛~11月に、WBAミニマム級8位IBFミニマム級9位のウーゴ・エルナン・ベルチェリとIBOミニマム級と、当時宮崎亮さんが正規王座を保留していた事によるWBAミニマム級暫定王座決定戦で対戦し4RにTKOしてIBOミニマム級4度目防衛とWBAミニマム級暫定王座を獲得。

2014年3月にWBAミニマム級5位のカルルイス・ディアスを1RでKOしてIBO5度目、WBA王座も正規王座に昇格し初防衛に成功~6月に、WBA8位のピグミー・ゴーキャットジムを8RにKOしてIBO6度目、WBA2度目の防衛に成功~10月に元WBCミニマム級王者でWBA11位の熊朝忠に判定勝ちし、IBO7度目、WBA3度目の防衛に成功~2015年2月にWBAミニマム級2位のヘスス・シルベストレが体重超過だったものの判定勝ちしIBO8度目、WBA4度目の防衛に成功~9月にWBAミニマム級5位のシンピウェ・コンコ判定勝ちしIBO9度目、WBA5度目の防衛に成功~2016年1月にWBA王座はスーパー王座に格上げされ、3月にWBAミニマム級8位のバイロン・ロハスに判定負けし王座陥落~10月に再起し、WBAパンアフリカライトフライ級暫定王座決定戦でシヤボンガ・シヨに判定勝ちし王座獲得~2017年2月にジョーイ・キャノイとIBOライトフライ級王座決定戦を8RにTKO勝ちし王座獲得~9月に、当時のIBFライトフライ級王者のミラン・メリンドに挑戦するも1-2の判定負け。ブドラー陣営は最終ラウンドのダウンと判定にIBFに不服を訴えメリンドと再戦を指令。しかしメリンドは12月の田口選手との統一戦に負けて王座陥落。

そしてWBA&IBF統一王者の田口選手に、IBFはブドラーとの対戦を指令し日本で挑戦しジャッジ3者が1ポイントの接戦も判定勝利しWBAスーパー&IBFライトフライ級王座を獲得 『観戦記1467』 2階級制覇を達成

 

2018年7月にIBF1位のフェリックス・アルバラードとの指名挑戦戦の入札が行われたが、アルバラード側のサンプソン・ボクシングが落札しブドラーが210万のファイトマネーなどなりIBF王座は返上。2018年大晦日に、WBA2位の京口紘人選手との防衛戦を10RTKO敗けし王座陥落 『観戦記1653』

 

2年5ヶ月空けて再起し、2021年5月にジョナサン・アルマセンを判定で降しWBCライトフライ級シルバー王座を獲得~2022年6月に、エルウィン・ソトを判定で降しWBCライトフライ級王座挑戦権を獲得。

 

WBC王者拳四朗選手の統一戦などでなかなか挑戦がきまらなず、2023年5月にセーンタノン・トーシラチャイを1RにKOする。

 

 

2023年9月18日 WBAスーパー&WBCライトフライ級王座戦 寺地拳四朗vsヘッキー・ブドラー

 

寺地拳四朗 21勝13KO1敗 WBA2度目&WBC3度目の防衛戦

 

ヘッキー・ブトラー 35勝11KO4敗 WBA4位、WBC1位

 

1R、動き廻るブドラーに、拳四朗選手は槍のような突き出す左で追いかける

 

よく動くブドラーに、拳四朗選手はジャブで追いかけながらボディー!

 

2R、拳四朗選手が、プレスを強めて距離が詰まる~ブドラーも打ち合ってくる

 

ブドラーが打ちまくる~拳四朗選手が、足を使いながらジャブを突き刺す~ブドラーが入ってきたところに右!

 

3R、身体をよく動かすブドラーたが、正確無比な拳四朗選手の左が捕らえる!

 

拳四朗選手がワン・ツーで追う~さらに前後に動きながらボディー!

 

4R、拳四朗選手がジャブでブドラーを呼び込んで、ブドラーの左を外して右ストレート!

 

さらに拳四朗選手が右ストレート~ブドラーはガードを固めながらもボディーで前に出る!拳四朗選手はジャブを当て止めようとしているが、ブドラーは出ていく

 

5R、距離が近くなり、バッティングで拳四朗選手は右目尻から出血~再開後は打ち合いになる!拳四朗選手が右ストレート!

 

拳四朗選手が攻める~ボディーストレート!ブドラー効いた!さらに拳四朗選手がボディー連打!

 

必死にブドラー返すも、拳四朗選手がボディーを効かす~さらにワン・ツー!

 

6R、ボディーを効かせながらも、左を様々な角度で入れる拳四朗選手

 

しかし、ブドラーが出る~拳四朗選手を下がらせアッパー!拳四朗選手は、ロープに詰まりなからも手数を増してボディー連打!

 

7R、廻るブドラーを、拳四朗選手が手数多く追う

 

ブドラーが、さらに大きく廻る~左ボディーで入って右を振り落とす!

 

8R、ラウンド開始とともに、拳四朗選手が詰めていく~廻るブドラーを追いかけるが、ブドラーの足も速い

 

動き廻るブドラーも手数は出てこなく、拳四朗選手が追い回しワン・ツー!

 

9R、拳四朗選手がゴングと同時に仕掛ける~ジャブの連打で入ってボディー!

 

ブドラー廻るも、拳四朗選手は回転が上がり打ちまくる!

 

ブドラーも足を動きながら返すが、拳四朗選手のパンチをまともに貰う!

 

ブドラー効いている~拳四朗選手が極めにいく!

 

ブドラーはサイドに逃れるも、拳四朗選手が追いかけ右!左!

 

ブドラーは必死にクリンチも、拳四朗選手は引きはがして連打!ブドラー動けない!

 

崩れ落ちる寸前のブドラーに、やっとレフリーが止めに入る!

 

見事に9RにTKO勝ちで寺地拳四朗選手がWBC3度目、WBAスーパー王座2度目の防衛に成功!動きながらノラリクラリのブドラーに、このまま判定かな!?と思われた終盤に、見事にフィニッシュまでいった拳四朗選手の円熟期に入った強さ。拳四朗選手は 『本当に、チーム一丸で強くなってきた。僕ひとりではここまで辿り着けなかった。三迫会長、トレーナーの加藤さん、スタッフ、選手、一般会員さんも含めてみんなの協力に支えられてここまで成長できたことに心から感謝しています。序盤は少し力みすぎていたかなと。怖さはなかったですけど、僕自身ちょっと引きすぎた部分はあったかなとは思います。加藤さんから 『もうちょっと近づいていいよ』と言われて距離間は修正できました。今回は自分発信というより、指示されて理解するほうが多かった気がします』 と話す。

練習を支援する三迫会長は 『何よりも拳四朗の人柄によるところが大きい。これが自分勝手な考えの選手ならば、誰も応援しない」と話した。 「拳四朗だからできているように思います。うちの選手たちもみんな拳四朗が大好きで、仲間と思っているからこそ手伝いにきたり、応援にもきてくれる。逆にうちの選手にとっては、世界チャンピオン、稀代のスーパーチャンピオンを間近で見られる、一緒に練習できる、なおかつ一緒にマスボクシングやスパーをするのは、なかなか経験できないことです。拳四朗の敗北から立ち上がるまでも、みんな全部間近で見てきた。ボクシングの技術だけでなく、メンタル面の学びや経験も含めて、他では味わえないものをうちの選手たちはもらっている。なので、相乗効果だと思います。普段の練習でも若い子がどんどん上がってくる姿を見て、拳四朗も刺激を受けて自分を追い込んでいます』 と話す。

 

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